株式会社と合同会社の違いって何? | RBB TODAY

株式会社と合同会社の違いって何?

会社には株式会社の他に合同会社、合名会社や取締役会設置会社などの種類があると聞きました。 これらはどのように違うのでしょうか。そのメリット・デメリットを教えてください。

エンタープライズ 企業
会社の形態をどうするか?
  • 会社の形態をどうするか?
  • 植田秀史氏 税理士・中小企業経営革新等支援機関・MBA
今回の回答者:植田秀史 税理士・中小企業経営革新等支援機関・MBA

質問:
 会社の設立を考えていますが、会社には株式会社の他に合同会社、合名会社や取締役会設置会社などの種類があると聞きました。
 これらはどのように違うのでしょうか。そのメリット・デメリットを教えてください。

回答:
 会社の種類は会社法に次の4種類が定められています。

 株式会社
 合同会社
 合名会社
 合資会社

 通常、候補に挙げられるのは株式会社と合同会社で、その中から株式会社を選択して設立することがほとんどです。

 この2つの会社は有限責任会社といいます。有限責任とは、株主は出資したお金の範囲まで責任を取れば良い、という意味です。つまり、資本金として100万円を出資した株主は、事業が失敗した場合に、出資した100万円以上の責任は求められない、という意味です。例えば会社の負債については、取締役や株主が個人の財産から返済する必要はありません。

 これに対して、合名会社、合資会社は、社員(株主のことをこういいます)の責任は無限責任とされています。この場合、会社の負債は、場合によっては社員がすべて責任を負ってこれを返さなくてはいけないことになります。

 合名会社・合資会社は成立の歴史が古く、また、資本金の制度がないことや決算公告の義務がないというメリットもあります。しかし、現在のように資本金が1円でも株式会社を設立できるようになったことや、いわゆる所有(株主)と経営(経営者)の分離が一般的になってきたことから、あえて合名会社・合資会社を選択することは少なくなり、有限責任である株式会社と合同会社のどちらかを選ぶことが通常になっています。

 次に、株式会社と合同会社の違いについて説明します。



 合同会社は株式会社と同じように有限責任ですが、株式会社に比べて法律で求められる規制が少なく、設立費用も少なくて済むというメリットがあります。

 具体的に挙げてみますと、以下のようになります。

・合同会社は株式会社の場合と比べて登記に必要な登録免許税などが安く、数万円程度で設立が可能です。
・株式会社の場合に定款に認証に必要な印鑑証明が、合同会社には必要ないため、外国人や外国法人が発起人として設立する場合には便利です。
・株式会社の場合、役員の任期は最長10年となっており、最低でも10年に1度は登記が必要になりますが、合同会社にはその必要がありません。

 一方、合同会社にはデメリットもあります。それは、株式会社に比べて「合同会社」というものに対する知名度が低いため、信用度が下がってしまう、ということです。また、平成18年の会社法施行以後の導入された会社形態のため、社歴が短いと思われてしまい、それも信用面でマイナスになるようです。

 新しく会社を設立する場合は、上のようなメリット・デメリットを比較して考えますが、あえて合同会社を設立する特別な理由がなければ、株式会社とするのがよいでしょう。

 株式会社の場合、取締役会を設置するかしないか、という判断が必要になります。取締役会というのは、株式会社に認められる会社の機関で、取締役会を設置した会社を取締役会設置会社といいます。取締役会設置会社は、株主が出資したお金を取締役会に委ね、取締役会が行った事業の内容を監査役がチェックする、という仕組みを持ちます。取締役会は最低3人の取締役で構成され、他に監査役1名が必要なので、最低4名で構成されることになります。そのため、起業したばかりの会社にはハードルが高くなっています。

 取締役会を置かない株式会社も作ることができます。この形態を取締役会非設置会社といい、もっともシンプルなのは株主総会に取締役1名、という形です。創業直後の場合にはこの形態が最も多いと思われます。取締役会は経営に監査の仕組みを持たせたい場合に使う制度ですが、会社法では、その会社の株式について譲渡制限がついていない株式を一株でも発行する場合には、取締役会設置会社にしなければならないという規定になっています。

 株式の譲渡制限とは、その会社の株式を誰かに譲渡したいと思ったとき、取締役や株主総会の許可がないと譲渡できないという制限のことで、定款に定めを置くことができます。株式が取締役の知らないところで譲渡されると、経営に不安定要素が出てくる場合があるので、株式の譲渡制限を設けるのが一般的になっています。しかし、もし何らかの理由で株式の譲渡制限を設けたくないという場合には、取締役会は必ず設置しなければなりません。

 なお、取締役会は株式会社の場合に認められる機関で、合同会社、合名会社、合資会社にはこのような制度はありません。これらの会社は持ち株会社といい、株主と経営者が一体であるとされています。したがって、株主が経営者を監査する必要がないのです。


<回答者のプロフィール>
植田秀史
国税職員として約20年し、税務調査等の法人課税業務に従事。しかし40年続いた実家のケーキ店が諸事情より廃業したことをきっかけに中小零細企業や個人事業者の支援を志すようになり、税理士試験を経て独立起業、現在は東京都江戸川区にて税理士事務所を経営している。
2009年MBA(経営管理修士)取得。2013年中小企業経営革新等支援機関認定。趣味はスイーツ・カレー・映画。


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【解決! 社長の悩み相談センター】第9回:株式会社と合同会社の違いって何?

《植田秀史》

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