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【10G回線導入レポ】30代会社員がビッグローブ光10ギガに乗り換え…10G本来の性能を引き出すための課題は?

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NTT製の10G-ONU
  • NTT製の10G-ONU
  • 10G回線環境で採用したNEC Aterm WG1200HS4。Wi-Fi 5世代の製品ながら、安定した通信を実現している
  • 「RBB SPEED TEST」での実測結果(有線)

 新たに10G回線の利用を始めた人の通信環境や導入の動機をレポートする連載「10G回線導入レポ」。今回は、千葉県の分譲マンションに住む30代会社員のkさんの事例を紹介する。

 kさんはauひかり マンションタイプGタイプ(VDSL方式)から、ビッグローブ光 マンション10ギガタイプへと乗り換えた。キャンペーンの活用により月額料金はむしろ下がり、キャッシュバックも受け取ったという。ただし、開通直後にはネットワーク機器との相性問題に悩まされる一幕もあった。

VDSLの切断ストレスから解放、月額はむしろ1,050円ダウン

 kさんが10G回線への乗り換えを決めた最大の理由は、旧回線であるauひかり マンションタイプGタイプがVDSL方式だった点にある。タイプGは「G.fast」という高速通信規格が使用されているが、kさんは「せっかくなのでもっと速い環境を構築したかった」と話す。

 特にストレスだったのがオンラインゲームの体験だ。「ゲームの切断が多くてストレスだった。pingがたまに通らないこともあり、それも二重でストレスだった」と、VDSL時代の不満を振り返った。

 乗り換え先として選んだのが、ビッグローブ光 マンション10ギガタイプ。申し込みは代理店経由で、提供エリアは店舗で確認したという。2026年2月頭に申込み、同月末に開通と、およそ3週間で開通に至った。工事は立ち合い不要だった。

 乗り換えの決め手となったのがキャンペーンの適用だ。基本料金は6,600円/月だが、キャンペーンにより2年間は大幅な割引が適用される。kさんのケースでは割引やキャッシュバックを加味した実質負担額が約3,300円/月となった。旧回線のauひかりが4,350円/月だったため、10G化しながら月額は1,050円下がった計算だ。さらにキャッシュバック65,000円も受け取っている。

 初期費用は事務手数料3,300円、工事費総額24,000円(24回分割)。2年間限定で安くなるとは言え、kさんは「費用対効果は高い」と印象を明かした。

NTT製の10G-ONU

ヤマハRTX830がゴールデンタイムに切断連発、1週間で撤去を決断

 kさんは当初、以前から自宅ネットワークで運用していたヤマハのVPNルーター「RTX830」を、10G回線でも継続使用する予定だった。RTX830は小規模オフィス向けの業務用機器として定評があり、kさんもセキュリティ強化を目的に導入していた製品だ。※「RTX830」はそもそも10Gポートないんでは?

 ところが、10G回線の開通初日から問題が発生した。「ネットワークエラーから切断が頻繁に起きていた」とkさんは振り返る。特に混雑する21~22時頃、いわゆる"ゴールデンタイム"の時間帯に切断が頻発したという。速度自体は下り300Mbps程度は出ていたというが、通信の安定性に難があった。

 kさんはできる限りの対処を試みた。ファームウェアを当時の最新バージョンに更新し、設定変更やLANケーブルの交換も実施。ヤマハのサポートにも電話で問い合わせるなど、「できることは一通りやった」という。それでも症状は改善しなかった。

 もっとも、RTX830はそもそも家庭向け10G回線を想定した製品ではない。WAN/LANポートはいずれも1000BASE-T(1Gbps)対応であり、公称スループットも約2Gbps(NAT時)にとどまる。10Gbps級の通信を安定して捌ける設計にはなっていないため、切断の頻発はスペック上ある程度想定される結果とも言える。

 開通からおよそ1週間後、kさんはRTX830の撤去を決断。現在はONUから無線Wi-FiルーターのNEC Aterm WG1200HS4へ直結する、シンプルな構成に落ち着いている。「RTX830を外したらすぐに安定して、速度も回復した」という。

 現在の宅内構成は以下の通り。

・ONU:NTT製 10G-ONU
・ルーター:NEC Aterm WG1200HS4(自前)
・LANケーブル:Cat6(乗り換えに際しての買い替えはなし)・Wi-Fi規格:Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、2.4GHz/5GHz対応
・接続する端末:デスクトップPC 3台、スマートフォン、タブレット

10G回線環境で採用したNEC Aterm WG1200HS4。Wi-Fi 5世代の製品ながら、安定した通信を実現している

 RTX830についてkさんは「機器自体はまだ保管してあるが、RTX830に戻る気はない。今後別の機器になら乗り換えるかもしれない」と話す。

ONU以外はすべて1G機器、実測は552Mbpsで頭打ち

 注目すべきは、ONU以外の機器はすべて1Gbps対応である点だ。NEC Aterm WG1200HS4はWi-Fi 5世代の廉価機で、有線LANポートも1000BASE-Tにとどまる。LANケーブルはVDSL時代から流用しているCat6で、10Gbps通信で本来推奨されるCat6A以上ではない。さらにメインの自作デスクトップPC(AMD Ryzen 7 5700X、メモリ32GB)側のLANポートも1Gbps対応となっており、10G/2.5Gには対応していない。

 kさんによれば、10G対応LANカードの増設は「投資に対しての費用対効果が薄そうなのと、今の使用状況的に550Mbpsでも現状不満はないため」見送っているという。

 結果として、10G契約でありながら宅内ではどこか1箇所でも1Gbpsがボトルネックとなり、有線実測は1Gbps程度が理論上限となる構成だ。実際、有線接続(1Gポート経由・自作デスクトップPC)での測定結果は以下の通り。

 速度測定はRBB SPEED TESTを用いて休日の22時ごろに実施した。有線接続(1Gポート経由・自作デスクトップPC)での結果は以下の通り。

下り:1回目 557.18Mbps、2回目 553.03Mbps、3回目 547.99Mbps
上り:1回目 572.38Mbps、2回目 614.82Mbps、3回目 588.35Mbps

 1Gポート上限に近い水準で、下り平均は約552Mbps、上りも約564Mbpsと安定している。旧回線(auひかりVDSL)の体感速度は下り約200Mbps・上り約100Mbps程度だったといい、下りで約2.7倍、上りで約5倍以上の高速化が実現している。

 Wi-Fi接続(リビングでの測定)の結果は以下の通り。

下り:1回目 318.32Mbps、2回目 393.84Mbps
上り:1回目 313.90Mbps、2回目 462.47Mbps

 なお、家の中で明確に電波が弱い場所はなく、遠い場所で測定しても大きな差は出なかったという。

「RBB SPEED TEST」での実測結果(有線)

 kさんが導入前に期待していた速度は下り500Mbps程度で、実測はほぼ期待通りの結果となった。なお、これらの数値はkさん宅の宅内配線・機器構成・測定時間帯に依存するものであり、環境によって異なる点には注意が必要だ。

有線550Mbpsは10G回線の性能を活かしきれていない可能性

 kさん宅の有線実測値である下り552Mbpsという数値は、10G回線として見れば決して高い数字ではない。

 編集部が2026年5月のRBB SPEED TESTアプリのログを集計した記事では、ビッグローブ光 マンション10ギガタイプの平均下り速度は465.97Mbps(50計測)、中央値は543.01Mbpsとなっている。今回の実測はこの中央値を上回る水準にあるが、kさん宅は有線接続であり、物足りない結果とも言える。

 主なボトルネックとして考えられるのは以下の点だ。

【1】PC側のLANポートが1Gbps対応
 メインの自作PCが1Gbpsポートを使用している点が最大の制約となる。ただし1Gbpsの理論上限からすると、実効速度は700~900Mbps程度は期待できるため、これだけでは552Mbpsという数値は説明しきれない。

【2】Wi-Fiルーターの処理性能
 現在使用しているNEC Aterm WG1200HS4はWi-Fi 5(11ac)世代の廉価な製品で、有線スループット性能は公称されていない。10G回線環境では、ルーター自体のCPU処理能力がボトルネックになる可能性がある。

【3】LANケーブルの経年
 VDSL時代から流用しているCat6ケーブルも、経年劣化により本来の性能を発揮できていない可能性がある。

 より高速な通信を求めるのであれば、PC側の10G/2.5G LANカード増設に加えて、10Gbps対応LANポートを搭載したWi-Fi 6/6E/7ルーター(NEC Aterm WX7800T8、TP-Link Archer BE805など)への更新も選択肢となる。ただしkさん自身は現状の速度に満足しており、「投資に対しての費用対効果が薄い」として増強を見送っている。

10Gにして得られた3つの実感、そして「相性問題はまだある」

 一方で、kさんが挙げる、10G化による具体的なメリットは以下の3点だ。

【1】回線が安定した
【2】重いファイルのダウンロードも快適になった
【3】ゲームが落ちなくなった

 VDSL時代に悩まされていたゲームの切断やpingの不安定さから解放されたことが、体感として最も大きな変化だという。総合満足度は「大変満足」で、10Gにしたことに後悔はなく、機器の追加増強も現時点では予定していないという。

 最後に、これから10G回線を検討している読者に向けたkさんからのアドバイスを紹介する。

「キャンペーン等をうまく使えば旧環境より月額が下がることもあるので、その辺を計算してから着手してみるのが良いと思う。また10Gにすると大容量のファイルもサクサクなので快適だ。やってみたい人はやってみるといいと思う」

 そして、機器選びについてはRTX830での経験を踏まえ、次のようにも語る。

「相性問題は少なくなったといえど、やはり多少なりともあると思う。ただ現状(の回線が)遅い・安定していないなら、10Gにしてみる価値はあると思う」

 1Gからの乗り換えでも変化を実感できるとし、同じ状況の人にも10G回線を勧めたいと語ってくれた。

 RTX830は1Gbpsクラスのルーターであり、10G回線の性能を前提とした構成では処理能力や接続方式の違いによりボトルネックとなる可能性がある。逆にシンプルな構成でも十分な速度と安定性が得られるという、kさんの試行錯誤は示唆に富む事例と言えるだろう。




《福田マリ》

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