エプソン、「オフィリオプロジェクター」の新モデル——大ホール対応の6,000ルーメンモデルやモバイル型をラインアップ | RBB TODAY
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エプソン、「オフィリオプロジェクター」の新モデル——大ホール対応の6,000ルーメンモデルやモバイル型をラインアップ

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EB-Z8000WU
  • EB-Z8000WU
  • EB-Z8050W
  • EB-1925W
  • EB-1920W
  • EB-1915
  • EB-1910
  • EB-1724
  • エプソン取締役マーケティングセンター長の中野修義氏
 エプソンは27日、ホールや講堂など大会場設置型の高輝度モデルや、会議室での用途をメインに持ち運び可能なモデルなど、「オフィリオプロジェクター」の新モデル7機種を発表。11月上旬から順次発売する。

 今回発表されたのは、同社のフラッグシップモデルとなる「EB-Z8000WU」、「EB-Z8050W」、モバイル利用が可能な「EB-1925W」、「EB-1920W」、「EB-1915」、「EB-1910」、それらEB-19シリーズよりコンパクトな「EB-1724」。上位の2機種EB-Z8000WU、EB-Z8050W、下位のEB-1724はオープン価格で、予想実売価格はEB-Z8000WUが2,200,000円前後、EB-Z8050Wが1,200,000円前後、EB-1724が140,000円前後。そのほかのモデルはEB-1925Wが417,900円、EB-1920W/EB-1915が375,900円、EB-1910が344,400円となっている。

■大会場設置型のフラッグシップモデル「EB-Zシリーズ」

 上位のEB-Zシリーズは、大会場の天吊といった常設用の新製品。EB-Z8000WUの輝度は6,000ルーメン、解像度はフルHDを超えた1,920×1,200ピクセル。EB-Z8050Wは7,000ルーメン、解像度は1,280×800ピクセル。共通のおもな仕様はF値が1.65〜2.51、ズーム/フォーカスは電動で倍率は1.61倍。動作温度は0〜45度。映像インターフェースはミニD-sub15ピン/5BNC/1BNC/S端子/DVI-D/HDMI。制御入出力端子はRS-232C/RJ45/Remote端子。本体サイズは幅534×高さ167×奥行き734mm、重さは22kg。

 共通の特長として、新開発の液晶パネル「C2FINE」の搭載により、5,000:1のコントラスト比を実現。3LCD方式の採用により、高精度な色の再現性と階調表現を可能にした。また2つのランプを装備したことで、不意のランプ切れにも対応。万一の場合、1つのランプで投写を続行することができる。

 上下70%、左右20%のレンズシフト機能を備え、設置場所の自由度が大幅に向上したとうたう。標準レンズのほか、オプションで短焦点レンズなど5種類の交換レンズを用意し、会場に沿ったレンズ選択が行なえる。交換はバヨネット式を採用することで、簡単な取り付けに配慮した。本体上部には2本の運搬用ハンドルを設け、大型にもかかわらず持ち運びをサポートしている。

 LANポートを標準装備したことで、ネットワーク接続が可能。これにより、ネットワークを利用した複数プロジェクターの電源制御や状態の監視などが行なえる。付属のソフト「EasyMP Monitor」を使用してPC上での一元管理にも対応した。また、プロジェクター本体には3年間保証がつく。

■おもに会議用途のモバイルタイプ「EB-19シリーズ」と「EB-1724」

 EB-19シリーズはすべて輝度4,000ルーメンのラインアップ。上位の2モデルEB-1925W/ EB-1920Wは解像度が1,280×800ピクセル、下位の2モデルEB-1915/EB-1910は解像度が1,024×768ピクセル。会議室でのプレゼンテーションをメインに、様々な場所への持ち運びを視野に入れたタイプとなっている。

 セッティングをより簡便にした「かんたんセットアップ」や「自動タテヨコ補正」、クールダウンがなくても片づけが可能な「ダイレクトシャットダウン」、USBケーブルの接続だけでPC画面の転送が可能な「USBディスプレー」など、使い勝手に配慮。オプションで無線LAN機能(IEEE802.11b/g準拠)を搭載可能で、PC画面のワイヤレス転写が行なえ、さらに自由度が広がるという。

 EB-1925W/EB-1915はデジタルRGBに対応で電動フォーカス、EB-1920W/EB-1910は同非対応で手動フォーカスといったほかは、おもな仕様は同じ。コントラスト比は2,000:1、F値が1.75〜2.42、ズームは手動で倍率は1.6倍。動作温度は5〜35度。映像インターフェースはミニD-sub15ピン×2/RCA/S端子/HDMI(HDMIはEB-1925W/ EB-1915のみ)など。制御入出力端子はRS-232C/RJ45/USBのタイプB。内蔵スピーカーは10W。本体サイズは幅357×高さ86×奥行き257mm。重さはEB-1925W/EB-1915が約3.5kg、EB-1920W/EB-1910が約3.4kg。

 EB-1724は、重さが約1.8kgのコンパクトタイプで、EB-19シリーズに比べさらにモバイル用途に最適なモデル。短焦点レンズを搭載した。USBディスプレーやオプションの無線LANなど、おもな機能はEB-19シリーズにならう。

 輝度は3,000ルーメン、解像度は1,024×768ピクセル、コントラスト比は2,000:1。F値が1.6〜1.7、ズーム/フォーカスは手動で倍率は1.2倍。動作温度は5〜35度。映像インターフェースはミニD-sub15ピン/RCA/S端子。制御入出力端子はUSBのタイプB。内蔵スピーカーは1W。本体サイズは幅284×高さ65×奥行き202mm。

■高輝度プロジェクター市場に攻め入りたいエプソン

 発表に合わせ、エプソンは都内で発表会を開催。エプソン販売取締役マーケティングセンター長の中野修義氏、セイコーエプソン映像機器事業部副事業部長の森山佳行氏、エプソン販売プロダクトマーケティング部長の久保厚氏が説明を行なった。

 まず中野氏が新製品の概要を。とくに力を入れてプレゼンを行なったのは、高輝度で大会場の設置型モデルとなるEB-Zシリーズについてだ。今回、同社としては初めて6,000ルーメン以上のモデルを投入したことで、5,000ルーメン以上の高輝度プロジェクター市場に積極的に攻め入りたいとの意向を示した。一方で、EB-Zシリーズは常設の大型モデルだけに、天井への配置や周辺の配線なども含め、大掛かりな設置工事が必然となってくる。この点については、「明るさの追求だけではなく、様々な面での機器の扱いやすさや、設置後のアフターサービスも含めた全体的なサービスの提供が必要」との見解を述べた。

 資料によれば、高輝度プロジェクターの台数シェアはプロジェクター市場全体の4.3%に過ぎないが、金額シェアは14.3%にのぼる。単価が大きい製品だけに、国内のプロジェクター市場で14年連続No.1のシェアを誇る同社としては、ぜひとも巻き返しを図りたいところなのだろう。後で係員に尋ねたところ、高輝度プロジェクター市場ではパナソニック、三洋電機が2強とのことであった(三洋は先日、業界最高輝度となる12,000ルーメンのモデルを発表したばかりだ)。なお、今回のプレゼンテーションに用いられていたプロジェクターはEB-Z8000WUである。

■教育向け市場が堅調——11月/12月は過去最高の生産台数を記録

 その後、森山氏が世界市場の概況と新製品の具体的な内容について、久保氏が販売戦略についてプレゼンテーション。森山氏が語った中で興味深かったのは、今月、来月と同社のプロジェクターが過去最高の生産台数を記録しそうだという点だ。その要因は世界各国における教育市場の活性化とのこと。もちろん日本も含まれるが、それ以上に中国を始めとするアジア諸国の需要が高いのだという。

 続く販売戦略担当の久保氏は説明の中で、「高輝度市場は一般ユーザーではなく、販売チャネルが販売店主体に変わる。そのポイントに絞り込んで積極的にシェアを取りに行きたい」と述べ、具体的には来年度をメドに30%のシェア獲得を目指す、と話した。

 また、後の質疑応答では「今回のような大型モデルの市場は増えていくのか?」という質問に対し、中野氏が「大幅な増加はないものの、確立された市場で安定した台数を確保していく」との姿勢を提示。昨今活況を呈しているデジタルサイネージ分野においても、液晶やプラズマディスプレイを超えた120〜200型のサイズで勝負していくと話した。

 発表会終了後は、係員の説明を聞きながら場内に展示された各モデルをチェック。モバイルユースを視野に入れ、簡便操作を売りにしたEB-19シリーズは、4,000ルーメンの輝度を誇るだけに蛍光灯が光る中でも鮮明に映像が確認できた。EB-Zシリーズは、その大きさもあって「業務用」の範疇に入るとはいえ、設置後のランプ交換やホコリ除去用のフィルター交換など、こまごましたアフターケアも必要になってくる。それら交換が必要な各部は容易にワンタッチで取り替え可能な仕様が施されており、メンテナンスへの配慮が感じられた。
《小口》
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