やはり2008年は「ハードディスク、不作の年」だった? 〜具体的な復旧統計、日本DTが公表 | RBB TODAY
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やはり2008年は「ハードディスク、不作の年」だった? 〜具体的な復旧統計、日本DTが公表

エンタープライズ ハードウェア
持ち込まれた機器の形状別比率
  • 持ち込まれた機器の形状別比率
  • デスクトップPCメーカー別比率
  • ノートPCメーカー別比率
  • 外付け型メーカー別比率
  • ハードディスクサイズ別比率
  • 3.5インチHDDメーカー別比率
  • 2.5インチHDDメーカー別比率
  • 製造年別比率推移
 日本データテクノロジーは5日、パソコンメーカー、外付けドライブメーカー、ハードディスクメーカー、製造年等に分類した、「2009年ハードディスク データ復旧統計」を発表した。

 日本データテクノロジーはデータ復旧の大手で、実際に2009年にデータ復旧依頼を請けた4万台以上のハードディスクについて、その傾向を分析したものとなっている。ハードディスクの故障については、噂的に語られることも多く、具体的な数値として公表された貴重なデータと言える。ただしデータ復旧依頼の原因は、機器の故障だけでなく、ユーザ自身の誤操作によるデータ消去、機器の落下等、メーカーの品質に関係しないケースも含まれている。また販売された台数(市場シェア)を考慮したものではないため、必ずしも実勢を反映したものではない点に注意して欲しい。

 まず同社にデータ復旧依頼で持ち込まれた機器を形状別に分類したところ、デスクトップパソコンが21.3%、ノートパソコンが19.7%、外付けハードディスク(USB接続、NAS等)が32.3%、顧客自身で機器から取り外して持ち込まれたハードディスクが26.2%、DVDレコーダーなどの録画機器が0.4%となった。デスクトップパソコンのメーカートップ3はDELL、アップル、NEC。ノートパソコンのメーカートップ3はNEC、東芝、ソニー。外付けハードディスクメーカーのトップ3はバッファロー(メルコ含む)、アイ・オー・データ機器、ロジテックとなった。

 データ復旧依頼を請けたデスクトップパソコン、ノートパソコン、外付けハードディスクに内蔵されたものも含めた、すべてのハードディスクドライブのサイズは3.5インチが64.2%、2.5インチが34.2%となった。3.5インチサイズでもっとも多かったのはWestern Digital、次がSeagate、以下SAMSUNG、日立(HGST)。2.5インチサイズでもっとも多かったのは東芝、次が日立(HGST)、以下富士通、Seagate、Western Digitalとなった。

 ハードディスクドライブに記載された製造年を見ると、2005年がもっとも多く、全体の傾向はストレージ市場の拡大による右肩上がりと正規分布をかけ合わせた推移となっているという。この傾向が今後も続くと仮定すると、2010年にデータ復旧が必要となるハードディスクドライブは2006年製がもっとも多くなる可能性があるとのこと。

 ただし、2008年製のハードディスクドライブのデータ復旧依頼は突出しており、この年に製造されたドライブに関しては注意が必要かもしれない。全体の2008年製のデータ復旧依頼が突出しているのは、Western Digital、Seagate、SAMSUNGが前年より率が高くなっていることが要因とされている。明確な理由は不明だが、ハードディスクドライブに関しては2008年製はいわゆる「ハズレ」の可能性がある、と同社では指摘している。

 ハードディスクドライブの製造年とドライブメーカーの推移を見ると、もっとも正規分布に近い推移をしているのが東芝製ドライブだった。2004年の4.0%(%はすべてのデータ復旧依頼ドライブに占める率)がピークとなっており、この傾向が今後も続くと仮定すると、東芝製に関しては、2010年は2005年製(60GB前後)のドライブは注意が必要と考えられる。Western Digital製ドライブも2008年を除けば正規分布に近い推移をしており、やはり2006年以前に製造されたWestern Digital製ドライブはそろそろ注意が必要かもしれないとのこと。Seagateに関しては、2004年までは5番目、7番目、5番目と、世界シェア1位であることを考えると、きわめて低い率で推移していたが、Maxtorの買収を発表した2005年降、少しずつ率が高くなっているとのこと。
《冨岡晶》
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