1,510億ドル市場におけるクラウドプリンティングの可能性 | RBB TODAY

1,510億ドル市場におけるクラウドプリンティングの可能性

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ガートナー リサーチ ディレクターのピート・バジリア氏
  • ガートナー リサーチ ディレクターのピート・バジリア氏
  • 世界のクラウド・サービス − 1,510億ドル市場(2013年)
  • ビジネス・プロセス・サービスの予測 − 世界
  • 印刷機器の所有はもはや当然ではない
 ガートナー ジャパンが2日に開催した「ドキュメント・ソリューション・セミナー2009 〜景気低迷期において、今ベンダーがなすべきこと〜」にて、ガートナー リサーチ ディレクターのピート・バジリア氏が「21世紀のビジネス:クライド・プリンティング」と題するセッションを行った。

 「クラウドプリンティング」についてバジリア氏は、「すばらしいビジネスチャンスがある」「21世紀のチャンスとして捉えてほしい」と期待を込めて語る。ガートナーでは、「クラウドプリンティング」を、「顧客は印刷物を任意の場所へ納品してもらえるサービス」と定義する。さらに、「運営企業の顧客のみが利用できる専用のネットワークである“閉鎖型”」と「運営企業以外でもそれらのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークを使用して印刷物を作成できる“開放型”」に分類。また、HaaSと呼ばれるものであり、ハードウェア(印刷機器)とワークフロー、作成ソフトウェアを組み合わせて利用すると説明した。

 ガートナーでは、世界のクラウドサービスは2013年には1,510億ドル市場に成長すると予測しており、中でも、印刷、給与計算、電子商取引などのプロセスがインターネット経由で提供されるビジネスプロセスサービス(BPS)の急成長が期待されるという。

 では、BPSの内訳はどうなっているのだろうか。BSP市場の最大要素はクラウドベースの広告と見られている。印刷は、40.3%の成長率が予測される「その他」に含まれており、金額ベースで「その他」は98億ドルまで成長すると見られている。なおガートナーでは「印刷」関連の成長にも期待しており、今後は1分野として独立させて扱う考えであると語った。

 クラウドプリンティングにより、印刷機器の利用シーンはどのように変わるのだろうか。従来は、印刷を行うには印刷機器の所有“資産”が必要であったが、印刷ユーザーがプロバイダに作成を任せた“利用”時点でサービスが発生することになり、所有モデルからサービスモデルへと変化する。また、1(ユーザー)対1(機器)から1対多、固定的から可変的などの変化が生じるという。

 続いて、クラウドプリンティングのサービス例として、mimeo.com、Hubcast、HPのBlackBerry用サービス「Print 2 Cloud」などが紹介された。mimeo.comは、B2Bクラウドプリンティングサービスで、2008年には400万冊・4億5,000万枚を印刷、1営業日あたり平均200万枚を印刷する。現在、米国を拠点に全世界に向けて出荷しており、今後は欧州やアジアへの拠点展開も計画している。利用方法は、PCにドライバをインストール→データをアップロード→印刷イメージ選択すればOKで、後日、印刷物が送られてくる仕組みだ。ボストン近郊在住のバジリア氏が冊子の印刷を発注した際には、翌日には到着したという。氏は「プリンタをもたなくても質の高い印刷を入手できる」と説明した。

 「Print 2 Cloud」は、Webサービスソリューションとして、BlackBerry Enterprise Serverユーザー向けに提供される予定のもの。たとえば、ビジネスマンが外出先で請求書などの機密文書を印刷する必要が生じた際に、もっとも近くにあるプリンタで印刷し、パスワードなどで権限を確認し、その場で印刷物を受け取ることができるサービスだ。

 ガートナーの提言として「関連するクラウドサービスを提供するプロバイダは、この広範なクラウドコンピューティングのトレンドに乗るべき」「クラウドは単純はWebインターフェースとアーキテクチャだけでなくWebテクノロジーと標準を採用すべき」「技術上の特長に対するのと同様にビジネスモデルと柔軟な価格戦略にも注目すべき」「見込みユーザーは対処すべき問題を抱えていることを認識すべき」をあげ、さらにバジリア氏は「クラウドプリンティングにはとても大きなチャンスがある」と語り、締めくくった。
《編集部》

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