韓国の元国会議員が、見事な“美腹筋”で注目を集めている。
元国会議員のリュ・ホジョンは最近、自身のSNSにボディプロフィール写真を公開した。
写真の中の彼女は、鍛えられた腹筋を見せており、韓国メディアは「国会議員から木工職人へ」「破格の変身」などと報じている。
リュ・ホジョンは現在、政治の世界を離れ、木工職人として働いている。かつては韓国国会の最年少議員として注目された人物だが、今度は政治ではなく、鍛え上げた身体で話題の中心に戻ってきた形だ。
本人は、ボディプロフィールを撮影した理由について、「年末に父親の死と解雇などが重なり、うつ状態に陥った」と説明している。食事もまともに取れず、2週間足らずで7kg体重が落ちたという。
それでも、「現場仕事と運動で作った筋肉まで失うのは嫌だった」という彼女は、「うつ克服プロジェクト」としてボディプロフィール撮影を決め、先にスタジオを予約して費用を払えば、気分を理由に運動をやめないだろうと考えたそうだ。
もっとも、本人は「体脂肪を減らそうと炭水化物を制限したら、仕事中に力が抜けすぎて、二度はできない」とも打ち明けている。
政治家から木工職人へ転身しただけでも異例だが、さらにボディプロフィールまで公開するとなると、なおさら目を引く。

ただ、リュ・ホジョンという人物を振り返ると、彼女はもともと、何かをするたびに議論を呼んできた政治家だった。
ピンクのワンピースで国会に登場
そもそも1992年生まれのリュ・ホジョンは、労働運動を経て「正義党」に入党し、2020年の第21代総選挙で比例代表1番として当選し、国会議員となった。第21代国会の最年少議員として、当初から大きな注目を浴びた。
彼女の名前が広く知られるきっかけの一つが、2020年の“ピンクワンピース論争”だった。
リュ・ホジョンは同年8月、国会本会議にピンク色のワンピース姿で出席した。韓国国会では、男性議員を中心にスーツとネクタイが当然視されてきた。そんななかで、若い女性議員が明るい色のワンピースで本会議場に現れたことで、ネット上では大きな議論が起きた。
一部では服装をめぐる過激な非難が出た。一方で、政治家たちからは「国会の過度な厳粛主義と権威主義を打ち破った」と擁護する声も上がった。
リュ・ホジョン本人は、国会における中年男性中心の服装文化を変えたいという趣旨を説明していた。つまり彼女は、政策だけでなく、服装や見せ方そのものでも政治的メッセージを発した人物だった。

だが、彼女の政治活動には常に批判もついて回った。特に大きかったのが、秘書の不当解雇疑惑だ。
リュ・ホジョンは、国会議員になる前から「不当解雇された労働者」というイメージを前面に出していた。ゲーム会社で働いた経験をもとに、IT・ゲーム業界の労働環境を改善する若い政治家として注目されたのだ。
ところが2021年、彼女は自身の随行秘書を解任する過程で、不当解雇疑惑に巻き込まれた。わずか1週間前に解雇を通知した、休憩時間を十分に与えなかったなどの主張が出たことで、批判が広がった。
リュ・ホジョン側は業務上の性向の違いがあったという立場を示したが、皮肉な構図は明らかだった。
不当解雇を告発し、労働者の権利を語ってきた政治家が、今度は自らの補佐陣をめぐって「加害者側」として批判されたのだ。
韓国では「自分がしたらロマンス、他人がしたら不倫」という意味の“ネロナムブル”という言葉がある。リュ・ホジョンの秘書解雇疑惑は、まさにその典型として語られた。
BTS・JUNG KOOKの写真使用でも炎上
日本の読者にとって、リュ・ホジョンの名前を最も思い出しやすい出来事は、BTS・JUNG KOOKの写真使用論争かもしれない。
2021年6月、リュ・ホジョンはタトゥー業の合法化を推進する過程で、BTS・JUNG KOOKの写真をSNSに投稿した。

テレビ番組などでタトゥーを隠していたJUNG KOOKの写真を取り上げ、「BTSの体から絆創膏をはがせ」という趣旨の文章を掲載したのだ。
彼女は、タトゥーも芸術的な表現であり、制度が時代の変化に追いついていないと主張した。
しかしBTSファンからは「BTSを政治に利用するな」と批判が殺到。JUNG KOOK本人の意思が確認されないまま、人気スターの身体や写真を政治的メッセージに使ったことへの反発だった。
リュ・ホジョンはラジオ番組で、BTSのファンとして彼らの芸術的表現が制約されるのが嫌だったと説明し、「傷ついた人がいたなら謝罪したい」と述べた。ただし、問題となった写真を下ろす考えは示さなかった。
この一件も、彼女らしい騒動だった。タトゥー合法化というテーマ自体は、社会的に議論する価値がある。だが、そこにBTSという巨大な名前を持ち込んだことで、政策論争は一気に「政治利用」批判へと変わった。
リュ・ホジョンは、メッセージを届けるために、服装であれ、人気スターであれ、強い象徴を使う政治家だったといえるかもしれない。しかし、そのたびに「やり方が強すぎる」「注目を集めるためではないか」という反発も招いてきた。
その後、リュ・ホジョンは正義党を離れ、第3地帯政治への拡張を掲げる動きに加わった。さらに新党や「改革新党」への合流を経たが、2024年の総選挙では出馬を断念。政治活動を一時中断し、最終的には木工職人に転身した。
そして今、彼女は政治家ではなく、木工の現場で働く人物として近況を伝えている。

政治家時代はピンクのワンピースで、タトゥー合法化ではBTS・JUNG KOOKの写真で、そして政界を離れた今は鍛えた腹筋で注目を集める。それを自己表現と見るか、注目を集めるための演出と見るかで評価は分かれるだろう。
ただ、リュ・ホジョンが肩書きを失ってもなお、人々の視線を集める人物であることは間違いない。今回のボディプロフィールもまた、彼女の“話題を呼ぶ人生”の延長線上にあるのかもしれない。
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