【ERPの最新動向 Vol.4】モノづくりを支える製造業、その多様な業態にマッチする生産管理システム(後編) | RBB TODAY

【ERPの最新動向 Vol.4】モノづくりを支える製造業、その多様な業態にマッチする生産管理システム(後編)

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

大塚商会 システムプロモーション部 西日本システムプロモーション課 課長 竹下明宏氏
  • 大塚商会 システムプロモーション部 西日本システムプロモーション課 課長 竹下明宏氏
  • 大塚商会 システムプロモーション部 西日本システムプロモーション課 課長 佐藤博幸氏
  • 昨年の関西設計製造展の様子
  • 今年東京開催分の設計製造展の様子
  • 今年東京開催分の設計製造展の様子
■設計・製造・販売まで一気通貫の管理を目指す

 大塚商会は、10月3日~5日に開催される「関西 設計・製造ソリューション展」にブースを出展し、同社が提供する生産管理システム「生産革新ファミリー」(OSK製)のデモなどを行う予定だ。会場では、こちらも同社が提供するポータル型グループウェア「eValue」(OSK製)を利用した、設計・解析から生産管理、販売管理までをリンクさせたデモも予定されている。このデモではiPadでCADシステム、「生産革新ファミリー」、「SMILE BS」(OSK製)などを連携させ、実際に在庫参照画面や受注状況確認画面などのサンプルを見ることができるという。

 「生産革新ファミリー」は、CADシステムやERPパッケージ「SMILE」(OSK製)、上述したグループウェア「eValue」などとの連携機能を持っているのも特徴のひとつ。たとえば、部品構成表管理システム「Bom-jin(ボムジン)」と「eValue」が連携することで、設計担当と製造担当との間でシームレスに部品構成情報のやり取りができ、発注の際にデータを手で打ち直すなどの無駄な手間も省くことができる。製造業においては、製造部門、設計部門どちらも部品構成表(BOM)情報を扱うため、BOM連携とういニーズが非常に高いのだという。

 大規模なERPシステムを導入しても、部署ごとの連携がうまくできなくて、手作業でデータを入力しなければならなかったり、マスタファイルの重複管理が問題になったりといった問題は起こりがちだ。この点について、「じつは、製造業といっても、中では設計、製造、販売といった部署に分かれており、各現場ごとの連携が十分でないところもあります」と大塚商会 システムプロモーション部 西日本システムプロモーション課 竹下明宏氏が語るように、業界としても組織・システムの部署間連携が課題のひとつとして挙げられる。

 「Fu-jin」と「Raijin」シリーズが、製造管理と販売管理まで対応するソリューションとなっているのを始め、「生産革新ファミリー」がパートナーのCADシステムや「SMILE」シリーズなどとの連携機能を重視した一気通貫型のソリューションを構成できるようになっているのは、同社がこの現実的な課題を認識しているからだといえる。設計・製造ソリューション展でそのような連携のデモを行うのも同じ理由からであるという。こうした展示会に情報収集にくる場合、現場の管理も技術の管理もどちらもしたいというような人が多く、それは上席の人間であればなおさらとのこと。

 「大塚商会でも、以前はCADシステムを単独展示していたのですが、7年ほど前から、設計とものづくりのソリューションを連続的に提案できるようにしています。今回の展示会のブースでも、製造業の設計部門の人がきても、製造現場の人がきても、自分の部署だけでなく、他部署の業務がわかるような工夫をしています」と竹下氏は述べる。他部署連携を前提としたERP、生産管理システムは、企業の全体最適にもつながるというわけだが。

■個別業務のシステム化より全体最適で製造業の課題を克服

 製造現場でのメリットはどのような点にあるのだろうか。一義的には、在庫を減らす。納期を短縮する。組み立てミスをなくす。といったこととなる。大塚商会 システムプロモーション部 西日本システムプロモーション課 佐藤博幸氏によれば「『生産革新ファミリー』のような全体最適が可能なシステムを導入すると、製造部門以外の人もラインの管理ができるようになり、逆に製造部門の人は設計や販売管理の状況を把握できるようになります。組織としての動きも効率的になりミスや無駄がなくなってきます」という。また、製造業の中には、昨今の厳しい経済情勢もあって、こうしたシステムを導入せず、一部の管理者がExcelやAccessで部品やラインの管理を行っているところもあり、それで十分だと考える中堅・中小製造業も少なくないのだという。そういった場合にも、「一部の方がExcelで管理されている場合、その方以外に管理できる人がいないという状況が多く、一人にかかる負担が大きくなってしまいます。生産管理システムをいれることで、誰でも管理ができるようになれば、管理レベルの平準化が図れ、適切な在庫管理、発注納期の順守が可能になるのです」(佐藤氏)とのことだ。

 中堅・中小製造業の場合、ERPや生産管理システム導入のニーズはあっても、やはり投入できる予算は限られてしまう。そのため、最初から欲張った計画を立てるのではなく、3ヵ年計画や5ヵ年計画といった中長期でのシステム化を提案することが多いという。最初からすべてをシステム化しても、変更する業務プロセスやシステムのオペレーションなどが複雑になり、人員リソースも限られる場合、失敗しやすい。少しずつ機能や連携システムを増やしていくスケールアップ戦略が重要であり、顧客との信頼関係も築きやすいのだそうだ。このシナリオを支えているのが、提案段階から業態ごとの専門家によるコンサルティングを行い、稼働後のフォローアップまで携わる製造SPチームの体制と、無理せず、欲張らずスモールスタートからスケールアップさせることで、確実に効果の上がるシステムを提供する実稼働主義であるといえるだろう。

《中尾真二》

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