“共生”を考慮した列車とシカの衝突事故対策「ユクリッド」 | RBB TODAY

“共生”を考慮した列車とシカの衝突事故対策「ユクリッド」

 近年、高齢化や後継者不足によるハンター減少などもあり、野生動物による様々な被害の増加が問題となっている。

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シカ対策システム「ユクリッド」の導入イメージ。鉄道より低い側からの侵入は「ユカエル」で防ぎ、高い側からの侵入は「ユクル」でコントロールする(撮影:防犯システム取材班)
  • シカ対策システム「ユクリッド」の導入イメージ。鉄道より低い側からの侵入は「ユカエル」で防ぎ、高い側からの侵入は「ユクル」でコントロールする(撮影:防犯システム取材班)
  • 侵入抑止柵「ユカエル」は斜めに、線路の盛土に対して垂直になるよう設置する。こうすることで線路に侵入しにくく、逆に線路側からの脱出は容易になる(撮影:防犯システム取材班)
  • 誘鹿材「ユクル」にはシカや環境にダメージを与える成分は含まれておらず、安全に使用できる。ワナと組み合わせてシカの捕獲にも活用できる(撮影:防犯システム取材班)
 近年、高齢化や後継者不足によるハンター減少などもあり、野生動物による様々な被害の増加が問題となっている。

 そうした問題の中で、主に鉄道事業者を悩ませているのが、鉄道とシカの衝突事故(衝撃事故)だ。そこで考案されたのが、8日から10日まで東京ビッグサイトで開催された「エコプロ2016」にて、日鐵住金建材が出展したシカ対策システム「ユクリッド」となる。

 そもそも「ユクリッド」は侵入抑止柵「ユカエル」と誘鹿材「ユクル」を組み合わせることで、シカによる各種被害を低減するシステム。

 侵入抑止柵「ユカエル」に関しては、盛土の斜面に対して垂直に設置することで、外から線路側への侵入が難しく、万一線路側に侵入した際には脱出が容易な構造の柵となる。一般的な背の高い柵などの場合、仮に線路側に侵入されると、シカが上手く逃げることができず、結果的に列車と衝突してしまったのだという。

 実際に線路周辺に設置し、1年間の評価を行ったところ、侵入件数は171件から4件に減少し、シカと列車の衝突件数は3件から0件になったそうだ。

 また、同社の独自調査の結果、シカが鉄道に侵入するのは「鉄道の鉄分を求めて入り込む」ことが理由だと発見。そこで鉄分による誘因作用でシカを寄せ付ける誘鹿材「ユクル」を開発。

 半径20mに設置した結果、最大で7時間の足止め効果を発揮した。さらに各種ワナと「ユクル」を組み合わせることでシカの捕獲に活用することも可能だ。

 同システムはシカを駆除するのではなく、シカの行動経路をコントロールして被害を低減する点が特徴となっている。言い換えるなら、野生動物との“共生”を考えたシステムといえる。
《防犯システム取材班/鷹野弘》

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