「カスタマージャーニー」とは? マーケターに話題 | RBB TODAY

「カスタマージャーニー」とは? マーケターに話題

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「カスタマージャーニー」に関する理解度
  • 「カスタマージャーニー」に関する理解度
  • 「カスタマージャーニー」を知ったきっかけ
  • 「カスタマージャーニー」の考え方が、企業で役立つシーン
  • 顧客満足度の向上のために、企業が意識するべきだと思うこと
  • 「カスタマージャーニー」とは? マーケターに話題
  • 英国・SKYTRAX 社の「エアライン・スター・ランキング」の「5 スター」を3 年連続で受賞
  • 全日本空輸 CS&プロダクト・サービス室の長尾若氏
 「カスタマージャーニー」というマーケティング用語が、近年注目を浴びつつある。その言葉の通り、カスタマー(顧客)が商品を検討・購入・体験する過程を、心理的な変化まで含めて「“旅”=“ジャーニー”」にたとえるという考え方だ。

■「カスタマージャーニー」による顧客満足度の向上に期待大

 商品やサービス、ブランドなどの顧客との接点を分析する手法だが、2014年頃より、マーケターの間で急速に注目を集めているという。トレンド総研は今回、「カスタマージャーニー」について調査。経営コンサルタントの竹内幸次氏にインタビューするとともに、「カスタマージャーニー」というワードを「見たり、聞いたりしたことがある」会社員500名を対象にアンケート調査を実施した。さらに、「カスタマージャーニー」の考え方を採り入れている具体例として、全日本空輸(CS&プロダクト・サービス室の長尾若氏)への取材も行った。

 まず、経営コンサルタントの竹内幸次氏は、「カスタマージャーニー」は「カスタマーエクスペリエンス」を分析するマーケティング手法であり、顧客を知るため、顧客をいくつかのパターンに分けて分析していくが、「“ジャーニー(journey)”という英単語は、“旅”のなかでも、『比較的長期間の、目的や計画に縛られない気ままな旅』というニュアンスを含みます。トリップ(trip)でも、トラベル(travel)でもありません」と指摘している。“顧客の気ままな行動を柔軟に捉えて分析を行うことで、本質的な理解を行うこと”が重要なのだという。

 また、「競合企業の取り組み」から「その日の天気」まで、さまざまな事象に顧客の行動や心理状態が影響されるため、「ビッグデータ」技術により、その莫大なデータ量の取り扱いが可能になり、「カスタマージャーニー」への興味の高まりを後押ししたと分析している。同様に、パーソナルなデバイスである「スマートフォン」を通して得られる情報もポイントとなっているとのこと。こうして収集した情報を使い、多様な顧客を的確にとらえることで、「カスタマージャーニー」の重要性は今後も増大していく見込みだ。

 一方、実際に企業で働いている人たちに「カスタマージャーニーに関する意識・実態調査」を実施。25歳~59歳の会社員500名から回答を得た(調査期間:3月18日~23日)。「カスタマージャーニーという言葉を聞いたことがある」人のうち、「カスタマージャーニーの意味を理解している」という人は45%。これら45%に、「カスタマージャーニーに関する情報を、どこで見ましたか?」と複数回答形式で聞くと、「Webニュース」が最多で41%。以下、「雑誌」34%、「新聞」28%、「テレビ」27%が続くなど、幅広いメディアが取り上げている。「取引先の人との話」13%、「同僚との話」13%なども回答に上がっている。

 続いて「カスタマージャーニーの考え方は、企業のどんなシーンで役立つと思いますか?」と聞くと、「顧客満足度の向上」が最多で69%。次いで、「自社サービスの課題発見」「サービス改善のヒントの発見」が57%で、同率2位だった。そこで「顧客満足度の向上のために、企業が意識するべきだと思うこと」を聞くと、「顧客ニーズの把握」76%が最多だった。こうした結果からも、「顧客満足度の向上」において、「カスタマージャーニー」への期待が高いことがわかる。

■「カスタマージャーニー」におけるANA「2つの視点」

 具体的な先進企業として採り上げられている全日本空輸(ANA)は、航空業界における調査・格付けを行う英国・SKYTRAX社の「エアライン・スター・ランキング」において、最高評価となる「5スター」を獲得したばかり(2013年より3年連続)。全世界の航空会社200社以上が調査対象では、2015年3月時点で「5スター」を獲得した航空会社は7社のみ。日本国内では、ANAのみとなっている。これについて同社の長尾若氏は、「サービス品質の向上については、ANAグループ全体で常にお客様志向を徹底しています。そのなかで、『カスタマージャーニー』の考え方も、もちろん重要視しています」とコメント。

 具体的には、大きく2つの視点でサービス品質の向上に活用しているという。「1点目に意識しているのは、サービスを通じたすべての過程においてクオリティを追求するということです。『カスタマージャーニー』の考え方の通り、私たちがお客様にご提供するサービスは、飛行機に搭乗している間の時間だけではありません。搭乗前の時間『プリトラベル』や、飛行機が到着した後の『ポストトラベル』の時間も、お客様にとって大切な時間です」とし、サービスに問題点がないか、徹底的に調べていることを明かしている。

 さらに「2点目には、『カスタマージャーニー』の考え方として、搭乗されるお客様の一人ひとりにストーリーがあるということを意識しています。楽しい旅もあれば、悲しい旅もあります。それぞれのシチュエーションに合わせられなければ、本当に良いサービスをご提供することはできません。現場のスタッフ一人ひとりが、お客様に合わせたサービスをご提供するように心掛けています」と、顧客ごとに最適なサービス提供を心掛けているとした。

 「5スター」の獲得後も、ANAでは、さまざまなサービスの改善を実施。たとえば、機内食をプロデュースするコノシュアーズに、新たに4名のシェフ・料理人をメンバーに迎え、機内食のメニュー開発をさらに進化させているという。海外8都市16路線で著名ホテルとコラボレーションし、海外発日本行の機内食のクオリティアップを図ったり、海外利用客にも人気の高い「一風堂」ラーメンの機内食導入路線を増やしたりと、様々な取り組みを進めている。

 機内のエンターテイメントでは、番組数を約250から約350に拡張。多言語化や海外コンテンツの導入にも力を入れているとのこと。また、羽田空港国際線ターミナル、成田空港第1ターミナルのラウンジを拡大し、羽田空港国際線ターミナルの「ANA SUITE LOUNGE」内には、深夜時間帯に向けて、ANA初のラウンジ内本格レストランサービスを開始している。その結果、とくにこの1年間は、海外利用客を中心に高い評価があり、「エアライン・スター・ランキング」の受賞に、こうした海外からの評価が後押しになったのではないかと感じているという。
《冨岡晶》

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