いわゆる「点字ブロック」(視覚障害者誘導用ブロック)は、視覚障害を持つ方々が外出する際になくてはならない社会インフラの1つといえる。 そんな点字ブロックをもっと便利に、より多くの人に活用してもらおうというコンセプトで生まれたのが、太平洋プレコン工業とエル・エス・アイ ジャパン、認定NPO法人ことばの道案内が共同開発した「情報ブロック ことばの道案内ブロック」だ。 今回、東京ビッグサイトで開催されていた「中小企業 新ものづくり・新サービス展」でデモ展示されていたので紹介していこう。 同製品は、基本的には一般的な点字ブロックと同じ形状と役割を果たすが、ソーラーパネルとICタグを搭載しており、専用端末やスマートフォンなどを近づけると、Ucodeを活用した音声による道案内をしてもらえるのが特徴となる。 イメージとしては、非接触ICカードを使った自動改札の原理と似ていて、同製品に搭載されたICタグの検知エリアに受信端末が入ると、情報を発信する。検知エリアの範囲としては、同製品を中心とした半径1.5~2mとなっている。 これまでは点字ブロックだけが頼りだった視覚障害を持つ方々も、音声による案内も加わることで、より分かりやすい誘導を受けることができる。 また、視覚障害を持つ方々だけでなく、訪日外国人客に対する道案内や観光情報の提供などへの応用も可能とのこと。 施工に際しては、電源不要で運用できるため、既存の点字ブロックの一部を引き抜き、同製品を代わりに埋め込むだけで完了する。 ソーラーパネルを搭載する部分に関しては、シリコーンパッキンを採用し、IP68に適合してホコリや水の侵入にも耐える。また、点字突起の形状や寸法に関しても、既存の点字ブロックと同様にJIS T9251に準拠している。 ちなみに約3年ほど前から、豊島区の椎名町駅(西武池袋線)周辺で導入されており、今後は、より広く普及させるべく、自治体や公共機関などに提案を行っているという。