【地域防犯の取り組み】ジョギングと防犯パトロールを組み合わせた「ジョグパト」……つくば市 | RBB TODAY
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【地域防犯の取り組み】ジョギングと防犯パトロールを組み合わせた「ジョグパト」……つくば市

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つくば市のWebサイトによれば、中断しているジョグパト隊の受付は近日再開予定。社会実験は終了したがつくば市の事業として取り組みが継続されることが決定している(画像はつくば市Webサイトより)
  • つくば市のWebサイトによれば、中断しているジョグパト隊の受付は近日再開予定。社会実験は終了したがつくば市の事業として取り組みが継続されることが決定している(画像はつくば市Webサイトより)
  • 茨城県警のWebサイトで公開された「つくば市ジョギングパトロール社会実験」の実施結果。アンケートではジョグパトの「やりがい」や「楽しさ」を示す回答結果が出た(画像は茨城県Webサイトより
  • 社会実験の時に使われた防犯ビブスに対しては、夜間利用に備えた反射材をつけて欲しい、上着の上から着用することを想定した大きめのサイズが欲しいという意見も寄せられた(画像は茨城県Webサイトより)
  • 参考資料としてまとめられていた「従来型のパトロールとジョグパトとの比較」。従来型とは明確な違いがあるので2つを組み合わせていくことでより防犯効果が期待できるだろう(画像は茨城県Webサイトより)
 2014年9月から社会実験として、茨城県つくば市で行われていた「ジョギングパトロール」(ジョグパト)。防犯パトロールとジョギングを組み合わせることで、気軽に地域防犯の取り組みに参加しようというものだ。その社会実験が、3月31日をもって終了し、参加者から集めたアンケートを元にした実験結果が、17日に茨城県警のWebサイトで公開された。

 この社会実験は、現・東京大学准教授の樋野公宏工学博士が筑波大学連携大学院の准教授時代に提唱し、茨城県警とつくば市が主催。つくば市内で定期的にジョギングやウォーキング、犬の散歩などを行っている18歳以上を対象に募集し、参加者には防犯ビブスを貸出して「ジョグパト」を行ってもらうというもの。

 活動は、グループではなく、個人で行い、好きな時間、好きな場所を防犯ビブス(青とオレンジの2色)を着て、パトロールを兼ねたジョギングやウォーキングするというもの。

 実験結果を見ていくと、参加者は全部で281名でアンケート回答者は136名。男女比は、2:1で、小学生の親世代である30~40代の男性が多く、次いで50代、70代以上の女性が多かったという。参加者の54%は「防犯に対する意識が高まった」という問いに「そう思う」と回答し、「社会実験は終わってもジョグパトは続けたい」という問いには64%の人が「そう思う」と回答している(「ややそう思う」も含めれば8割以上の人がポジティブな回答)。自身の健康のためのジョギングやウォーキングが地域防犯に役立てることができるという“やりがい”を挙げる意見もみられた。

 一方で、自由回答の項目には、「参加者が一堂に集まってパトロールする日があると良い」や「近所の参加者を知りたい」など、個人単位での活動する「ジョグパト」の運営面での改善点も上げられていた。また、つくば市内にある4つの小学校に「ジョグパト」に対する認知度を確認すると、「取り組みを知っている」という設問には10%程度の回答に止まり、認知度の低さも明らかになっている。

 なお、本取り組みは、社会実験としては終了したが、つくば市の事業として継続して活動されるという。昨今では、自治会や町内会などの防犯パトロールへの参加者高齢化と、参加者不足が全国的に課題となっているが、「ジョグパト」のような気軽さと習慣性を持たせることができる取り組みは、課題解決の1案として注目される。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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