JAIST×産総研×理研の研究グループ、高効率な熱電変換が可能な鉱物を発見 | RBB TODAY
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JAIST×産総研×理研の研究グループ、高効率な熱電変換が可能な鉱物を発見

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天然のテトラへドライト(産総研地質標本館所蔵標本)
  • 天然のテトラへドライト(産総研地質標本館所蔵標本)
  • テトラへドライトと様々なp型鉛フリー硫化物の無次元熱電性能指数(ZT)
  • テトラへドライトの結晶構造の一部
 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)、産業技術総合研究所、理化学研究所からなる研究グループは15日、自然界に存在し、鉱物資源として古くから知られていた「テトラへドライト」が、400度付近で高い熱電変換性能を示すことを発見したことを公表した。

 「熱電発電」とは、固体素子を用いて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術。自動車や工場の高温排気中の中温廃熱(300~500度)の回収・利用がとくに期待されているが、有望とされている熱電材料は鉛などの有害元素を多量に含有し、このことが実用化の大きな障壁となっていた。

 JAISTの研究グループは一昨年から、身近で環境にやさしい元素であるCu(銅)とS(硫黄)を含む鉱物に注目して熱電材料を探索。その結果、およそ1年前に、自然界に存在し、身近な元素である銅と硫黄を多く含む鉱物「テトラへドライト」とほぼ同じ組成をもつ材料を人工的に合成し、室温付近において比較的高い熱電変換性能を示すことを発表していた。

 今回、この成果を産総研とともに発展させ、テトラへドライトの母体(Cu12Sb4S13)のCu(銅)をわずかにNi(ニッケル)に置換した材料が、実用中温領域である400度付近において、高い無次元熱電性能(変換効率7%相当)を示すことを見出したとのこと。

 本成果は1月28日(米国時間)に米国応用物理学会誌「Journal of Applied Physics」のオンライン版に掲載された。なお研究グループメンバーは、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) マテリアルサイエンス研究科の末國晃一郎助教、小矢野幹夫准教授、産総研エネルギー技術研究部門 熱電変換グループの太田道広研究員、山本淳研究グループ長、理研放射光科学総合研究センター 理研RSC-リガク連携センターの西堀英治連携センター長など。
《冨岡晶》
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