トラブルを解決せよ! 全国の学生が集う「第4回 ICTトラブルシューティングコンテスト」が開催 2ページ目 | RBB TODAY

トラブルを解決せよ! 全国の学生が集う「第4回 ICTトラブルシューティングコンテスト」が開催

 8月29日と30日の両日、新宿区の工学院大学で「DMM.com Labo ツチノコ杯 第4回 ICTトラブルシューティングコンテスト」が開催された。

ブロードバンド セキュリティ
TSJ賞を受賞したハノイ工科大学の皆さん。僅か5点の差で最優秀賞を逃した
  • TSJ賞を受賞したハノイ工科大学の皆さん。僅か5点の差で最優秀賞を逃した
  • 「DMM.com Labo ツチノコ杯 第4回 ICTトラブルシューティングコンテスト」の模様。写真はハノイ工科大学チーム
  • ICTSC実行委員会 会長(テコラス)の伊勢氏幸一氏
  • 本大会を支えるNOC(Network Operation Center)の運営スタッフ。ネットワークインフラを管理しながら、競技者を見守る
  • テコラスが提供していたOCP準拠のサーバラック。移動式ラック型データセンタとして利用できる優れモノだ
  • 何かインシデントが発生したときに、赤いパイロットランプが作動し、アラートを投げる仕組みになっていた
  • こちらは工学院大学のネットワークインフラの一部。今回はアップリンク用として利用しているという
  • コンテスト全体インフラのネットワークトポロジー(概要のみ)
■突如として、ハッカーから犯行予告が。絶体絶命、どう対処する?

 そのような状況のなかで、ハノイ工科大学の精鋭チーム5人は、これら2つのトラブルに対して、集中して冷静に問題解決にあたっていた。ネットワークコマンドを駆使しながら、ネットワークの接続状況を調べたり、サーバのプロセスを確認しながら、障害の切り分けを行っていた。

 ただし、若干のハンディキャップはあったようだ。今回は、ベトナムチームのほかにカンボジアチームも出場しており、英語でも問題が出題されていた。とはいえ、やはり母国語のほうが便利な面もある。運営スタッフが細かい注意点などを指示する際に、ハノイ工科大学チームを招聘したオルトプラスのスタッフが同時通訳しながら、メンバーをサポートしていた。

 参加者全員が真剣にトラブル解決をしている最中に、突如として運営スタッフから競技者に「犯行予告が来ました」とアナウンスが伝えられた。「これからハッカーがサーバを乗っ取るかもしれないので注意しろ」というのだ。

 本来ならば、ルータに正常な経路情報だけが流れるはずだが、ここではパスワードが脆弱なルータに悪意のあるルータが接続され、同コスト・同メトリックでマスク数が長い同じ経路情報が流されたのだ。

 そのためロンゲストマッチに従って、パケットはマスクの長い経路に流れることになってしまった。この犯行を回避するには、悪意のあるルータが接続されたポートをShutdownし、正常な経路情報に戻す必要があった。

 このように、運営側もあの手この手で問題を工夫し、意地悪なトラブルを引き起こしていた。同コンテストは、競技者同士の戦いというより、むしろ運営側と競技者の戦いであるようにも感じた。ハノイ工科大学チームは、終了間際まで諦めずにトラブルシューティングを行い、他チームが解けなかった難問を解いていたのが印象的だった。

■結果発表! ハノイ工科大学チームの結果はいかに?

 すべての競技が終了し、いよいよ結果が発表された。果たしてハノイ工科大学チームは入賞できたのだろうか? 気になる結果は以下のとおりだ。

・最優秀賞 日本工学院八王子専門学校
・優秀賞 関西大学大学院
・TSJ賞 ハノイ工科大学

 今回のコンテストでは上位3チームが僅差の状態。実は最優秀賞と優秀賞は同点で、回答時間などから最終的に日本工学院八王子専門学校に決定したとのこと。ハノイ工科大学が受賞したTSJ賞は、海外チームのうち優秀な成績を収めたチームに授与されるものだ。

 TSJ賞を受賞したハノイ工科大学チームは、合計得点も5点差で第3位だった。初出場ながら実質上は第2位という快挙をなし遂げた。チームのメンバーは入賞を喜びを分かち合うともに、あと一歩で最優勝賞を逃した悔しさを噛みしめながら、来年に向けて決意を新たにしていた。なおチームのメンバーのインタビューや、チームを招聘したオルトプラスにもインタビューを行ったので、別稿にて紹介したい。

 授賞式の後、コンテストについての講評が行われた。「技術者のフルスタックでの対応を、まさに学生が一から実践してくれたコンテストだった。とても感動した」とは、工学院大学の小野諭教授(ICTSC実行委員会 委員長)の弁。

 個人的な印象だが、やはりネットワーク技術やサーバ技術を向上させるという点で、素晴らしいコンテストだと感じだ。学校で習ったことが、すぐに実務に応用できるとは限らない。しかし、このコンテストを通じ、実践でのトラブル対処方法を学ぶことができる。また学生側がすべて運営している点も面白い。運営して、初めて学べることも多いからだ。

 今回、海外チームが初参加したことで、さらに日本の学生も触発され、互いに切磋琢磨して技術を磨いてくれることに期待したい。テコラスの伊勢氏(ICTSC実行委員会 会長)も「今後は国内だけでなく、アジア諸国や環太平洋地域などにも参加を呼びかけ、国際大会に育てたい」と意気込みを語ってくれた。次回のコンテストも大いに楽しみだ。
《井上猛雄》

関連ニュース

特集

page top