【導入事例】外出する全スタッフにBlackBerryを! ——ヘンケルジャパン | RBB TODAY

【導入事例】外出する全スタッフにBlackBerryを! ——ヘンケルジャパン

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 普段、何気なく使っている製品が、よく調べてみると世界的に有名なメーカーの製品だったという経験はないだろうか。ここで紹介するヘンケルジャパン株式会社には、まさにそうした製品が揃っている。知らない間に同社の製品のお世話になっている人も大勢いるはずである。今回は、ヘンケルジャパン株式会社でBlackBerryの導入を担当し、自らも端末を使っているという同社IT本部部長の川邨豊和氏を直撃した。

■ 世界中で活躍する日用品・工業用接着剤大手メーカー

 ヘンケルジャパンは、ドイツの日用品・工業用接着剤大手メーカーであるHenkel社の日本法人だ。独Hnekel社の事業は大きく分けて、ランドリー&ホームケア、コスメティック/トイレタリー、接着技術という3つの分野にフォーカスしているという。ランドリー/ホームケアは衣料用洗剤、柔軟剤、仕上剤、食器洗い洗剤、キッチン・バストイレ用洗剤、芳香剤、家庭用殺虫剤などを取り扱う。この分野では、本国ドイツではNo.1、ヨーロッパでNo.2、世界ではNo.3のシェアを獲得しているという。

 コスメティック/トイレタリーはシャンプー、コンディショナー、ヘアカラー、整髪料、ヘアサロン用製品、家庭用スキンクリーム、デンタルケア製品、洗顔石鹸、シャワージェルなどを取り扱う。この分野もドイツではNo.1、ヨーロッパでNo.4、世界でもNo.8のシェアを獲得している。そして最も注目は接着技術だ。この分野は幅広く、工作用の“のり”から各種粘着テープ、タイル用目地剤、工業用接着剤まで幅広く取り扱う。こうした一般消費者用・工業用を含めると、ドイツ、ヨーロッパ、世界のいずれでもNo.1のシェアを獲得しているのである。

■ 日本市場に合わせたビジネス展開

 そんな世界的メーカーである独Henkel社だが、日本ではヘンケルジャパンを通じて、日本市場に合わせた独自のビジネス展開を行っている。たとえば取り扱い製品だが、日本国内ではヘアコスメティック、一般用接着剤、工業用接着剤を中心に販売する。製品によっては、シュワルツコフヘンケル株式会社やセメダインヘンケル株式会社など、合弁事業会社を通じて行っており、ヘンケルジャパンの名前が前面に出ることは少ない。しかし、ヘンケルの名前を知らなくても「パオン」や「フレッシュライト」などのヘアカラーを使ったことがある人はいるのではないだろうか。また、コクヨS&T株式会社を通じて販売しているスティックのり「Pritt」のお世話になったことがある人は多いはずだ。

 さらにDIYを趣味にしている人は、ホームセンターで「dufix」のシールはがし剤や、「Sista」の発砲ウレタン剤、「LOCTITE」の瞬間接着剤を購入したことがあるかもしれない。あるいは、いつも利用しているヘアサロンで使っているプロ用のシャンプーやヘアカラーが、実はシュワルツコフプロフェッショナルの取り扱い製品という可能性もある。

 工業用製品ともなると、なかなか知るすべもないが、およそあらゆる分野の工業製品の接着やシーリングに同社の製品が使われている。たとえばホンダ「インスパイア」のエンジンのインテークマニフォールド(吸気管)に使われているシーリング剤も同社の製品である。そのほか我々の身近なところでは、自動車のフロントガラスの接着や、携帯電話のバッテリーに使われる封止剤などに、同社の製品が使われているという。

■ 世界企業ならではの端末導入台数!?

 そんな世界中で活躍するHenkel社の日本法人だからだろうか、ヘンケルジャパンではBlackBerry端末が導入されている。これまでに取材させていただいた日本国内の企業(外資含む)に比べると多いほうだろう。そこでまず、ヘンケルジャパンにおけるBlackBerry端末利用者についてうかがったところ「役員クラスや、管理・セールス部門の部長クラスの人間が持ち歩いています」(川邨氏)とのことだ。

 さらに「これはHenkelグループの特徴かもしれませんが、ビジネスを進めていく上で、国を超えて事業部ごとに連携をとる展開もあるため、各事業部のトップは、アジアパシフィック本部のある香港をはじめ、各国のスタッフと密に連絡を取り合っています」と付け加えてくれた。

 具体的な利用状況はどうだろう。端末を持つスタッフのうち、半数は音声端末としても利用しているが、残りの半数はメール端末としてのみ利用しているという。また、日本語OSを利用している人がほとんどでで、1名は英語OSのまま利用しているという。英語OSのまま使うということは外国人スタッフだろうか。接着剤事業部のトップと、社長はドイツ人であるとのことだ。これは余談だが、同社の企業風土はこうした国際色豊かなトップ人事にあるのかもしれない。

■ モバイル活用はBlackBerryだけじゃない

 BlackBerry端末を活用している他の多くの企業と同様、ヘンケルジャパンでもグループウェアには「Lotus Notes」を利用していた。Notesを運用している企業がモバイルソリューションを導入する際にBlackBerryを選ぶケースは非常に多い。しかし、川邨氏によれば、同社ではもう1つのソリューション「OneBridge」(アイエニウェア・ソリューションズ)も試しているという。

 実はヘンケルジャパンでは、子会社も含めると約400台の携帯電話を社員に貸与しているという。500人強の従業員数からすると、こちらもBlackBerryに負けず劣らず、破格の導入数である。ただし、こちらは通常の携帯電話端末で、主に営業スタッフなどの連絡用だという。しかし、これらの携帯電話端末でもNotesのメールをセキュアに読み書きできるソリューションとしてOneBridgeを検討しているのだという。

 では、これだけモバイルソリューションを大活用する同社で、BlackBerryは、どのような位置づけなのだろうか。川邨氏によれば、現在のところ、本国からの指示を受けるスタッフや、各国のスタッフたちと英文でのメールのやりとりが多いスタッフは、業務効率の面からBlackBerryを利用している、とのことだ。

■ BlackBerry導入のハードル

 ヘンケルジャパンのIT本部長という立場で、BlackBerryの導入を手がけた川邨氏だけに、導入に際して苦心した点もあったのではないだろうか。その辺についてもうかがってみた。

 NTTドコモがBlackBerryを取り扱うという情報は、川邨氏のもとへは、かなり先行して届いていたという。しかし、日本語OSの問題で実際に使用に耐える状態になるのが遅かったという。HenkelグループのBlackBerry Enterpriseサーバは、ドイツに3台設置してあるとのことだが「ドイツと日本との距離の問題からか、端末をアクティベートする時にエラーが起きやすかった」と、川邨氏は当時を振り返る。BrackBerryのメーカーであるResearch In Motion(RIM)では、このようなケースではローカルにもサーバーを置くことを推奨しているのだが、川邨氏によれば「それは管理上難しかった」という。

 端末には、セキュリティ上、外部からアプリケーションを導入することはできないように設定している。こうしたコントロールが利く点が、BlackBerry端末の導入のしやすさでもあるという。川邨氏は、IT本部長として「できるだけスタッフにノートPCを持たせたくない」という立場だ。置き忘れや、盗難、不正なソフトウェアの導入による情報漏えいが心配されるためである。また、こうも付け加えた。「本当は、社外に出るスタッフには全員にBlackBerry端末を持たせたいと思っています。しかし、日本のBlackBerry端末導入コストは、諸外国に比べて、まだまだ高い」と。

 実は、ヘンケルジャパンでは、BlackBerryの導入には特別承認が必要だという。その理由は、コスト面というよりも、バックボーンの負荷が上昇するからだという。しかし、現在は、日本とドイツ間の回線の帯域を向上させており、残る問題はコスト面だけになりつつあるのかもしれない。

■ BlackBerry導入の効果と今後の活用

 ヘンケルジャパンにとって、BlackBerry導入の効果は、どのようなものだったのだろうか。「どこにいても、必要なすべての情報が入手できることが大きいですね。BlackBerryがあると、ドイツとの時差が縮まります。なにしろPCのない環境でも、どんどん世界中から情報が飛び込んできますから」と、自らもBlackBerry端末を使う川邨氏は、その導入効果に満足しているようだ。

 最後に今後のBlackBerryの活用アイデアについてもたずねてみた。同社では、現在、承認ワークフローをNotes上に構築中で、これにより、さらなる業務の効率化を図りたい考えだという。もちろんBlackBerry端末があれば、どこからでもNotesへセキュアにアクセスすることが可能なため、たとえ承認権限を持つスタッフが海外出張中であっても、スムーズな業務の流れが実現するだろう。ヘンケルジャパンのBlackBerry端末導入台数が、もう1桁増える日も近いかもしれない。
《RBB TODAY》

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