【Security Solution Vol.12】日本版SOX法対応後のコストは? 「After J-SOX」に迫る | RBB TODAY
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【Security Solution Vol.12】日本版SOX法対応後のコストは? 「After J-SOX」に迫る

エンタープライズ その他
NEC マーケティング本部 本部長代理 川井俊弥氏
  • NEC マーケティング本部 本部長代理 川井俊弥氏
  • 企業の日本版SOX法への取り組みの状況。構築フェーズと運用・評価フェーズを含めると84%だが、依然として16%が方針策定より前の段階だ
  • 年間売上別の取り組み状況。年間500億円未満の企業は、500億円以上の企業よりも取り組みが遅れている
  • 日本版SOX法に対する成果や効果。業務プロセスの視覚化、標準化、共通化などが上位にある
  • アビームコンサルティング プリンシパル(執行役員) 永井孝一郎氏
  • 米国SOX法におけるコスト。初年を100とすると2年目は84、3年目は64。それ以降は変わらないとの予測
  • 日本版SOX法におけるコスト削減。業務プロセスの共通化や標準化により、統制単位を減らすことがポイント
 Security Solution 2008と同時開催している「エンタープライズ・リスク・マネジメント 2008」では、日本版SOX法に関する展示やセミナーが多く見られた。また22日には、フォーラム「日本版SOX法対応の最新動向と『After J-SOX』における企業価値向上への取り組み」が開催された。

 NEC マーケティング本部 本部長代理 川井俊弥氏は、日本版SOX法の現状に関して、上場企業159社を対象に2008年3月に実施した調査結果を公表した。すでに構築や運用・評価フェーズに移行している企業は84%、それより前のフェーズは16%となっている。

 年間の売上別で見ると、500億円未満の企業は構築フェーズが58%、運用・評価フェーズに移行しているのは20%にとどまる。一方の500億円以上の企業は、構築フェーズが46%、運用・評価フェーズは38%にのぼる。「中小企業は遅れている」というのが現状だ。

 日本版SOX法の対応に寄せる期待としては、「業務プロセスの可視化、標準化、共通化が多い」とする。

 アビームコンサルティング プリンシパル(執行役員) 永井孝一郎氏は、日本版SOX法の対応後「After J-SOX」に触れた。日本版SOX法について「順調な滑り出しではない。見えてきていないのが内部統制の運用コスト。思ったよりも大変だと感じる」とする。

 SOX法に対応した場合の全体のコストについては、「日本では事例がない」というのが現状。しかし「米国は実績が出ている」としてその数字を示した。ある企業の2004年度のSOX法対応コストを100%とすると、2年目は84%、3年目は64%と下がっていく。「2年目は半分だろうと言っているが、米国の例では16%しか下がっていない。3年目でようやく半分だろうと思っても3分の2に過ぎない。ここで高止まりというのが米国の傾向。日本でも同じようになると思う」という数字を示した。

 「内部統制のコストはバカにならないが利益を生まない。これを何とかしなくてはならないというのが経営課題」とする。さらに「コストを下げる手段はあまりない」ともする。

 コストの削減方法は主に3つある。「統制単位を減らす。複数の子会社や事業部を1つの単位として見る」「業務プロセスの共通化や標準化を進める」「システムでの自動化」だ。特に統制単位を減らすプロセスがコスト削減につながる。50の事業部を3つの標準化にまとめて、内部統制コストが50分の3になった例をあげた。
《安達崇徳》
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