K-POP界に歓喜が広がった。
人気グループSEVENTEENが所属事務所PLEDISエンターテインメントとの「2度目の再契約」を“13人全員”で締結したと発表したからだ。
多国籍、しかも大人数のグループにおいて、デビューから10年以上のキャリアを「脱退者ゼロ」で歩み続けることは、K-POP界でも極めて珍しいケースと言えるだろう。
そもそもこの業界には、デビューから7年が経過する頃にメンバーの離脱やグループの再編、あるいは解散が相次ぐ「7年のジンクス」という言葉が存在する。実際、多くのグループがこの節目に大きな転機を迎えてきた。

そのなかでSEVENTEENは、2021年にメンバー全員が早期再契約を結び、このジンクスを乗り越えてみせた。そして今年、再び13人全員で契約を更新したという事実は、彼らが単なるビジネスパートナーを超えた、極めて強固なチームであることを示していると言えるのではないだろうか。
繰り返されてきた中国人メンバー離脱の歴史
なぜSEVENTEENの再契約がこれほど大きな意味を持つのか。
前述のジンクスを乗り越えたという点もあるが、中国人メンバーであるジュンとTHE8の存在も特筆すべきポイントだ。


2人が再び“13人のSEVENTEEN”として歩み続ける道を選んだことは、長年K-POPファンの間で語られてきた「中国人メンバーはグループを離れがち」というイメージに対して、象徴的な意味を持つ出来事と言えるかもしれない。というのも、K-POP史のなかでは中国人メンバーの離脱が繰り返されてきたという背景があるからだ。
象徴的な例として挙げられるのが、2005年にデビューしたSUPER JUNIORの中国人メンバー、ハンギョンだ。彼は2009年、所属事務所SMエンターテインメントとの契約問題を巡る訴訟の末にグループから離脱。その後、中国で俳優・歌手として成功を収めた。この事例は、後に続く中国人アイドルたちに「韓国で名を上げ、中国市場で成功する」というキャリアモデルを提示した側面もあったと言われている。
そして、この流れを決定的にしたのがEXOだ。2014年から2015年にかけて、中国人メンバーのクリス、ルハン、タオが相次いでグループを離脱。中国市場の巨大な収益性と、母国での自由度の高い活動環境は、人気アイドルに成長した中国人メンバーにとって大きな魅力となる。この出来事はK-POPファンの間に「中国人メンバーは人気が出ればいずれ離脱する」という印象を強く残した。



政治が生んだ「限韓令」という壁
こうした流れをさらに複雑にしたのが政治的要因だ。2016年、韓国によるTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備決定への対抗措置として、中国では韓国コンテンツの活動が大きく制限された。いわゆる「限韓令(韓流制限令)」である。この影響により、韓国グループとしての中国活動は事実上困難となり、中国人メンバーたちは韓国でのグループ活動と母国での個人活動の間で、難しいバランスを迫られることになった。
その象徴的な例が、2014年にデビューしたUNIQのメンバー、ワン・イーボーだ。限韓令によってグループ活動が停滞したことにより、活動の軸足を中国へと移し、そのまま母国で俳優としてトップスターの地位を築いた。
こうした歴史を踏まえると、SEVENTEENの再契約が持つ意味は、より明確になるのではないだろうか。中国人メンバーであるジュンとTHE8は、もちろん中国国内でも高い知名度と人気を持つ。ソロ活動に専念すれば、韓国でのグループ活動以上の収益やキャリアを得る可能性も十分にあったはずだ。それでも彼らは、SEVENTEENというチームに残る道を選んだ。

もっとも、これは単なる自己犠牲ではない。彼らは中国での活動も並行して行いながら、グループ活動との両立を実現している。THE8は5月に南京で開催される大型フェスにヘッドライナーとして出演することも決まっている。こうした活動を見ると、所属事務所PLEDISエンターテインメントが整えてきた、中国人メンバーの個人活動を尊重する柔軟なマネジメント体制も賞賛すべきだろう。つまりSEVENTEENの成功は、メンバーの強い結束だけでなく、国境を越えた活動を支えるマネジメントの進化によっても支えられていると考えられる。
長年K-POP界に存在してきた「中国人メンバーはいつかグループを去る」というイメージを、13人の結束によって覆してみせたSEVENTEEN。この出来事は、国籍や政治、そして市場の論理を超えて、一つのグループが存続し続ける可能性を示した象徴的なケースだったと言えるのではないだろうか。



