「まず最初に我々もビジネスでしているので、収益性は十分に検討した上での価格設定ですのでご心配には及びません(笑)。確かにもう少し高い価格設定で販売することも考えましたが、よりたくさんの人たちに届けることを考えたら妥当な価格設定だと考えます。また、月額利用料などを頂かないのは、我々が『自分の家の映像を見るのになぜお金を払わなければならいのか?』という基本的な考えを持っているからです」●大切な家族の映像だからこそ自分で管理する-日本の監視カメラのトレンドとして、クラウドへの映像保存が注目されていますが、「Welcome」は、SDカードへの保存ですね。今後、クラウド保存という方向性は検討されているのでしょうか?「答えはノーです。我々は、意識的にクラウド保存という選択肢を選ばなかったからです。ホームセキュリティ用のカメラは、家族との親密かつプライベートな時間を高画質で映し出すもの。そうした映像を第三者であるクラウドサービスに預けるということには、大きな抵抗を感じるからです。また、サイバー攻撃などによるプライバシーの流出の可能性も捨て切れません。そのため、我々はカメラ本体で映像の保存を完結できるSDカードを選択しました」-今後の日本での展開を教えて下さい。「9月にWelcomeと連動する“Welcomeタグ”という製品の投入を予定しています。このタグは、ジャイロセンサーと加速度計を搭載したもので、バイクやパソコン、絵画など、自宅にある大切なものが盗難されないように見守るための製品となります。もちろん物だけでなく、ドアや窓に設置すれば、開閉時や破壊されたことを通知できるセンサーとしても活用可能です。また、2016年1月にラスベガスで開催される“CES”では新たなセキュリティ製品の発表も予定しているので、楽しみにしていて下さい」 家族や財産、家を守るといった基本的なセキュリティ思想は共通するものの、随所で日本とは異なる価値観を示してくれたブロードウェイ氏。「顔認識技術を家庭用カメラに持ち込んだことで、日本のホームセキュリティを新たなステージに引き上げたい」と力強く宣言し、インタビューは終了の時間となった。