ソニー、次世代ハッシュ関数アルゴリズム「AURORA」を開発〜SHA-3候補の1つに正式認定 | RBB TODAY
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ソニー、次世代ハッシュ関数アルゴリズム「AURORA」を開発〜SHA-3候補の1つに正式認定

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 ソニーは15日、名古屋大学の岩田哲准教授と共同で、デジタル署名などの暗号技術を構成するための要素技術として、安全性が高く実装性能が高いハッシュ関数アルゴリズム「AURORA(オーロラ)」を開発したことを発表した。

 「AURORA」は次世代のハッシュ関数アルゴリズムに求められる安全性を保ちながら、ソフトウェアとハードウェアの実装形態においても高性能を達成したハッシュ関数とのこと。ソニーが開発した共通鍵ブロック暗号「CLEFIA」のブロック暗号設計技術を応用し、最新の解析技術に配慮して設計された安全性の高い圧縮関数とそれらの圧縮関数を組み合わせるドメイン拡張技術を特長としている。ソフトウェア実装においては、256ビット出力長の「AURORA-256」で15.4 cycles/byte 、512ビット出力長の「AURORA-512」で27.4 cycles/byteの高速性を達成した。またハードウェア実装においては、0.13μm CMOS標準セルライブラリを使用した場合、「AURORA-256」ではモバイル機器向けなどの回路規模の小型化を優先した小型実装で回路規模11.1Kgates/速度2.2Gbps、サーバ向けなどの速度を優先した高速実装で回路規模35.0Kgates/速度10.4Gbpsを、「AURORA-512」では小型実装で14.6Kgates/1.2Gbps、高速実装で56.7Kgates/9.1Gbpsを達成した。ソニーは「同じ出力長に対応した主要なハッシュ関数SHA-2と比較しても、多くの実装形態で性能を低下させることなく、より高い安全性を実現したハッシュ関数だ」としている。

 ソニーと名古屋大学はこの成果を、米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology、NIST)が公募している次世代ハッシュ関数の選定を行うプロセス(通称SHA-3 Competition) に応募、「AURORA」が候補アルゴリズムの一つとして正式に認定された。今後は、NISTの公開選定プロセスにおいて、他の候補とともに安全性や性能等の評価・比較がなされ、最適な候補が2012年に次世代ハッシュ関数SHA-3として決定される予定だ。
《冨岡晶》
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