デスクツアー動画といえば、洗練されたガジェットや美しいセットアップに目を奪われがちだ。だが、その「魅せるデスク」の完成度を左右する隠れた主役こそが「配線処理」である。
今回紹介するのは、YouTubeチャンネル「たか ガレージ秘密基地づくり」のたか氏。ガレージ内に構えた「秘密基地デスク」を、「僕の目線から配線を消し去る」という明確なテーマで徹底改造した動画がアップされている。ケーブルトレーの逆付け、PCの吊り下げ、モニターのハブ機能をフル活用し、普通の配線整理術とは一線を画す発想の数々を、注目のアイテムとともに紹介していこう。
デスクシェルフを「あえて捨てる」モニターが浮遊するミニマル思想
たか氏のデスクは、横幅180cm×奥行70cmのウォールナット天板(楽天「匠一松」で購入)に、自ら足を取り付けたセミDIY仕様だ。しかし今回の改造で最も象徴的な決断は、これまで愛用していた自作デスクシェルフを外したことだった。
デスクシェルフは、モニターの下に橋渡しのように置く小型の棚のこと。モニターを一段高くして目線を上げつつ、棚下にキーボードを収納したり、棚上に小物や観葉植物を並べたりできるため、デスク周りをおしゃれに演出するアイテムとして人気を集めている。しかし、たか氏はあえてこの人気アイテムを外す選択をした。
「デスクシェルフってやっぱりかっこいいんですけど、僕みたいなズボラが使ってしまうと物のちょい置きが増えすぎてごちゃごちゃ感が出てしまうので、一旦デスクシェルフのないすっきりしたデスクにしてみたくなりました」
シェルフを外したことでモニターがまるで宙に浮いているような視覚効果が生まれ、デスク全体の抜け感が一気に増している。「魅せる」より「削る」というミニマル思想が、今回の配線ゼロ計画の出発点だ。

FlexiSpot「E7H」×TRUSCOキャスターで、デスクが「動く」
土台に据えたのはFlexiSpotの電動昇降デスク「E7H」。ここまでは定番だが、たか氏はさらにトラスコ中山(TRUSCO)の「ねじ込み双輪キャスター(直径50mm)」を4本取り付け、デスク自体を可動式にしている。前方2つはロック付き、後方2つはロックなしという使い分けも実用的だ。
「電動昇降デスクって何の意味があるんだって僕自身結構思ってたんですけど、今回の配線整理でもデスクを上げた時にすごい配線整理しやすいっていうメリットがあります」
昇降機能は健康面(首肩こり・頭痛の軽減)だけでなく、配線メンテナンスの作業性というメリットも大きい。一方、キャスターは「買った後に取り付けるとかなり大変」とのことで、これから昇降デスクを導入する読者は最初から検討することをおすすめしたい。

Dell「U4025QW」のハブ機能で、机上の配線を根こそぎ削減
配線整理で意外にも大きな役割を果たしているのが、Dellの40インチウルトラワイドモニター「U4025QW」だ。このモニターにはハブ機能(USB Type-C×2、Type-A×1をフロントに、多数のポートを背面に搭載)が内蔵されている。
「MacBookだとThunderbolt1本接続するだけで、このモニターに繋いだ機器を全て接続することができます」
たか氏はMacBookとWindowsのデスクトップPCの2台を用途に応じて使い分けている。動画編集や日常作業はMacBook、ゲームやWindows専用ソフトを使う際はデスクトップPC、といった具合だ。しかし2台のPCを1つのデスクで運用する際に立ちはだかるのが、「周辺機器の付け替え問題」である。
通常なら、Macを使うときはスピーカー・マウス・マイク・キーボードのケーブルやレシーバーをMac側に、Windowsに切り替えるときは全部Windows側に……と、いちいち差し替える手間が発生する。この面倒を一気に解消してくれるのが、モニター内蔵の「KVM機能」だ。KVMとは複数のPCで1組の周辺機器(キーボード・マウス・モニター等)を共有し、切り替えて使うための仕組みで、これがモニター側で完結する。
つまり、モニターに接続したスピーカーやマウス、マイクなどの周辺機器は、使用中のPCに合わせて自動的に切り替わる。「Windows使う時はWindowsにスピーカーもマウスのレシーバーも差し替えて、っていう必要がないんですよ」とたか氏。2台のPCそれぞれに周辺機器を用意する必要もなく、切替器のような別売り機器も不要で、結果として、机上・机下のケーブルが劇的に減るというわけだ。
外付けハブを別途購入すれば5~6万円クラスの製品もあり、それがモニターに統合されていることを考えれば、机上のケーブル数を根本から減らせるという意味で「配線整理アイテム」としての側面も強い。

PCはデスクに「吊り下げる」GIBBON MOUNTSで可動性と美しさを両立
配線を消すうえで最大の障害となるのが、床置きされたデスクトップPCだ。デスクとPCが物理的に離れていると、電動昇降デスクを動かすたびに配線に余裕を持たせる必要が出てくる。
そこでたか氏が採用したのが、「GIBBON MOUNTS」のPCラック(天板吊り下げ式)。デスク裏にPCを直接マウントすることで、デスクと一緒にPCが動く。結果、配線の余裕を最小限に抑えることができ、ケーブルの弛みを大幅に削減できるのだ。
「PCを別置きする場合はそういう配線の余裕が必要になってくるってことです。でもデスクに吊り下げることでその配線の余裕が必要なくなって、すごいすっきりした配線にすることができます」
しかも吊り下げ位置を右側にしたことで、PCケースのライティングがガラスパネル越しに映えるという副次効果も。

サンワダイレクトのケーブルトレーを逆付けする裏技
配線整理のメインアイテムは、サンワダイレクトのケーブルトレーを3連結して使用。ただしたか氏の使い方は独特で、本来の向きとは逆に取り付けている。
「デスクを正面から覗き込んだ時に、僕の使用方法だと配線が全く見えませんよね。これ通常の仕様で配線トレーを前に回してしまうと、覗き込んだ時に配線がどうしても見えるんですよ。それを防ぎたかったので、僕は逆向きに使用しております」
正面からの目線を意識した、まさに「魅せない工夫」だ。トレー本体は金属製でマグネットで取り付けられ、後述の電源タップとの相性も抜群。デメリットとしてはクランプがデスク上からわずかに見える点だが、たか氏は「それ以外はすごい気に入っている」と評価している。

今回のベストバイ:Stageekの配線カバーは万能選手
「今回購入した中では、この配線カバーが正直1番ベストバイだったかもしれません」、たか氏にそう言わしめたのが、Stageekの配線カバーだ。
このアイテムの何が優れているのか。ポイントは3つある。
【1】側面に無数の穴があり、どこからでもケーブルを出し入れできる
【2】蓋が取り外し可能で、中を自由に配線できる
【3】コーナーパーツが付属しており、直角の曲がりにも対応
さらに面白いのは、あえてケーブルを穴に通して固定することで、巻き癖による意図しない配線の暴走を防げるという運用の工夫だ。たか氏はケーブルトレーの中や、デスク背面、デスク脚など複数箇所でこの配線カバーを活用している。
「もっとミニマルなセットアップだと、正直この配線トレー自体いらないなと思いましたね。これだけで完結しそうな気がします」
トレーを買う前に、まずこの配線カバーだけで済ませられないか検討してみる価値があるアイテムだ。

エレコム10口電源タップーーマグネットの配置の工夫
配線整理の相棒として選ばれたのが、エレコムの10口電源タップ。横長デザインで下面に強力なマグネットを備え、金属製のケーブルトレーにピタッと吸着する。
特筆すべきは差込口の配置設計だ。向かって左側はコンセント間隔が広めに取られており、ACアダプター付きの大きな電源プラグも問題なく挿せる。右側は密集させて省スペース化。さらに端には縦向きの差込口まで用意されているという、細部まで練り込まれた設計だ。

JOYROOM「PODIX」Anker製のプチストレスを解消した充電ステーション
デスク上に置く充電ステーションとして紹介されたのが、JOYROOMのクラウドファンディング製品「PODIX」。最大140W出力、5台同時充電(Type-C×2、Type-A×2、リールケーブル1)と、スペックだけでも十分魅力的だ。
だが、たか氏が特に評価しているのは「ストレスのなさ」。以前使用していたAnkerの類似製品では、リールケーブルを引き出すたびに本体が引っ張られて動いてしまうプチストレスがあった。PODIXは土台がマグネット式でしっかり固定されるため、引き出す動作がスムーズに完結する。
「このPODIXの充電ステーションは土台がマグネットになってて、しっかり固定できるんですよね。だから引き出す時に動かない」
引き出すたびに現れる可愛らしいアイコン表示など、遊び心のある演出も好印象だという。

「配線を消す」は、空間の格を上げる最短ルート
デスクツアーは、機材の華やかさで語られがち。しかしたか氏の動画は、「隠す」「削る」「見せない」という引き算の美学こそが、デスクの完成度を決定づけることを教えてくれる。
ケーブルトレーの逆付け、PCの吊り下げ、モニターのハブ機能活用、そしてデスクシェルフをあえて捨てる決断など、一つひとつの工夫は特別な技術を必要としないが、その積み重ねが「モニターが浮遊するデスク」という唯一無二の空間を生み出している。
配線に悩まされているすべての作業者に、この「引き算のデスクツアー」は多くのヒントを与えてくれるはずだ。まずは粘着式ケーブルタイと配線カバーから、小さな一歩を始めてみてはいかがだろうか。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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