新たに10G回線を導入したユーザーの環境を紹介する連載「10G回線導入レポ」。今回は、東京都のマンションで一人暮らしをするY.Yさんの事例を取り上げる。Y.Yさんは現在、ソニーネットワークコミュニケーションズの「NURO光 10ギガ(マンション)タイプL」を契約している
「遅い」「つながりにくい」が乗り換えの決め手に
Y.Yさんが以前使っていた回線はNTTドコモの「home 5G」。工事も不要で、置くだけで手軽にネット接続環境が出来上がるホームルータだ。
乗り換えた理由として挙げたのは、「遅かった」「繋がりにくかった」「仕事で使用できるレベルではなかった」の3点。とくに自宅でオンライン作業を行ううえで、安定性への不満が大きかったという。
在宅でのオンライン作業では、単純な下り速度だけでなく、通信の安定性や上り速度も重要になる。オンラインミーティングや重いデータの送受信がある人ほど、日常的なストレスは積み重なりやすい。
その点でY.Yさんは、10G回線に変えたことで「繋がりやすい」「速度が早い」「オンラインミーティングの調子がいい」といった変化を実感している。公称値どおりの“10Gbps体感”よりも、仕事中に不安なく使えることが満足度につながっているようだ。
それにしても、5Gからの移行であれば、いきなり10G回線ではなく1G回線でも良かったようにも思える。
実はY.Yさんのお仕事は動画編集者。ドコモhome 5Gが仕事に支障が出る速度でストレスが溜まっていたこともあり、「とにかく高速な回線を」と求め、10G回線を契約したと話していた。
割引込みの請求額は月額2,980円に
現在支払っている月額料金は、合計2,980円。内訳は基本料金4,400円(税込)に加え、マンション宅内工事費1,833円、棟設備利用手数料916円などが含まれる一方、この工事費と棟設備利用手数料は全額割引が適用される。
その上、契約から2年間は「2ねん定額割」が適用されるため、毎月1,420円が割り引かれるため、月額料金は2,980円となる。
なお、初期費用は事務手数料3,300円。旧回線・新回線ともに、回答上では解約費や撤去費はないとしている。
10G回線は高額というイメージを持たれやすいが、Y.Yさんのケースでは各種割引によって、実際の負担額はかなり抑えられている。月額2,980円でこの通信品質が得られるなら、固定回線への乗り換えを検討しやすいと感じる人も多そうだ。
壁LANありのマンション環境で運用

宅内構成は、壁LANありのマンション環境。ONUやルーターは壁面の情報コンセント付近に機器をまとめて設置しているとのこと。
ルーターは、NURO 光を運営するソニーネットワークコミュニケーションズから無料でレンタル提供されているWi-Fi 7対応の一体型ONU「NSD-G3100T」を利用している。
そこにWi-Fiで接続する端末は「MacBook Pro(16インチ, 2023, Apple M2 Max)」だ。
有線LANではなくWi-Fiで運用しているが、ONU側の性能の高さとハイスペックなノートPCの組み合わせが、日常の使い勝手の良さにつながっているとみてよさそうだ。
残念なのはMacBook ProがWiFi7に対応していないことで、ここが対応すればもっと快適度は増しそうだ。

平日夜でもWiFi接続で上下500Mbps前後を確保
速度測定は平日の夜、RBB SPEEDTEST(WEB版)を使ってWi-Fi接続で3回実施してもらった。
1回目の測定はIPv4で下り699.93Mbps、上り356.72Mbps、IPv6で下り464.31Mbps、上り677.55Mbpsだった。
2回目はIPv4で下り498.56Mbps、上り642.85Mbps、IPv6で下り543.59Mbps、上り504.99Mbpsだった。
3回目はIPv4で下り596.69Mbps、上り546.41Mbps、IPv6で下り619.93Mbps、上り541.66Mbpsだった。
3回の平均値でみると、IPv4は下り約598Mbps、上り約515Mbps、IPv6は下り約543Mbps、上り約575Mbpsとなる。
平日夜帯の計測で、上下ともおおむね500Mbps前後を安定して確保している点は十分に優秀だ。
もちろん、10G契約だからといって常に数Gbps級の実測値が出るとは限らない。宅内機器や端末側の仕様、接続方法、計測環境によって実効速度は大きく変わることが知られており、連載の過去回でも宅内構成や周辺機器が実測値に影響する様子が紹介されている。
それでもY.Yさんのケースでは、実測値そのものに加え、「繋がりやすい」「オンラインMTGの調子がいい」という体感面の改善が大きい。
くわえて、動画編集の業務においても「データ共有の際にかかる時間が大幅に短縮された実感がある」という。
最大速度のインパクトよりも、日々の業務で必要なときに、重いデータを安定してやり取りできることへの満足感が大きい様子。このあたりは、数字だけでは見えにくい10G回線の確かな価値といえそうだ。
10G“フル”ではないが、在宅ワーク用途には十分なアップグレード
速度だけを見れば、10Gプランの理論値(10Gbps)からすると500~700Mbps台は決して“出し切っている”とは言えない。
一方で、home 5Gから固定回線+Wi‑Fi 7環境へ移行したことで、下り・上りともに安定した高速通信を確保でき、オンラインMTGをはじめ在宅ワークが「問題なくこなせるレベル」に引き上がった点は大きい。
Y.Yさんは、「自宅でオンライン作業を行う場合、特にオンラインMTGや重いデータのやり取りをする人にはおすすめです」と話す。
動画編集というシビアな環境が求められる現場において、機材と回線のバランスがうまく噛み合った事例といえそうだ。
10G回線は「従来の1Gbps回線に対して常に10倍の速さ」を約束するものではないが、モバイル回線からのステップアップとして、固定+10Gプランを検討する価値は十分にありそうだ。






