公衆無線LANサービスで光の価値を高める――ケイ・オプティコム代表取締役社長・藤野隆雄氏 | RBB TODAY

公衆無線LANサービスで光の価値を高める――ケイ・オプティコム代表取締役社長・藤野隆雄氏

 恒例となったRBB TODAYのブロードバンドアワードの2009年度は、ケイ・オプティコムが3年連続の受賞となった。

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ケイ・オプティコム代表取締役社長・藤野隆雄氏
  • ケイ・オプティコム代表取締役社長・藤野隆雄氏
 恒例となったRBB TODAYのブロードバンドアワードの2009年度は、ケイ・オプティコムが3年連続の受賞となった。同社が受賞したアワードは、ベストキャリア部門 近畿地域での最優秀賞、地デジ対策部門 西日本での最優秀賞の2冠となっている。今回は、代表取締役社長の藤野隆雄氏を直撃した。

――昨年と比べて、市場動向などどのように感じていますか。

 ケイ・オプティコムの場合、ここ数年は毎年約16万人ずつ契約ユーザー数を増やすことができ、3月には100万契約を突破しました。しかし、市場全体としては伸びは鈍る傾向にあると見ています。16万ずつ増えているユーザー数でも、まったくの新規にインターネット回線サービスを利用されるという人は減ってきており、他キャリアの光、ADSL、ケーブルテレビからの乗り換えの比率が多くなってきているのが現状です。その意味では、競争は激化しているのかもしれません。

――今回地デジ対策部門の受賞もあるわけですが、関西地域で地デジ対策として契約するという動きはどうでしょうか。

 ご存じのようにケイ・オプティコムでは、インターネット、電話、テレビのトリプルプレイサービスに、この3月からはモバイルブロードバンドを加えたクワトロプレイサービスを展開していますが、最近では、ネット、電話サービスに加えて、テレビサービスに相当する「eo光テレビ」を契約される方の割合がかなり高くなっています。地デジ移行を目前に控え、地デジ対策としてeo光テレビを選択していただいている人が着実に増えてきたということだと思います。

――ただ、さきほど述べていたように、競争はむしろ厳しくなっている中、地デジ対策をアピールしている通信事業者は他にもたくさんあると思います。どのあたりがユーザーに評価されたと考えていますか。

 ひとつは「eo光テレビ」を含むセットプランなど、料金設定にあると思っています。以前から、安くて分かりやすい料金体系というのを心がけていますが、これは変わっていません。もうひとつは、なるべく簡単な接続で地上デジタル放送からBSデジタル放送やCS放送などの機能を利用できるように、というサービス設計もあると思います。

 具体的には、「eo光テレビ」では、BSパススルー方式を採用しており、地デジやBS放送については、既設の同軸ケーブルをそのまま各部屋のデジタル対応テレビに接続するだけで番組を楽しめるようになっています。つまり、従来のCATVサービスのように、各テレビごとにSTB(セットトップボックス)といわれる専用チューナーを用意する必要がないわけです。BSパススルーサービスでは、当社が関西一円に保有する光ファイバーを活かし、BS放送や地デジ放送に使われている電波をそのままお客様宅まで伝送しており、まさに光ならではのサービスといえるでしょう。

 また、「eo光テレビチューナー」というSTBにテレビを接続すれば、CS放送なども視聴できます。CS放送についても、CATV業界最大規模のハイビジョンラインアップとなっており、大変ご好評をいただいています。今、eo光テレビチューナーといいましたが、当社ではこれにBlu-rayドライブ等を搭載した「録画機能付eo光テレビチューナー」をレンタルで提供しています。現在、ニーズが高まっているBlu-ray対応のハードディスクレコーダーであり、視聴番組をDVD、Blu-rayディスク、ハードディスクなどに自由に保存できます。分配器、STB、チューナー、レコーダーがばらばらでは、接続も面倒ですし、機材の購入も大変です。eo光テレビでは、STB1台とテレビがあればすべてクリアできます。低価格、高品質なサービスであることはもちろん、この手軽さ、わかりやすさを評価していただいたと思っています。

――ケイ・オプティコムでは、3月から「eoモバイル」という公衆無線LANサービスを開始していますね。こちらの展開についてお話いただけますか。

 「eoモバイル」は、最終的には当社のFTTHサービス提供エリア内で約30,000ヵ所のアクセスポイントを設置し、国内最大級の公衆無線LANスポット展開を目指すサービスです。料金はeo光ネットの契約ユーザーなら月額315円で使えます。また、「eoモバイル」のWi-Fiスポット以外でのモバイル接続のために、「eoモバイル 3G」というサービスも用意しており、これは、下り最大7.2Mbps、または最大21Mbpsの3G通信のサービスが利用できるというものです。

――設備投資は相当なものになるかと思います。約30,000ヵ所の目標は達成できそうですか。

 2010年度末までに約10,000ヵ所を目指しており、その後数年内に約30,000カ所まで展開する予定です。投資はもちろん大変ですが、バックボーンとなる光ファイバー回線そのものはすでに自前で持っているので、その分の投資は必要ありません。目標の達成は十分可能だと思っています。Wi-Fiスポットの展開場所としては、駅やコンビニや娯楽・商業施設等、生活に身近なスポットの多くで公衆無線LANサービスが使えるよう、屋外にアクセスポイントを展開していきます。

―ビジネスとして採算の見込みはどうですか。

 今回のeoモバイルを開始する最大の目的は「eo光の価値を上げる」という点にあります。月額315円からという低価格な料金設定もあり、eoモバイルだけを見た場合、決して楽なビジネスモデルではないかもしれませんが、モバイル接続という付加価値は、今後重要度はさらに増していくと思います。有線から無線へシフトということではなく、有線(光)接続の価値を増幅させるために、無線(モバイル)展開に力を入れていきます。eoと契約すれば、ネット、電話、テレビ、モバイル、とすべてワンストップで利用できれば、ユーザーにとっても利用価値が高まるのではないでしょうか。
――アクセスポイントは屋外に設置していく方針とのことですが、屋外でつながるということは、UQコミュニケーションズのWiMAXやウイルコムのXGPのようなサービスを意識しているのですか。例えば、アクセスポイント設置場所の近くに住んでいる人は、自宅がWi-Fiスポットになるという可能性もありますよね。

 たしかに、そのような使い方ができる場所もでてくるかもしれませんが、特別に意識していることはありません。同様に、WiMAXについてもそれを意識しているとか対抗するという考え方はしていません。WiMAXについては、むしろ、いろいろな面で協業ができればと考えています。例えば、eoモバイルにおいて、WiMAXやLTEといったサービスも、今後メニューに組み込んでいきたいと考えています。

――法人向けサービスについてはどうでしょうか。新しい展開などは考えていますか。

 モバイルのインフラを使った新しいビジネスを考えています。例えば、当社の公衆無線LANサービスは、街中にある様々な機器への高速・大容量、かつ低価格なモバイルネットワーク回線としてご利用いただけます。デジタルサイネージへの活用のほか、見守りカメラ等といったM2Mサービスといわれる分野においても、様々なサービスが考えられます。現在はまだ具体化していないものの、今後、アイデア次第でサービス展開は無限に考えられると思います。
《中尾真二》

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