無人レジ、無人ストアが増えていく?店頭に食い込むAI・センサーの先端技術 2ページ目 | RBB TODAY
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無人レジ、無人ストアが増えていく?店頭に食い込むAI・センサーの先端技術

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商品をピックアップすると、ユーザーが購入を検討しているアイテムとしてカゴに追加される。商品を取ろうとして棚に戻した時など、買い物の時ならではの行動パターンもNECのシステムは解析できるという
  • 商品をピックアップすると、ユーザーが購入を検討しているアイテムとしてカゴに追加される。商品を取ろうとして棚に戻した時など、買い物の時ならではの行動パターンもNECのシステムは解析できるという
  • NECは最先端を行く顔認証システム「NeoFace」を使った店舗自動化のコンセプトを展示した
  • ユーザーの顔データを登録する
  • 店舗の入口に設置されたカメラセンサーを想定。ユーザーの顔を認識してリストが作成される
  • 棚にはユーザーの目線の位置当たりに顔認識用のカメラを搭載。トップの左右は棚から取りだした商品を認識するためのカメラ。それぞれのカメラをユーザーに意識させた方が良いのか、あるいはプライバシーを気にする向きを優先してカメラを隠した方が良いのかは運用後にも意見が分かれそうだ
  • オススメの商品をスマートスピーカーに訊ねると教えてくれるサービスも開発中
  • ユーザーごとの買い物のデータを解析するツールも提供する
  • 店舗自動化システムの展示を担当するNECの山崎晋哉氏

富士通は「手のひら静脈データ」を決済に活用


 富士通フロンテックはNECと同じ生体認証技術をリテールテックの会場で紹介していた。同社では顔情報とハイブリッドで「手のひらの静脈」も特殊なスキャナーで読み込んでユーザー認証に活用するマルチモーダル認証の技術を確立している。

富士通は顔認証と手のひらの静脈データを掛け合わせた生体認証技術を開発
富士通は顔認証と手のひらの静脈データを掛け合わせた生体認証技術を開発


 手のひら静脈認証の技術自体は従来からあるものだが、これまでは専用の端末で生年月日など補助データとなる“絞り込みキー”を手入力で打ち込む必要があった。この代わりにカメラによる顔画像認証を組み合わせることによって、よりスムーズな決済利用などが可能になる。

手のひらをかざして決済するゲート型精算システム
手のひらをかざして決済するゲート型精算システム


 ブースでは店舗での導入を想定して、マルチモーダル認証によりクラウド上のユーザーIDに電子マネーをチャージしたり、購入商品の決済を可能にするソリューションが紹介されていた。顔認証のケースと同様に、端末に手をかざすだけという購買スタイルは体験するととても便利で先鋭的なものに感じられるが、多くのユーザーが馴染むまでに時間もかかりそうだ。金銭のやり取りが発生するショッピングとはまた別のユースケースから、手のひら静脈認証の普及拡大を図る必要もあるだろう。

AI画像認識エンジンやドローンを使って実棚状況をデータ化


 サイバーリンクスはAI(人工知能)による画像認識技術を活かして、店頭陳列のデータ管理を効率化するソフトウェアのツール「棚SCAN-AI」を今春以降に発売予定だ。

サイバーリンクスが商品化を進める「棚SCAN-AI」
サイバーリンクスが商品化を進める「棚SCAN-AI」


 棚SCAN-AIでは最初に多数の商品が並ぶ棚をスマホのカメラなどで撮影。先にデータベース化を済ませてクラウドに上がっている商品画像と、NTTドコモが開発したAI画像認識エンジンを使ってマッチアップさせて、売り場の陳列状況やアイテムの売れ行き情報を導き出すというものだ。

商品棚をスキャンして商品を把握。販売状況のモニタリングにも最適
商品棚をスキャンして商品を把握。販売状況のモニタリングにも最適


 認識された結果を、同じくサイバーリンクスが開発する店舗のレイアウト作成支援のためのツール「床POWER」や、棚割管理のツール「店POWER」などのPC用アプリケーションに連動させると、シェア実績の把握や今後の需要予測に効果が得られる。

店舗の棚・商品配置のレイアウト用アプリケーション「床POWER」
店舗の棚・商品配置のレイアウト用アプリケーション「床POWER」


 同社では棚SCAN-AIを画像認識用ツールとしてだけでなく、商品画像をキャプチャしてデータベースを構築するところや、そのデータの管理も含めた総合的なサービスを提供できることも強みとして打ち出していく考えだ。

 棚に貼り付けてある値札と、実際の商品の販売価格のズレをチェックできるセミオートのソリューションも鋭意開発中だ。現在検討している仕組みは、ドローンに搭載したカメラで棚の値札を撮影して、クラウド上の商品データベースと照合した結果、価格に差があるものについてはタブレットなどデバイスの画面にアラートを表示して差分を素速く把握できるというものだ。

サイバーリンクスの成宮功氏
店舗の棚・商品配置のレイアウト用アプリケーション「床POWER」


商品価格と棚の値札にズレがあった場合はエラーを表示してくれる
商品価格と棚の値札にズレがあった場合はエラーを表示してくれる


 同社の成宮功氏は、ドローンに限らず自走ロボットによるシステム構築も可能だが、ドローンの方が導入コストを格段に安く抑えられるのがメリットであると説く。飛行しながら撮影するドローンで問題なく画像認識ができれば、自走ロボットや定点カメラなどその他の方法にも問題なく転用できると見込んでいる。今回参考展示として発表された当技術については、まだドローンの操縦がマニュアルであることなど課題は残されているが、小売店舗から倉庫にまで対象範囲を広げながら最適なユースケースを探っていくという。

※ベンツが展示したデジタルヒューマンが超リアル
《山本 敦》
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