[WIRELESS JAPAN 2006] FTTHの「ひかりone」と携帯電話の「au」が融合へ -KDDI小野寺氏 | RBB TODAY

[WIRELESS JAPAN 2006] FTTHの「ひかりone」と携帯電話の「au」が融合へ -KDDI小野寺氏

ブロードバンド その他

 WIRELESS JAPAN初日の基調講演でKDDIの代表取締役社長 兼 会長の小野寺正氏による自社のインフラ整備のポリシーやau事業を軸としたワイヤレス通信サービスについての発表が行われた。
  •  WIRELESS JAPAN初日の基調講演でKDDIの代表取締役社長 兼 会長の小野寺正氏による自社のインフラ整備のポリシーやau事業を軸としたワイヤレス通信サービスについての発表が行われた。
  • EV-DO Rev.Aでは、むしろアップストリーム(アップロード)のスピードアップが重要。双方向通信の強化など新しいサービスが生まれる
  • 電機メーカーとの燃料電池の共同開発。ぜひドコモと連携し、共用可能な標準的な電池の開発をしてほしい
  • ケータイも音声から動画へとブロードバンド化が進む。技術だけ進んでもユーザーにとって使いやすくなければ(料金も含む)ならない
  • 重要なのはインフラの開発・整備。しかしユーザーにはサービスとしてしか見えない
  • オールIP化によるコアネットワークの統合。これによって固定と移動が自然と融合されるだろう
 WIRELESS JAPAN初日の基調講演でKDDIの代表取締役社長 兼 会長の小野寺正氏による自社のインフラ整備のポリシーやau事業を軸としたワイヤレス通信サービスについての発表が行われた。

 固定電話キャリアでありながら携帯電話キャリアでもあるKDDIは、ワイヤレスブロードバンド技術は、FMCやこれからの通信事業者のサービスモデル構築に不可欠なものとして、インフラの整備やさまざまな実証実験を行っている。とくにオールIP化によって進める携帯や固定電話サービス、音楽や動画配信、さらに放送などのサービスを統合するMMD(MultiMedia Domain)構想として積極的に推し進めている。

 講演の内容は、6月に開催されたInterop 2006での同氏による基調講演にかぶる部分があったものの、WiMAXやウルトラ3Gなどワイヤレスブロードバンド技術を具体的な自社サービスにどう生かすのか、各論の紹介が充実しており、インターネットも有線、無線がシームレスになり、端末もPCやPDAやケータイとさらなる垂直統合を予感させる内容だった。

 KDDIはcdmaOneの時代からGPS機能を搭載するなど積極的に進めていた。WiMAXや3GPPについてもさまざまな実証実験を行っているが、これらインフラ技術の開発はユーザーには直接見えないものなので、これらの技術をいかに「サービス」として商品化するかがこれからも重要であるとした。事実、KDDIは、CDMA 1X、WINなどのサービス名はEV-DO 1XやEV-DO Rev.0と呼ばれる技術がベースとなっているが、このような名前をつけることで、GPS、着うた、着うたフル、定額制、LISMO、ワンセグなどといった、ユーザーに直接アピールできるサービスと連動させる戦略をとってきた。料金定額制も、技術とは無関係にビジネス戦略として導入できそうだが、じつは早くからIP化、パケット通信化を進めてきたため、いち早く定額制をスタートできたのだ。

 ケータイとPCの融合は、LISMOがスタートしている。これは、音楽データのPCでの保存・管理がメイン機能と思われがちだが、実際にはメール、写真、アドレス帳などのバックアップや管理もできるサービスだ。

 固定電話とケータイの融合(FMC)は、FTTH(ひかりone)を使ったKDDI CDNとau網をリンクさせたサービス(ライフログ)の実証実験や個人向け、ビジネス向けの着信転送サービスなどすぐにでも可能なアプリケーションやサービスも紹介された。ただし、FMCについては、プライバシーの問題やユーザーのニーズに合致することが重要であり、可能なこととサービスとして提供することは別であるとも述べていた。

 ただし、技術的な意味でのFMCは、文字通り固定電話網とau網を同じコアネットワークによって統合するウルトラ3G構想ということにもなる。この部分では、より高速なパケット通信(EV-DO Rev.Aで3.1Mbps)とのシームレスな接続が、PCや固定電話を巻き込んだサービス提供が可能となるとしている。例えば、EV-DO Rev.Aの3.1Mbpsはダウンストリームのスピードであるが、アップストリームも1.8Mbpsに大幅にアップされる。これまで数百kbpsオーダーだったアップストリーム速度に比べると格段の性能アップだ。これにより、300万画素のケータイ画像を気軽に送信できるようになれば、ケータイカメラに対しても新しいサービスやビジネスが開けるだろう。

 また、モバイルWiMAXの実証実験についても、デモ動画を含めて紹介していた。これは、移動中のバスからのカメラ映像がWiMAXエリアでのハンドオーバーについて切れ目なく動画が続くというものだ。当然、ウルトラ3GとWiMAXでのハンドオーバーの実験も行っている。すでに、ケータイと無線LANのデュアル端末は技術的な問題からサービス開発の段階だといえる。

 大画面、無線LAN、ワンセグ、その他と帯域が増え機能が豊富になるにつれ、消費電力の問題は無視できない。東芝や日立の協力でケータイ用の燃料電池の開発も怠っていない。これは、見落とされがちだが重要なインフラ技術のひとつでもあるが、ユーザーとしては機種やキャリアに依存しない標準的な電池の開発が望ましい。メーカーやキャリアの連携を期待したいところだ。

 放送サービスでは、ワンセグ以外にIPマルチキャストがある。KDDIは、動画放送だけでなく、災害時のトラフィック規制に有効であると考えている。災害時にIPマルチキャストによって被害情報、被災者情報などを同報すれば、余計な安否確認トラフィックを緩和できるのではと期待している。
《中尾真二》

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