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【韓国ドラマ】鍛え上げられた筋肉美の若きボクサーが死闘を繰り広げる『ブラッドハウンド』

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【韓国ドラマ】鍛え上げられた筋肉美の若きボクサーが死闘を繰り広げる『ブラッドハウンド』
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コロナ禍の貸金業界を舞台に、若きボクサーのキム・ゴヌ(ウ・ドファン)とホン・ウジン(イ・サンイ)が、命がけで悪の勢力と戦う物語『ブラッドハウンド』。配信直後から、ウ・ドファンとイ・サンイの鍛え上げられた筋肉美が話題となり、なおかつ韓国ドラマらしいノワール感に一気見必至の作品となっている。

映画『ミッドナイト・ランナー』のキム・ジュファンが演出・脚本を手掛ける本作、全8話完結の見どころを紹介しよう。

(以下、物語の内容にふれるネタバレあり)


あらすじ:



キム・ゴヌ(ウ・ドファン)は、母親思いの心優しい青年で、ボクサーとして頂点を目指し日々練習に励んでいた。ボクシングの試合で戦ったことをきっかけに、ホン・ウジン(イ・サンイ)と兄弟のような間柄になる。

カフェを営むゴヌの母(ユン・ユソン)が、キム・ミョンギル(パク・ソンウン)が代表を務める悪徳貸金業者、スマイルキャピタルに騙されて多額の借金を負うことになる。ゴヌは母のためにボクサーの道を諦め、ウジンとともに貸金業界で伝説の男と呼ばれたチェ社長(ホ・ジュノ)のもとで働くことになった。






登場人物



キム・ゴヌ(ウ・ドファン)
将来有望なボクサーだったが、母の借金を返すために貸金業の世界へ飛び込む。腕っぷしは強いが、礼儀正しく心優しい青年。

ホン・ウジン(イ・サンイ)
ゴヌとボクシングの試合の決勝戦で戦い負けたものの、ゴヌの人柄に惹かれて親しくなる。お調子者だが、ゴヌの兄貴分として頼りになる存在。昔、闇金で取り立てをしていた経験を活かし、貸金業界に飛び込むゴヌをサポートする。

キム・ミョンギル(パク・ソンウン)
スマイルキャピタルの代表。誰も信じず、血も涙もない冷血漢。自分にとって邪魔になる存在をためらうことなく殺す人物。その昔、チェ社長(ホ・ジュノ)の部下として働いていたが裏切ったことで現在の地位を手に入れた。

チェ社長(ホ・ジュノ)
かつては貸金業界に名を轟かせた人物。病人に無利子で金を貸す情の厚い人物で人望がある。部下だったミョンギルの裏切りにあい、車いす生活を余儀なくされた。

ファン・ヤンギョン(イ・へヨン)
チェ社長の右腕の人物。現在は、日本料理店を営んでいる。

イ・ドゥヨン(リュ・スヨン)
チェ社長の左腕の人物。バイクで身軽に動くことができる。現在は身重の妻と2人暮らし。

チャ・ヒョンジュ(キム・セロン)
チェ社長のことを「おじいちゃん」と呼んでいるが、血はつながっていない。早くに両親を亡くし孤独だったが、チェ社長と出会い、彼のあとを継ぐ者として鍛えられてきた。

ホン・ミンボム(チェ・シウォン)
財閥3世だが、ミョンギルに利用され苦しむことになる。

ミン・ガンヨン(チェ・ヨンジュン)
ミンボムの親戚で、警察官。


ウ・ドファン&イ・サンイ 魅力的なバディが誕生


ドファン&サンイの間に生まれた熱い信頼関係が本作の最大の魅力だ


ドラマ『ザ・キング:永遠の君主』で、見事なアクションシーンをみせたウ・ドファンが、今作では将来有望なボクサー、キム・ゴヌとして華麗な戦いを見せる。

ゴヌはボクサーとして頂点を目指すべく、ストイックなトレーニングを積んでいた。しかしリングを降りると心優しく、他人への思いやりにあふれた青年で、試合後、ボクシングの試合で倒した相手に「大丈夫ですか」と手を差し伸べるほど。その一方で、理不尽なことに対して目を背けることができないまっすぐで熱い性格の持ち主だ。

そんなゴヌを弟分としてかわいがるのが、同じくボクサーのホン・ウジン(イ・サンイ)だ。ボクシング大会の決勝戦でゴヌと戦い負けるのだが、ゴヌの誠実な人柄にひかれ、兄弟のように接するようになる。

この2人のコンビぶりが本当に微笑ましく、本作の希望の光になっているといっていいだろう。「何を大げさな…」と思うかもしれないが、作品全体を通して、次から次へと人が殺され血が飛び散る韓国ノワール作品そのものだから、筆者のように感じる人は少なくないはずだ。ゴヌの敵となるキム・ミョンギル(パク・ソンウン)があまりにもクズすぎて、食傷気味になる中、ゴヌ&ウジンの心温まるやりとりが、束の間のオアシスとなる。

もともと多彩なキャラクターを演じることができるドファンだが、ファイティングポーズをとる瞬間の射るような目つきと同時に、母親やウジンに対して見せる天真爛漫な笑顔にも魅了される。『ザ・キング:永遠の君主』でも全く違うキャラクターを2役演じたが、今回は同じ役で多彩な表情を見せるので、彼の演技力そのものが上がっているといえる。

ウジンを演じるイ・サンイは、キム・ドンウク主演のドラマ『チェックメイト!~正義の番人~』で財閥御曹司として悪役を演じ、ドラマ『海街チャチャチャ』で、シン・ミナが演じるユン・ヘジンの大学の先輩として、ヘジンを静かに優しく見守り支える重要な役を演じた。

この人も演じる役によって表情が全く変わる演技巧者だ。今回はサンイがウジンを演じたからこそドファンの魅力が倍増したといってもいいだろう。チャ・ヒョンジュ(キム・セロン)が「ゴヌとはどのぐらいの付き合いなの?」と質問した時「付き合いの長さは関係ない」ときっぱり言い切る熱い想いがあるウジンは、サンイが演じるのにぴったりだった。特にゴヌの怒りが炸裂して、ミョンギルの手下を殴り殺しそうになってしまった時に「もういいだろう」と静かにゴヌをなだめる時の表情の作り方が素晴らしい。

2人はミョンギルを敵にまわしたことで、大切な人を数多く失ってしまう。しかし2人が共に戦い、最終的に悪を倒すことができたことにホッとする視聴者も多いはずだ。


善人のボスを演じるホ・ジュノ こんな姿を見たかった!



そしてこのドラマのもう一つの見どころは、情に厚く部下から人望があるチェ社長を演じるホ・ジュノだ。

ジュノといえば、ドラマ『なぜ、オ・スジェなのか』で、ソ・ヒョンジンが演じる弁護士、オ・スジェが所属する弁護士事務所の代表を演じたことが記憶に新しい。彼がこのドラマで演じたのは、果てなき欲望にかられる成り上がりの弁護士。最後まで残念なキャラクターとして存在感を示したが、長年彼を見てきたファンは「そろそろ善人を演じるホ・ジュノが見たい!!」とストレスをためていたのではないだろうか。

今回演じたチェ社長は、そんなファンの声に応えたような役で、ゴヌとウジンにとって大きな影響を与える人物となった。

チェ社長は、ミョンギルの裏切りでビルから突き落とされ車いす生活となるため、物語の大部分は車いすで登場するが、回想シーンで、見事なアクションシーンをみせているところが大きな見どころだ。還暦近い大ベテランのジュノがここまでのアクションを演じてくれるとは…と筆者はかなり驚いたし感動した。もちろん様になっているし、かっこいいことは言うまでもない。

ミョンギルに騙され、多額の借金を背負い四面楚歌だったゴヌの母親とゴヌを助けたのがチェ社長だ。チェ社長をおじいちゃんと慕うヒョンジュの用心棒としてゴヌは雇われることになり、その時、チェ社長は給料の前払いとしてゴヌの抱える借金の全額を現金で渡す。

そのお金を抱きしめ、ゴヌは安堵して大号泣するのだが、この瞬間ゴヌは何があってもチェ社長の力になろうと誓ったはずだ。

しかしチェ社長は、長年やりたい放題のミョンギルを潰すと決心したとき、ゴヌを巻き込むことをためらい「十分仕事をしてくれたから、ここで手を引いて母親と2人済州島で静かに暮らすように」と忠告する。そんな情が厚く男気のあるチェ社長に視聴者は深く共感するだろう。

最終的にチェ社長の身に起こる出来事は、つらく悲しいものだ。しかしすべてにおいてハッピーエンドではない終わりだったからこそ、この物語の中でジュノの存在が光ったし、物語が締まったといえる気がする。


パク・ソンウン、『愛の不時着』で見せた陽気な姿はどこへ…



ゴヌとウジンの敵となるキム・ミョンギルを演じるパク・ソンウンが、この作品でとんでもないクズ人間を演じた。

ソンウンは遅咲きの俳優として知られるが、最近では『愛の不時着』で、北朝鮮のタクシードライバーを演じインパクトを与えた。ヒョンビンの婚約者を演じたソ・ジヘが乗ったタクシーのドライバーで、陽気に歌を歌う姿に思わず笑ってしまった人もいるのではないだろうか。

今作では、このタクシードライバーの面影は微塵もない。お金と地位を手に入れるためならどんなえげつないことでもやり遂げる血も涙もない人物を演じている。

闇の世界のボスというのは、簡単にキレたりしないものだが、ミョンギルの短気ぶりは目に余る。少しでも自分を侮辱した相手は二度と立ち上がれないようにボコボコにし、容赦ない。そして「常に否定的に考えろ」が口癖のミョンギルは、誰のことも信じていないから、怪しい素振りがあった人物はすぐに殺してしまう。

悪役のボスは、時に魅力的なキャラクターに見えてしまうことがあるが、ミョンギルに限っては1ミリも魅力は感じられないし、共感できない。逆にいうと、ここまで悪い人物を演じ切るソンウンの演技力は見事だということだろう。最終的に追い詰められて、韓国を脱出しようとするミョンギルだが、ゴヌとウジンに捉えられてしまう。悪の限りを尽くしてきたミョンギルの最後が悲惨なものになってよかったと胸をなでおろした。


ゴヌとウジンにとっては、ハッピーエンドになったといえる本作。最近はシーズン2をにおわせて終わるドラマが多い中、今回はその気配はなかった。

しかしチャ・ヒョンジュを演じるキム・セロンが途中降板し、脚本の変更を余儀なくされた残念な部分があったし、何よりゴヌとウジンのバディに魅力を感じ、もう一度彼らが暴れるところを見たいと思っている人はきっといるはず。またどこかで2人に会えることを期待したい。

Netflixシリーズ「ブラッドハウンド」独占配信中

■筆者プロフィール

咲田真菜

舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中
《咲田真菜》
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