【インタビュー】『ライヴ』井口昇監督 後編……「撮りたい映画はあと125本あります」 | RBB TODAY

【インタビュー】『ライヴ』井口昇監督 後編……「撮りたい映画はあと125本あります」

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井口昇監督
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  • (C)2014「ライヴ」製作委員会
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  • 『ライヴ』5月10日公開 (C)2014「ライヴ」製作委員会
 「僕の作品には強い女性と弱い男性が必ず出てくる。そういう男女のリアリズムを描きたかったんです」

 10代にカリスマ的な人気を誇る山田悠介作品を井口ワールド全開で映像化した、5月10日公開の映画『ライヴ』。前回に続き、井口昇監督に創作の裏側や作品を貫くテーマ、監督自身の問題意識、今後の活動などについて話を伺った。

――映画『ライヴ』は原作のイメージとは違って、お色気要素が挟み込まれていたりして、シリアスなんだかふざけてるんだか、笑っていいんだか良くないんだかよく分からなかったりしたんですけど(笑)、そういうのも意図的なんですか?

あれ(お色気)は僕の生理的なことですね。茶目っ気です。とにかく今回はクランクインから、シリアスに緊張感漲る「ソウ」みたいな作品にしようと思っていたんですね。だけどつくってみたら、相変わらずの茶目っ気が邪魔して面白おかしくなっちゃいましたね。だから、いいんですいいんです、笑っても。

――「わざと感」みたいなものって意図的に盛り込んでらっしゃるんですか?

わざとっていうか、自然にそうなりますね。「突っ込みどころ満載だね」ってよく言われるんですけど、ナチュラルにそうなるんですよね。突っ込みどころ満載になるように計算しちゃったらできないですよ。今回の脚本もそうなんですけど、勝手に手が動くように書いてる感じでしたね。無意識でこう、「じゃあ次どうなるか…あっミニスカがずれてパンツが見えればいいんだな」って。自分が次に見たいものが見れる映画にしたいなって思っていて、本能でつくってましたね。そしたらお尻とかがいっぱい出てくるものになりましたね。

――あと、登場人物にはそれぞれ背景があって、結構親との絆みたいなところがポイントになっていましたけど…。

原作はウイルスに感染した親のために謎のマラソンに参加するっていうあらすじで、偶然なんですけど、僕の過去の作品も家族の話が多いんですよね。「片腕マシンガール」も殺された弟の復讐をする話だし、「ロボゲイシャ」は姉と妹の話だし、「ヌイグルマーZ」も従姉妹との話だし、無意識に家族、血の絆の問題に拘っているところがあって。かと言って僕が親と仲悪いとうわけでは全然ないんですけど。必然的にそういう話になっていくのが何か不思議だなっていうのがありますね。

――ご自身でも何故なのかは分からないんですか?

うーん。僕も兄弟がいて、そこまで会ったりはしないんですけど、でも関係は一生つきまとうもので、人間にとって血の絆って不思議なものだな、とすごく思うんですよね。今世の中では親子の関係性が薄くなってるじゃないですか。例えば田舎でも家族で一緒に食事をすることがなくなったり、親と会ってもほとんど喋んない家族が多かったりする中で、今回の作品のように自分の家族が誘拐されたりしたらどうするんだろう?って自分でも思ったので。自分だったらどうしていくだろうっていうことを突き詰めていくと描けるんじゃないかって。「あんな親助けたくない、別に死んでもいいよ」っていう人もいるし、親がDVだったとしても「やっぱり助けたい」って思う人もいるだろうし。今血の絆が薄くなってると思うからこそ、そういうところは描いていきたいなって思うんですよね。

――あと、監督の作品は戦う女性がよく出てきますけど、やっぱりそういう女性が好きなんですか?

単純に趣味というか好みでしょうね、戦う女性と、すぐやられちゃう男性。僕の作品には弱い男性と強い女性っていうのが必ず出てくるんですよ。意識してないけど絶対そうなりますね。今回「ハッ」と思ったのは、多分日本で一番アクションがうまいと言われている役者さんである虎牙光輝さんのアクションを撮りきれなかったんですよ、当初はもっとアクションをやってもらう予定だったんですけど。「ひぃー」って逃げてる姿の方をだんだん撮りたいって思ってきてしまって。

――監督の中では男性は弱いイメージなんですか?

男性は弱くあって欲しい。女性と男性の差っていうのがあると思っていて、自分の家族が極限状態にさせられたときに、容赦しないでなんとか勝とうと思うのは実は女性なんじゃないかなと思いました。犠牲者を何人出してもいいから自分が勝つ、ていう風になるんじゃないかなって。男女のリアリズムをそういうところに描きたいなと思ったんです。
《奥 麻里奈》

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