20万円以下で賃貸住宅のIoT化……サービス業のIT利用最前線 | RBB TODAY

20万円以下で賃貸住宅のIoT化……サービス業のIT利用最前線

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タブレットから家電も操作可能。テレビのオン/オフ、音量、チャンネルも操作できる
  • タブレットから家電も操作可能。テレビのオン/オフ、音量、チャンネルも操作できる
  • ウインドウセキュリティ。窓の開閉だけでなく、揺れも感知できるため、侵入を未然に阻止できる
  • 外出時に窓が開いた場合、スマホに通知を送ることも可能
  • 室内の内装(イメージ)。とくIoT機器や配線が目立つこともない
  • 室内の内装(イメージ)
  • 内覧会が開催されたアパートの外観
  • 賃貸住宅キットの内容
 インバウンド需要の拡大、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックといった要因から、「おもてなし」がキーワードとして注目されている。さらに、IT/IoTを活用した「おもてなし2.0」とでもいうべきサービスや製品が、飲食業・旅行業・物販業の領域で、多数登場しつつある。本記事はそうした最新事例を紹介し、自社での導入の参考とする内容だ。

 今回は、株式会社インベスターズクラウド、およびその子会社である株式会社ロボットホームに焦点を当てる。インベスターズクラウドは2006年に創業。現在は、不動産業の領域にITを導入する、いわゆる「リアルエステートテック」を中心に手掛けている企業だ。アパート経営のためのアプリ「TATERU」、不動産投資型クラウドファンディング「TATERU FUNDING」、リノベーションを含めた中古マンションの売買マッチングサービス「スマリノ」などをこれまでに開発・運営している。

 そして子会社のロボットホーム(旧名:iApartment)を2016年4月に設立。IoTに注力したサービス開発を進めてきた。そして今回、賃貸住宅を手軽にIoT化し、居住者に提供可能にする「賃貸住宅キット」の販売およびOEM提供を開始した。

 ロボットホームの「賃貸住宅キット」は、開閉・揺れを感知できるウインドウセキュリティ、外出先でも受話応答が可能なドアホン、多彩な方法で解錠できるスマートロックなどで、賃貸住宅のIoT化を推進するサービスだ。タブレットをセントラルコントローラーとして活用することで、これらのIoT機器を操作・管理できる。IR(赤外線通信)を活用したネイチャーセンサーリモートコントローラーで家の環境状態を取得し、エアコン、TV、空気清浄機など、家電を操作することも可能だ。アプリを登録すれば、タブレットだけでなく、自前のスマートフォンから機器を操作することもできる。今回、ロボットホームの吉村直也氏に話を聞いた。

■賃貸住宅キットで、IoT化された生活を簡易に提供

「賃貸住宅キット」は、基本的に不動産オーナー向けのサービスだ。物件をIoT対応化することで付加価値を高め、実際の居住者に利便性を提供する。セントラルコントローラーとなるタブレット型ゲートウェイ、ウインドウセキュリティ、ネイチャーセンサーリモートコントローラー、スマートライト、スマートロックおよびシステムが基本セットで、導入費用は17.5万円。ドアホンはオプション(別途費用)で設置可能だ。

「賃貸住宅キット」を導入することで、タブレットやスマートフォンを通じて、

 ・窓の開閉・揺れの感知
 ・室内の温度・湿度などの把握
 ・空調の操作
 ・照明の操作
 ・スマホ/番号入力/カード(NFC)/実鍵による解錠・施錠
 ・外出先から来訪者をカメラ確認し、応答できるドアホン

などが可能になる。

 タブレットにはチャットコミュニケーション機能(ロボットコンシェルジュ)も用意されており、これを通じて居住者←→オーナー・管理会社の連絡も可能。たとえば、水回りのトラブルを管理会社に相談したり、入退居時の連絡やチェックを行ったりすることもできる。カレンダーにより、ゴミの日の自動通知なども可能だ。



■2018年12月までに10,000室を供給

「賃貸住宅キット」を導入した第1号物件として内覧会で公開された1Kアパートは、全6室。そのうち1室がIoT化されており、それを公開した形だ。すでに他企業から導入問い合わせを受けており、各社へOEM提供を計画中。すでに株式会社デュアルタップの自社ブランドマンション「XEBEC(ジーベック)」シリーズへの導入が決まっているという。2017年10月頃より本格提供を開始し、「2018年12月までに、10,000室の供給を目指します」(吉村氏)とのこと。

 基本的な販売ルートとしては、インベスターズクラウドがロボットホームよりOEM提供を受け、「TATERU kit」として「TATERU」での提供を行う。さらにロボットホームが、賃貸住宅メーカーや賃貸管理会社へのOEM提供も行う方針だ。

 価格を賃料に反映するかなどはオーナーの判断次第で、とくに条件などは設けられていない。今回の物件でも、とくに“IoT化物件価格”のようなものは上乗せされていないという。「こうした、IoTを導入済みの賃貸物件は、今後増加していくと思います。“IoT対応の物件だから、特別に賃料が高い”といったこともなく、ごく当たり前の物件になるのではないでしょうか? そう判断するオーナー様も多いかもしれません」(吉村氏)と考えているという。なおオーナーは、空室状況・内見状況の把握、空室時のセキュリティ対策として活用することもできる。そういった観点から、前向きに検討するオーナーも多いだろう。

■居住者・オーナー双方にメリットを生むためのIoT

 冒頭にも述べたように、飲食業・旅行業・物販業の領域では、IT/IoTの導入が大きく増加している。その背景には、インバウンド(訪日客)をターゲットにした「IT/IoTによるおもてなし」があるわけだが、IoTそのものは、日常生活を便利にしてくれるものでもある。不動産業もそれに含まれる。

 こうした動向も踏まえたうえで、吉村氏に「賃貸住宅キット」そして「IT/IoTによるおもてなし」というテーマについて質問すると、「より快適に暮らしていただくことが、もっとも重要です」との回答を得た。「ただ技術を導入するだけでなく、それが快適な暮らしにつながり、居住者様・オーナー様双方にメリットが生まれる。そこに意味があると思います」と、不動産市場ならではのIT/IoT活用の意義を結論づけた。

サービス業のIT利用最前線!9 20万円以下で賃貸住宅のIoT化/ロボットホーム

《冨岡晶/HANJO HANJO編集部》

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