富士通研、標準CMOS技術で77GHz動作の高出力増幅器を開発——ITS車載レーダなどに応用可能 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

富士通研、標準CMOS技術で77GHz動作の高出力増幅器を開発——ITS車載レーダなどに応用可能

エンタープライズ その他
チップ写真
  • チップ写真
  • 出力特性グラフ
 富士通研究所は4日に、90ナノメートル(nm)世代の標準CMOS技術を用いたミリ波帯高出力増幅器を開発したことを発表した。

 あらたにミリ波帯用途向けに、標準CMOSのモデリング技術および高周波信号損失の低減を可能にする設計技術を開発したことにより、CMOS技術では世界で初めて、77ギガヘルツ(GHz)で動作する高出力増幅器を実現したとのこと。77GHzにおける増幅器の動作で、8.5dBの増幅率と6.3dBmの飽和出力を達成した。

 ミリ波は、2点間の距離の高精度な測定機能や大容量のデータ伝送に優れるため、車載レーダーシステムや無線通信システムなどへの適用が進められているが、この技術により、車載レーダーなどにおいて、ミリ波帯増幅器とベースバンド回路のワンチップ化による小型化が可能となる。

 CMOS半導体はデジタル回路の高集積化・高機能化・低電力化などに優れる一方で、一般的には動作速度が遅く、高周波動作となるミリ波帯増幅回路への適用は困難だった。そのため従来は化合物半導体が適用されていたが、微細化技術の進展によりCMOS半導体の高速化が進み、ミリ波帯でのトランジスタおよび受動素子のモデリング技術、整合回路設計技術が確立されたことで、今回の開発が実現した。

 なお、本技術の詳細は、米国サンフランシスコで2月3日から開催されている国際固体素子回路会議「ISSCC」(International Solid State Circuits Conference)で発表された。
《冨岡晶》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top