【CES2007 総集編】北米家電事情——変わったのは家電業界かPC業界か? | RBB TODAY

【CES2007 総集編】北米家電事情——変わったのは家電業界かPC業界か?

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ラスベガス・コンベンションセンター センターホール前。ここに大手家電メーカーやマイクロソフト、インテルなどのブースが集中する
  • ラスベガス・コンベンションセンター センターホール前。ここに大手家電メーカーやマイクロソフト、インテルなどのブースが集中する
  • 反動や感触などのフィードバック可能な3Dゲームコントローラー
  • 家庭用フライトシミュレータソフトと専用コントローラのデモ
  • シャープの世界最大液晶ディスプレイ。右下の画面は通常のラップトップPCの15インチ画面
  • サムスンの新製品K5。フラットパネルスピーカー搭載のMP3プレーヤ
  • サムスンK5の特徴説明のスライド。タッチパネルとアイコンによる簡単操作
  • サウンドシステムのデモカー。ハンドルがありません
  • モンキーズの車。でわかる人にはわかる。他にもバットマンカー(TVシリーズの)のデモカーや、後席を巨大ウーハーでつぶした車など展示も多数
 2007年1月8日(現地時間)よりラスベガスで開催された、2007 International CES(CES2007)が1月11日(同前)に無事終了した。最終的に2,700社以上の企業が、20,000点もの新製品の展示を行い、来場者数は140,000人を超えたという。また、開催40回を記念するイベントなどが行われた一方で出展企業や基調講演のスピーカーの様変わりなど、CESもひとつの転換点を迎えたともいえる開催となった。

 RBB TODAYでは、現地に記者を派遣しCES2007を現地レポートとして追ったが、イベントが終了したこのタイミングで全体を総括し、北米の最新家電事情がどうなっているのか、今後どのような展開をみせるのか、各記事をベースに振り返ってみようと思う。

 CESは、AV機器やPCなどの民生用電子機器の展示がメインとなるのだが、2,700社の出展となると、大企業ばかりではなく、数のうえでは米国国内の中小企業やガレージ企業などが多数出展している。3Dゲームコントローラー家庭用ネットワークストレージ製品といった小さいながら、技術力の光ったメーカーの製品を発見するのも楽しみのひとつだ。また、そういった企業にとっては格好の宣伝の場だ。

 ここ数年、CESの花形製品は液晶ディスプレイ、携帯電話、ポータブルオーディオプレーヤーだ。シャープは世界最大の液晶パネルを展示していたが、その他は軒並み1080ピクセルのフルハイビジョン対応のディスプレイを展示していた。

 サムスンとLGは大画面TVや新しい携帯電話のデザインや機能を競っており、LGは、Blu-rayとHD DVD両対応のプレーヤーやPC用のドライブを発表するなど、競合会社の新製品比較も興味のつきないところだ。この2社は何年も前の米国でのソニーと松下電器の米国市場での立ち位置に通ずるものがあるようだ。

 会場にくる人がやたら持っていたのは「BlackBerry」に代表されるような、QWRTYキーボード搭載の携帯電話だ。当然ブラウザ搭載、Java対応のPDA機能も持っているものだ。プレスカンファレンスでも多数の同業者が携帯し、実際にメールをやり取りしたり、Webアクセス、スケジューラなどに活用していた。携帯電話の多機能化は日本以上で、カメラ、フルブラウザ、PDA、MP3プレーヤーあたりの機能は新機種にとっては必須である。

 華やかな大画面TVなどに対して、技術的に興味深い展示も行われる。コンシューマには直接関係ないかもしれないが、1テラバイトHDDSDカードベースのPDA、WiMAXのチップやサービスなど今後のサービスや製品を占う上で重要な技術や製品の発表も行われた。SDカードは、カーナビやPDAなどをさらに小型化してくれそうだ。WiMAXも米国ではSprintなどがサービスを開始しており、PDAPCがWiMAXチップを内蔵することで、コンピューティングスタイルが変わるかもしれない。

 IT系のサイトでは、家電機器やPC関連機器をメインに取り上げがちだが、CESは、自動車関係の電子機器の展示も有名だ。具体的には、カーAVやカーナビだ。カーAVは、自動車用の巨大ウーハー、スピーカー、アンプなどマニアックな展示のほか、後席用モニターや5.1chサラウンドシステムなどいわゆる後席エンターテインメント市場もにぎわっている。カーナビはPNDとしての新製品や発表が目立っていた。通常のカーオーディオはiPodなどMP3プレーヤー対応ももはや当たり前だった。CESは、じつは車好きが行っても楽しめるイベントなのだ。

 CESが転換点を迎えたという点だが、確かに個々のハイテク家電製品が必然的にインターネットサービスや通信サービスとの融合が進み、家電業界とコンピュータ業界の境界をあいまいにしているという意味で、家電(Consumer Erectornics)の役割や機能は変わってきているのだろう。とくに、技術的にネットワークリーチャブルになったというだけでなく、具体的なサービスやコンテンツなど周辺市場も含めて広がりを見せていることは重要である。

 ビル・ゲイツの基調講演では、Windows Vista発売前1か月を切ったこともあり、Vistaを軸にした、Live、Media Center、XBox LiveなどマイクロソフトのWindows戦略が明らかにされた。個々の発表は、昨年、同社が数々のイベントやカンファレンスで発表してきたものから大きくずれるものはなかったが、全体像を会長自らの口で語られた。Yahoo!やGoogleがやっていることは、すべてWindows Vistaで実現でき、さらにインターネットやデバイスに縛られないサービス環境をユーザーに提供しようというものだ。また、マイクロソフトは自動車産業との関係強化を発表している。エンジン制御などではなく、音声認識、エンターテインメント、ITSといった自動車のサービスインフラとしてのIT時代の幕開けといってもよいだろう。

 CES2007と時期をかぶらせ、サンフランシスコではMacworld Expoが開催され、スティーブ・ジョブス携帯電話事業への参入などを発表している。また、アップル・コンピュータは社名を「アップル」と変更することも発表した。

 マイクロソフトはWindowsを堅持しながらも、サービス提供をPCや特定の環境に依存しない戦略をとったわけだ。アップルは文字通りコンピュータの会社を卒業し、よりコンシューマ製品に注力しようとしている。これらは見方によっては、PC業界のほうが転換点を迎えたともいえるのではないだろうか。

 なお、来年のCESは2008年1月7日から10日までの予定となっている。会場は同じくラスベガス・コンベンションセンターだ。

(RBB@中尾真二)
《RBB TODAY》

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