韓国ドラマでいちばん残酷なのは、第1話が最高視聴率のまま終わることかもしれない。 最初に集めた関心を最後まで引っ張れなかった、という事実が数字で残るからだ。
女優パク・ミニョンが主演を務め、日本ではAmazonプライム・ビデオで配信中の『セイレーンのキス』(tvN)も、その“第1話の壁”の前に立たされている。
韓国で3月2日に第1話が放送され、視聴率5.5%と好スタートした同作だったが、その後は4%前後を推移し、最新の第11話(4月6日放送)も4.3%にとどまった。最高視聴率はいまだ第1話のままだ。
本日(4月7日)最終回を迎えるが、最後に第1話の数字を超えられるのかが注目されている。
“初回ピーク型”ドラマとは
もちろん、第1話の視聴率が最も高かったからといって、それだけで失敗作と決めつけることはできない。初回は主演俳優、原作、放送前の話題性など、いわば“期待値”が最も数字に出やすい回でもある。
だが、その後に視聴率が下がり、最終回でも初回に届かなかった場合、「結局いちばん面白そうに見えたのは第1話だった」という印象が残りやすいのも事実だ。
『セイレーンのキス』もそうしたドラマの一つになりかねない。

パク・ミニョンとウィ・ハジュンという華やかな主演陣に加え、日本ドラマ原作という話題性もあった。実際、初回は5%台を記録し、出足としては悪くなかった。だが、その後は4%を前後する展開が続き、終盤に入ってもなお“第1話の壁”を越えられていない。
こうした“初回ピーク型”のドラマは、過去にもあった。
例えば、『7人の脱出 season2リベンジ』(SBS)は、第1話で4.4%を記録したものの、その後は下落し、第10話では2.1%まで落ち込んだ。最終回では4.1%まで戻したが、それでも第1話には届かなかった。

『花様年華~君といた季節~』(tvN)も同じだ。第1話で5.4%と好調な滑り出しを見せたが、第14話では3.6%まで下がり、最終回は4.5%で終了した。最後にある程度持ち直しても、結局いちばん高かったのは初回だった。
さらに極端なのが『おかえり~ただいまのキスは屋根の上で!?~』(KBS)だ。第1話は3.6%だったが、第23話では0.8%まで落ち、最終回も1.0%にとどまった。これは初回の期待値と、その後の維持力の差がかなり大きかったケースといえる。
他にも、ジェジュンが主演を務めた『マンホール ~不思議な国のピル~』(KBS、第1話3.1%)や、ファン・ジョンミンと少女時代・ユナの豪華キャストで話題になった『ハッシュ~沈黙注意報~』(JTBC、第1話3.4%)も初回が最高視聴率という結果に終わった。

こうして並べてみると、共通点が見えてくる。どの作品も、初回ではある程度の関心を集めているのだ。つまり、視聴者は最初から完全に無関心だったわけではない。キャストや設定、原作、ジャンルなど、少なくとも“見てみよう”と思わせる力はあった。だが、その関心を第2話、第3話、その先まで持続させることができなかった。
ここに“第1話の壁”の残酷さがある。初回視聴率は、作品そのものの完成度というより、放送前に積み上げた期待や話題性の総和で押し上げられる面が大きい。だが第2話以降は違う。視聴者はその世界観に本当に入り込めるのか、ストーリーは引っ張れるのか、キャラクターに感情移入できるのかを冷静に見始める。つまり、初回は“広告”で取れるが、その後は“作品の力”が問われるのだ。
そう考えると、『セイレーンのキス』が最後に5.5%を超えられるかどうかは、単なる数字以上の意味を持つ。もし超えられなければ、この作品もまた「最初の期待を最後まで維持できなかったドラマ」として記憶されるだろう。
逆に最終回で初回を上回れば、終盤に向かって視聴者を引き戻すことに成功した作品として印象は変わる。
ドラマにとって第1話は、多くの人に見てもらえる“入口”だ。その入口が最終的なピークのままで終わるのか、それとも最後にそれを上回るのか。『セイレーンのキス』の最終回は、物語の結末だけでなく、この“第1話の壁”を越えられるかどうかという意味でも注目される。
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