地域IP網の県間接続、大歓迎のエンドユーザ、反対の事業者。そして沈黙のソフトバンク | RBB TODAY

地域IP網の県間接続、大歓迎のエンドユーザ、反対の事業者。そして沈黙のソフトバンク

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 総務省は、NTT東西から認可申請のあった「地域IP網の県間接続サービス」について、寄せられたパブリックコメントを公開した。フレッツ・オフィスなどが県内接続に限られていることについて不便を感じていたエンドユーザからは大歓迎のコメントが多数寄せられる一方、第一種の電気通信事業者からは反対の意見が出ていた。

 地域IP網の県間接続サービスは、県ごとに構築されている地域IP網同士を接続する「県間伝送路」を設定、ISP接続やフレッツ・オフィスサービスなどを複数の県にまたがって利用できるようにするというもの。ISPであれば、これまでは各県で地域IP網と相互接続する必要があったが、この県間接続サービスが利用できるようになれば、NTT東日本で1箇所、NTT西日本で1箇所の接続で全国を対象としたフレッツ接続メニューが提供できるようになる(県間伝送路の利用料が別途かかるが、各県での相互接続よりは低コストで実現できる)。

 この県間接続サービスについて、複数拠点の相互接続を低コスト・単一事業者で実現したい企業ユーザや、コンテンツ配信を全国に向けて行いたいコンテンツプロバイダなどは賛成のコメントを寄せていた。中には東西間の相互接続を求めるコメントや、フレッツサービスの卸売りメニュー実現を求めるコメントも寄せられたほど。

 その一方で、この県間接続に積極的・消極的に反対の立場を表明していたのが、ADSL事業者や遠距離系キャリア。通信事業者の中でもちょっと特異なのが、「地域IP網の県間接続」を先行して事業化していたフリービットで、IP網のアンバンドルメニューのラインアップ強化など具体的な提案も含めたコメントを寄せている。ただ、珍しくといおうか、普段ならこうしたNTT東西の事業拡大にいち早く反応するソフトバンクBB(旧:ビー・ビー・テクノロジー)などソフトバンクグループはコメントを寄せていない。とうの昔にダークファイバベースの全国IP網を構築し終えた余裕なのか、この件の認可が下りても「東西分断」状態にあるNTT東西に対するアドバンテージに自信があるのだろう。

 NTT東西が加入者回線で圧倒的な独占企業であることは確かだが、だからといって、電話ベースの規制をそのまま適用してIP網を県で分断する合理性が、今となってはアヤシくなっているのも事実(少なくともソフトバンクは自前で全国をカバーするIP網を構築してしまった)。総務省はすでにこの県間接続について「認可する方向で検討している」ことを明言しており、エンドユーザが望んだ方向に動いているのは間違いない。当面の注目は、反対意見を寄せていた電気通信事業者各社の「反撃の一手」であろう。
《RBB TODAY》

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