女子アナウンサーのイム・ヒョンジュが「ノーキッズゾーン(子連れ禁止エリア)」に対する持論を展開し、多くの共感を呼んでいる。
イム・ヒョンジュは最近、自身のSNSに「以前に行って良かったカフェを思い出して再訪したけれど、駐車してベビーカーにリリー(次女の名前)を乗せたところで、駐車案内をしてくれていた方から困った顔で『ノーキッズゾーンです』と言われた。『どこにその表示がありますか?』と尋ねたら、『どうせ中では受け入れてもらえないから』と、近くの別のカフェを案内してくれた」と、子ども連れでカフェに入れなかった体験を明かした。
彼女はさらに、「あらためて思うが、なぜノーキッズゾーンがこんなに多いのか。実際に子どもと出かけると『最近は子どもを見ることも珍しい』とキラキラした目で笑いかけてくれる人の方が多いのに…。いわゆる“流行スポット”に、なぜ子どもは行けないのか?どんな迷惑になるというのか?」と、ノーキッズゾーンへの疑問と残念さを吐露した。

そして、「せっかく遠くまで来たのだから」と立ち寄った公園での散歩を楽しむ夫と子どもの姿も写真で紹介した。
この投稿が拡散され、ノーキッズゾーンに対する様々な意見が飛び交うなか、イム・ヒョンジュは6月1日にも追記を投稿し、自身の考えをさらに詳しく述べた。
彼女は、「私が『あらためて』という表現を使ったのは、私自身もノーキッズゾーンができた理由を理解していて、いつの間にか慣れてしまったからだ。子どもと外出する際には、まずカフェやレストランが入店可能かどうかを調べるのが自然になっていた。ときにはうっかり忘れることもあるが、昨日はその現実がひときわ強く感じられた。子どもが騒ぐから、泣くから、迷惑になるから。ノーキッズゾーンはお店側の自由という言葉も理解している。安全上の理由がある場所もある」と述べ、ノーキッズゾーンの存在を一概に否定はしない姿勢を見せた。
そのうえで、「ただ、一度は別の視点から考えてみてもよいのではないかと思った。子どものそうした姿が『迷惑』と一括りにされ、そうした視線が積み重なることで、知らず知らずのうちに『排除されても構わない存在』として内面化されることがあるかもしれない。もちろん、オンラインには一部の親の無責任な行動が問題になる映像もあり、そういうのを見れば『だからノーキッズゾーンが必要だ』と思う人もいるだろう。けれど、年齢を問わず大人にも同じような事例はある。個人の行動によるものを、特に“ノーキッズ”と分類するのは、全体をまとめて排除しているのではないか」と問いかけた。

イム・ヒョンジュはさらに、「もし『30代男性出入り禁止』『20代女性出入り禁止』『高齢者お断り』という張り紙を見たら、きっと違和感を覚えるはず。子どもに対してだけ、そのような文言があまりにも当たり前になってしまっている社会なのではないか」と続けた。
そして「こうした文章を書くのが一方で慎重になるのは、親のエゴと受け取られる可能性があるとわかっているからだ。『子どもと行ける場所はたくさんあるのだから、わざわざそんな場所に行かなくてもいいのではないか?』という声も理解できるし、私自身も子どもが生まれる前からそうした慎重さを持っていた。でも実際には、子どもに声をかけてくれたり、笑いかけたりしてくれる人のほうが圧倒的に多い。では、このギャップは何なのかと不思議に思い、子どもと出かけることがもはや緊張の瞬間ではなくなった」と心境を語った。
続けて、「数日前、子ども2人を連れてある飲食店に入った。食事が出てきた途端、2人同時にぐずり出して、食事をする余裕がなくなってしまった。子ども2人連れての外食は無謀だったかと後悔がよぎったそのとき、隣のテーブルにいた年配の女性が、下の子を抱っこしてくれた。私たちが食事をできるようにと、子どもを見てくれた。とてもありがたく、その後も何度も思い返している。昔から言われているように、地域社会全体で子どもを育てるということ、子ども、親、そして子どもを見守る人たち、それぞれにこうした経験が積み重なれば、子どもへの見方や接し方も大きく変わっていくのではないか」と、慎重ながらも前向きな提言を行った。
イム・ヒョンジュは、ソウル大学の産業工学科を卒業後、2011年にJTBCのアナウンサーとして入社、2013年からはMBCにて本格的に活動を始めた。
彼女はこれまでも社会通念に挑む姿勢で注目されてきた。2018年には女子アナウンサーに向けられる容姿やスタイルへの偏見に抗うため、眼鏡をかけてニュースに出演。2020年にはノーブラで生放送に出演し、話題となった。
今回もまた、「ノーキッズゾーン」の問題に光を当て、自身の信念を行動で示したイム・ヒョンジュに対し、ネットユーザーたちは「共感します」といったコメントを寄せた。一方で、「子どもがいることを気にさせる社会で、少子化を克服しようというのは矛盾している」といった指摘も上がっている。
なお、イム・ヒョンジュは2023年2月、イギリス出身の作家ダニエル・テューダーと結婚し、現在2人の娘を育てている。
(記事提供=OSEN)
◇イム・ヒョンジュ プロフィール
1985年4月生まれ。ソウル大学・産業工学科を卒業後、KNN、KBC光州(クァンジュ)放送、JTBCを経て2013年に公開採用アナウンサーとしてMBCに入社。これまで『ニューストゥデイ』『経済マガジンM』『生放送今日の朝』などで進行を務めた。2018年にメガネ姿で地上波のニュース番組を担当した初の女子アナとして、注目の的に。2020年にはテレビの生放送に「ノー(No)ブラジャー」で臨む、「ノーブラ・チャレンジ」を実施して話題となった。2023年2月にイギリス人作家と結婚。同年10月に長女を、2025年2月に次女を出産している。
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