有名監督を起用した1話1分のショートフィルム「min.Jam」、その舞台裏— モブキャスト藪考樹氏インタビュー(前編) | RBB TODAY

有名監督を起用した1話1分のショートフィルム「min.Jam」、その舞台裏— モブキャスト藪考樹氏インタビュー(前編)

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有名監督を起用した1話1分のショートフィルム「min.Jam」、その舞台裏— モブキャスト藪考樹氏インタビュー(前編)
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 ブロードバンドと携帯電話向けに、映像コンテンツを配信するモブキャスト。ゲームクリエイターの水口哲也氏(キューエンタテインメント)や岡本吉起氏(ゲームリパブリック)も関わる同社は、携帯電話向けゲームも手がけているが、中でも、1話1分の連続ドラマ「min.Jam」という独特のスタイルは、ネット配信されるショートフィルムの中でも独特のものとして注目されている。今回は、このモブキャスト代表取締役社長の藪考樹氏にお話しを聞いた。


Q:ショートフィルム「min.Jam」についてお聞かせください。

A:min.Jamは現在のところ、「山手線デス・ゲーム」前編・後編、「学校の階段」の1と2、「ため息の理由」、「バードコール」の6作品です。1話1分ずつ配信しているのですが、単に時間でぶつ切りにしているのではなく、1分の中に起承転結をきちんと持たせているんです。

Q:1作品につき、1話約1分×20数話の構成が斬新なのですが、このアイディアはどこから出てきたのですか?

A:水口さんです。斬新でしたね。

Q:ショートフィルムでは、えてして制作費を抑えるために安い監督使おうかという形になるかと思いますが、あえて名の通った監督を起用したのは、やはりクオリティのためですか?

A:そうです。「キャスト、監督、シナリオの3つは最低限絶対に守るべきだ」というアドバイスを河井さん(河井信哉氏。「JamFilms」プロデューサ)からいただいていました。だから監督もJamFilmsの参加監督であった篠原哲雄さんと北村龍平さんに声を掛けさせていただきました。

Q:1話1分というスタイルの他に、他のショートフィルムの制作しているところとの違いというと、どのあたりだとお考えですか?

A:個人的な感想ですが、クオリティが圧倒的に違うと感じています。キャストと監督がいい分だけ、作品の出来もいいと思っています。JamFilmsを見たときに、「これはブロードバンドに向いている、劇場公開よりブロードバンド配信にした方がいい」と思ったんですよ。

Q:なぜですか?

A:もともと映画が好きだったので、JamFilmsの河井さんのこともよく知ってましたし、JamFilmsも何度も見ました。映画館にも観に行ったんですけど、JamFilmsって20分ぐらいの作品が7つ続きますよね。で、1つ終わった後に結構考えるんですよ、あの映画何が言いたかったんだろうって。でもすぐ次が始まっちゃう。まとめて映画館で観るとすごい疲れるんですよね。JamFilmsSの試写会に一緒に行って観た時に、河井さんも「まとめて見るのは疲れる、劇場よりBB配信に向いているかもなー」とおっしゃっていた。やっぱりそうなんでしょうね。

Q:なるほど。min.Jamの視聴者の年齢分布や男女構成比についてはいかがでしょう?

A:「ため息の理由」は渋谷のシネクイントで無料劇場公開をして、ほぼ毎日満席だったんです。この劇場公開では約1,000人の方に来ていただいたんですが、このときは斉藤和義さんのファンが圧倒的に多く、25歳〜30歳の女性が中心でした。キャストの名前がきっかけで入ってくる人もいますし、ファンクラブサイトで知ってブロードバンドの映像を見るといった流れもできやすいでしょう。ブロードバンド配信ではキャストが重要となり、今はキャストのファン層がmin.Jamのユーザ層となっている。

 で、そのときのアンケートで「もう一度この映像を観たいとしたら何で観たいか」を聞いたんです。1番はダントツにブロードバンド配信だったんですよ。作品に関しては、「良い」「大変良い」で50%を超えていて、特に女性からの評価は高かったですね。長さについては10分以下という声がすごく多く、ジャンルについては尖がったものを求める声は案外少なかった。

 今後のスキームとしては、無料劇場公開をして、すぐにブロードバンド配信とモバイル配信をするという流れを作っていきたいと考えています。

Q:ビジネスモデル的には携帯電話向けとブロードバンド配信の両方を課金でおこなうということですね。

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Q:制作について、資金調達もモブキャストが自前でやっているのですか?

A:そうです。

Q:制作委員会方式のところも多いですが、御社の場合は、フィルムもゲームも、自前にこだわっていると。

A:そうですね。自己資金じゃないといろんな実験ができないですね。今回の「ため息の理由」をシネクイントでやろうかと言ったときも、2週間ぐらい前に急遽決めて、クイントとかテアトルさんに本当に飛び込みで提案したんですね。これは100%権限持っていないとやれない。
 ブロードバンドとかモバイルって本当、何の制約も受けないで、自社の判断でチャレンジしていかないといけない。トライ&エラーを続けなきゃいけない。成功事例を作るためには、やっぱりその身軽な環境を作らないと絶対できないと思いますね。 (後編に続く)

(聞き手はIRI-CT代表取締役 宮川洋)
《RBB TODAY》
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