【WIRELESS JAPAN 2009(見どころチェック!)】NTTドコモ、かざして使う「直感検索・ナビ」 | RBB TODAY

【WIRELESS JAPAN 2009(見どころチェック!)】NTTドコモ、かざして使う「直感検索・ナビ」

エンタープライズ モバイルBIZ

NTTドコモ 研究開発センター サービス&ソリューション開発部 サービス戦略担当主査の忍頂寺毅氏(左)とサービス戦略担当の長谷川慎氏(右)
  • NTTドコモ 研究開発センター サービス&ソリューション開発部 サービス戦略担当主査の忍頂寺毅氏(左)とサービス戦略担当の長谷川慎氏(右)
  •  NTTドコモは、22日から東京ビッグサイトで開催される「WIRELESS JAPAN 2009」に、開発したばかりの「直感検索・ナビ、友達レーダー、投げメール」を出展する。
  •  NTTドコモは、22日から東京ビッグサイトで開催される「WIRELESS JAPAN 2009」に、開発したばかりの「直感検索・ナビ、友達レーダー、投げメール」を出展する。
  •  NTTドコモは、22日から東京ビッグサイトで開催される「WIRELESS JAPAN 2009」に、開発したばかりの「直感検索・ナビ、友達レーダー、投げメール」を出展する。
 NTTドコモは、22日から東京ビッグサイトで開催される「WIRELESS JAPAN 2009」に、開発したばかりの「直感検索・ナビ、友達レーダー、投げメール」を出展する。Android搭載端末「HT-03A」を使ってAR(拡張現実感)を実現するサービスだ。基本機能だけが完成したばかりのものだが、十分にその実力を垣間見ることができる。今回は、出展直前に新しいプラットフォームとしてコンテンツプロバイダーによる発展を期待する開発チームに話を聞いた。

■HT-03Aの登場で形になった生まれたばかりのサービス

 「次のコミュニケーションは、もっと体を使って直感的かつ体感的にやってみたかった」と語るのは、NTTドコモ 研究開発センター サービス&ソリューション開発部 サービス戦略担当主査の忍頂寺毅氏。今まで、位置に基づいて情報を利用しようとすると、地図やリストで表示されるものを選択する使い方が多かった。そこで、忍頂寺氏の目指したものは、“かざす”という行為を、現実世界とデジタルとのI/Oとなるインタフェースとして利用することだという。

 直感検索・ナビは、NTTドコモのAndroid搭載スマートフォン「docomo PRO series HT-03A」(以下、HT-03A)を持って外に飛び出し、実際の街の風景にかざすようにカメラに写すと、ディスプレイにはその場の風景に重ねてさまざまな情報のアイコンが映し出されるというサービス。AR(拡張現実感)と呼ばれるもので、現実の世界に加え、さまざまな情報を重ねあわせて拡張した現実を提供する。

 直感検索・ナビと同時に提供される「友達レーダー」、「投げメール」は、これらのサービスを応用したものだ。街に出ている友達を探したり、実際の方角にメールを“投げる”というもの。現実の街で行動しながら体感するサービスとなる。

 HT-03Aで技術紹介を行うことになった理由は、NTTドコモの機種の中でサービスに必要なセンサーなどのハードウェアと、それらを活用するソフトウェア環境とを備えた端末だからである。なお、OSをAndroidに制限するわけでもなく、今回の技術紹介はGoogleのサービスとは直接関係がない。

■方向感覚がなくなったときや、地図が使いこなせないときに

 サービスの開発の具体的な部分を担当したNTTドコモ 研究開発センター サービス&ソリューション開発部 サービス戦略担当の長谷川慎氏は直感検索・ナビの利用シーンについて「もともと地図が苦手という方が街を歩くときや、地下通路などから地上に出たときなど方向感覚がなくなったとき」と説明する。その際に直感検索・ナビを使うことで「どちらの方向にいけば、何があるのかをわかりやすく提供する」のだという。UIについても名称のとおり体感的かつ直感的であることを重視、楽しくコミュニケーションする、日常を楽しむきっかけになってほしいと願いを込めてデザインした。

 情報を提供する仕組みは、携帯電話に搭載されたGPS、方位センサー、カメラを利用、カメラで撮影した外界の風景に対して、自分の位置周辺の情報を合成して表示する。方位センサーがあるので、向いている方向に絞り込んだ情報が提供でき、北に向いていれば、自分の場所から北方向のお店だけの情報を表示する。土地勘のない場所に行ったときでも、食事したいと思えば、カメラの向いた方向の飲食店が表示できる。かざした方向に複数の情報があるときは、アイコンをクリックすると情報が選択できる。それらはサークル状に配置され、ごちゃごちゃと見づらいことがないという。携帯電話を水平にしたときはセンサーによって検知され、地図表示に変化する。ちょうど上から地図を見たような状態で付近の地図が表示され、景色と地図の切り替えが直感的に行われる。

 また、目的地に行くための歩行者ナビゲーション機能も提供され、街の風景の上に重ねて、自分が歩いていくべき方向の矢印が重ねて表示される。長谷川氏は便利な利用シーンとして「地下からに限らず、ビルなど周囲の見えない屋内から屋外に出たときに目的地に辿り着きやすい」と役立つことを強調した。

■ARの応用で実現する「友達レーダー」「投げメール」

 直感検索・ナビと同時に発表されたサービスが「友達レーダー」と「投げメール」。それぞれその名のとおりの機能を提供する。友達レーダーは同一グループに設定した“友だち”がいる方向を提供する。直感検索・ナビでお店などの情報を提供するかわりに友だちの居場所が表示される。開発を担当した忍頂寺氏によれば、開発当初は風船タグと呼んでおり、子どもが大きな風船を持っていると見つけやすくて便利と思ったことが開発のきっかけだという。これを活用すると、人ごみの中でも、GPSなどで検知した位置情報を風景に重ねることで相手の位置がわかりやすくなる。もちろん人間以外にも応用が可能で、さまざまなサービスに発展が見込まれる。

 投げメールは、同一グループの友だちのいる方向に向けて端末をふりかざすことで、その方向の友だちにメールが届く仕組み。振りかざす向きや強さはセンサーで検知でき、投げた方向と投げの強さを計算、その方角にいる友だちにメールが投げられる。「“かざす”行為の延長にあるコミュニケーションがこのサービスのコンセプト。メッセージの飛び方は投げ方次第という不確実さを楽しんで貰いたい。」と忍頂寺氏は冗談交じりで答えるが、メッセージを届けたい相手に向かって直接手紙を渡す感覚に近く、アナログ的な一面を持つ古くて新しいコミュニケーションだ。メールアドレスさえわかれば相手がどこにいるかを意識せず届いてしまう電子メールとはまさに正反対のサービスとなっている。

■直感検索・ナビと他のサービスの違いはインターフェースなど

 今回発表する直感検索・ナビの開発プロジェクトが正式に発足したのは2008年10月からだが、構想は相当前から暖められていた。正式なプロジェクトになる前にGoogleのAndroid上で動く「Enkin」が発表された際、市場がARに目を向けてくることを確信し、活動を早められるよう動いたという。現在までに現在地の情報と周辺情報を組み合わせて提供するAR的なサービスはEnkinをはじめ、Mobilizy社の「Wikitude」、SPRXMobile社の「Layar」、頓智ドット社の「セカイカメラ」などがあり、似ているサービスでは位置情報を使ったGoogle社の「Places Directory」、風景との合成はないKDDI社の「実空間透視ケータイ」などがある。それに対して直感検索・ナビでは、直感的かつ体感的な操作方法を重視、位置情報の利用方法をはじめ表示や操作のインターフェースのデザインを行っていることが他にない特徴だ。

 また、友達レーダー、投げメールのようにコミュニケーション系の使い方を同時に提案していることは従来にない新しい試み。特に投げメールに関しては、方位と加速度を計算して投げた方向と強さを算出、飛んだ場所の位置情報に情報を紐付ける。

 技術的には位置情報に基づく既存サービスのコンテンツが利用できることを意識し、クライアントとサーバー間の通信はWeb APIとするなど、汎用的な設計を心がけた。また、通信がLTEになれば、NWを活かした機能提供や、それによる情報提示の表現力の向上などの拡張が十分期待できるという。

■プラットフォームとして提供、コンテンツプロバイダーやユーザーの活躍に期待

 忍頂寺氏は「ドコモの役割の一つとして、位置や時間に紐付いた情報利用のポータルとなるようなプラットフォームをユーザーインターフェイスも含めて提供し、コンテンツプロバイダーやユーザーが新たな活動のステージを拡げて行くのをお手伝いすることも重要だと思う」と語る。今後、直感検索・ナビのシステムをNTTドコモが提供する際、それは、アプリケーションもあれば、ライブラリやAPI、あるいはサーバ機能を含めてのプラットフォームということもありえる。NTTドコモは、通信キャリアとして望まれるかたちで市場の要求に応えたいわけだ。

 直感検索・ナビというアプリケーションを手がけた長谷川氏は「モバイルの観点でARの解釈を試み、コミュニケーションをどう楽しめるかと、現時点でできることとを大切にした。位置を使うことと、かざすこととを踏まえた基本設計の上に、使い方と見せ方の工夫で、いろいろなことができるというサンプルを提示できていると思う。商用化では、コンテンツプロバイダーやユーザーが共に楽しんで新たな体験を創造して頂くことが理想の形」と語る。プラットフォームとして発展させていく中で、サービスの利便性とコンテンツの流通性を考慮すれば、既存サービスとの連携は重要だという認識があるという。

 忍頂寺氏は「ワイヤレスジャパンにお越し頂き、ご意見を頂戴したい。今後の進め方や課題を探りたい」と期待を寄せる。

■「WIRELESS JAPAN 2009」で実演、同時にサイトでも試験サービスを体験可能

 「WIRELESS JAPAN 2009」の会場では、直感検索・ナビ、友達レーダー、投げメールを来場者が実際に操作体験できるように準備が進められている。また7月22日からはドコモのwebサイト「みんなのドコモ研究室」から、このアプリケーションをダウンロードできる。HT-03Aを持っている人だけに限定されるが、試験サービスを体験できるのでこちらも要チェックだ。

 なお、出展内容については、ドコモのワイヤレスジャパン2009スペシャルサイト(http://answer.nttdocomo.co.jp/wj2009/)でも紹介されているので、あわせて参照していただきたい。
《RBB TODAY》

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