10日、日本アルカテルの企画で、次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)をテーマとしたセミナーが開催された。ここでは、経済的な視点から見たトリプルプレイネットワークアーキテクチャに関する講演について紹介する。 音声・ビデオ・データ通信の3つの通信サービスを1つのネットワークでサポートする「トリプルプレイ・ネットワーク」の構築が通信事業者の重要なテーマとなっているが、トリプルプレイ・ネットワークに取り組むことが事業者にとってどのような理由で経済的メリットに結びつくのか、また、そこでアルカテルが持つソリューションがどのような役割を担うのか、ということがこの講演のテーマである。 従来型のネットワーク構築手法では、エンドユーザーからのトラフィックを集約するBRASのところがボトルネックになる。今後IP TVなどのサービスが導入されれば、ますますトラフィックは増大するが、従来のやり方ではこうしたトラフィックの増大に耐えられず、つまり「新サービスの導入に必須の拡張性が備わっていない」という。 この問題に対してアルカテルが提案するのが「分散型トリプルプレイ サービス デリバリ アーキテクチャ」であり、負荷を適切に分散していくことで拡張性を確保し、豊富なサービスの提供を実現していく。さらに、アプリケーション・ポリシーに応じたQoS制御など、ラベルベースでのスイッチングの必要性についても触れた。 次いで、トリプルプレイ・ネットワークの構築の経済的メリットについては、いくつかの仮定に基づいてモデルを検討しながら解説を行なったのだが、ここでは結論だけを紹介すると、「TCO削減、設備投資の低減、運用経費の低減、などが見込まれる」と強調した。