「地底空間にデータセンターを建設」、12団体が参加の巨大プロジェクトが発足〜サン、IIJ、ベリングポイントなど | RBB TODAY
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「地底空間にデータセンターを建設」、12団体が参加の巨大プロジェクトが発足〜サン、IIJ、ベリングポイントなど

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ブラックボックスプロジェクトのコンテナ
  • ブラックボックスプロジェクトのコンテナ
  • コンテナ内部。この収納ノウハウや省電力ノウハウが地底データセンターにも生かされる
 サン・マイクロシステムズやインターネットイニシアティブ(IIJ)、ベリングポイントは14日に、民間企業を中心に12団体が参加する「地底空間トラステッド・エコ・データセンター・プロジェクト」が発足したことを発表した。

 本プロジェクトでは、地球温暖化を最大限抑制するための大幅な省電力化、軍事レベルのセキュリティ技術の採用や世界最高レベルの高セキュリティ環境、ユーザーがITについて「設備投資」をすることなく「使用した分だけ利用料を支払う」というあらたなIT活用モデル(ユーティリティコンピューティング)、の3項目の特徴の実現を目指す。

 本プロジェクトでは、次世代データセンターの理想モデルに基づく要件や構築手法、運営ノウハウ、高セキュリティ技術、省電力化の基本技術をサン、IIJおよびベリングポイントが担当、ネットワークサービス、運用メンテナンス、24時間監視、システムインテグレーション、その他サービス開発等々を、本プロジェクトに参加している専門企業各社が担当し、日本において「地底空間トラステッド・エコ・データセンター」を建設する。

 本プロジェクトを事業化するための新会社が発足する予定で、第一期工事設備費用として450億円(内IT環境に200億円)を投じる。建設工事着工のための調査を早々にも開始、サービス開始時期は2010年4月を予定し、その後、利用者拡大に伴って第二期工事を開始、処理能力を順次増強する方針だ。

 現時点ではさまざまな理想モデル案が出されている。例としては、従来型データセンターと比較し、空調設備を含む全消費電力の50%削減を目標に、サンのCoolThreadsテクノロジを採用、一般的なCPUの約5倍の環境性能を実現する。またサンのコンテナ型エコ・データセンター「プロジェクト・ブラックボックス」を全面採用し1ラックあたりの集積率を最大化し、従来型データセンターの約1/8までスペースを削減する。高効率性の水冷を採用し、必要な冷水には自然の地下水を使用する。地理的には、東京から地方にデータセンターを移し、防災上の安全対策を実施。地下100メートルの耐震性に優れた岩盤に建設することで、偵察衛星にも発見されず、地震などの災害からデータセンターを守る高いセキュリティレベルを実現する、あるいは、産業遺産(鉱山掘削跡地)を再活用するといった案が出されている。

 サンは、これまでに世界3か所の自社データセンターのエコ・データセンター化を実現しており、その技術を基に、次世代データセンターモデルとしてコンテナ型のエコ・データセンター「プロジェクト・ブラックボックス」を発表している。本地底空間プロジェクトでは、この「プロジェクト・ブラックボックス」30台の採用(第一期工事)を目標とし、現在調整作業を行っているとのこと。

 現在、サン、IIJ、ベリングポイントの3社のほか、伊藤忠テクノソリューションズ、SAPジャパン、新日鉄ソリューションズ、ソフトバンクテレコム、日本AMD、富士ゼロックス、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、プラネット社、中央大が参加を表明している。また、国土交通省、経済産業省、総務省、環境省もアドバイザリーメンバーとして参画する。なお、プラネット社は、本プロジェクト事業化のための新会社を設立し、建設工事、設計、設備計画など、ハードからソフトまでの総合プロデュースを担当する。

 なお、本プロジェクトは、日本政府が推進する「ITリロケーション政策」や「環境政策」の理念を具現化するだけでなく、採算面を含め民間の事業として成立させることを前提に、次世代データセンターのあり方を提言し事業として実施するものとなっているとのこと。
《冨岡晶》
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