注目のライフスタイル『LITS』……大人になっても親と同居はポジティブ | RBB TODAY

注目のライフスタイル『LITS』……大人になっても親と同居はポジティブ

エンタメ 調査

親と同居していますか(男性)
  • 親と同居していますか(男性)
  • 親と同居していますか(女性)
  • 毎月実家にいくらのお金を入れているか。
  • 実家で親と同居していることで感じているメリット。
  • 実家で食事を摂る頻度
  • 家事を中心に実家で同居している親に協力していること。
  • 親と同居することの意義
  • 親と同居していることで周囲からネガティブな発言をされたことがあるか。
 マーケティング・リサーチのタイムカレントが未婚者の「実家暮らし」に着目。30〜40歳代で首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に居住・有職の独身者で、実家で親と同居している人を「LIvingTogether Single」(LITS)とし、彼らの実態調査を実施した。

 年々上昇している未婚率。国勢調査によると、未婚率が50%を下回る年齢は男性31歳、女性28歳で、この年齢が結婚適齢期といえる。ところが東京都では同じ年齢での未婚率が、男性61.3%、女性64.0%となり、共に都道府県別で全国トップだ。これは 2005年のデータだが、その後もゆるやかな上昇傾向にある。

 未婚率が高くなったのは、結婚したいのにできないというより、結婚を急がない、結婚に依存しない人が増えているということか。首都圏では生活に必要なさまざまな環境がそろっているため、結婚をしなくても不都合がないという見方もあるが、その分個人の経済的負担も大きい。結婚に依存しない層ならではの、新しい生活スタイルがあるのか?

 まず「LITS」の出現率について調べると、男性で39.1%、女性で45.5%。全体で42.0%と、4割以上が「LITS」だった。タイムカレントは「想定よりも高い数値と言ってよいだろう」とする。以下、男女484人のLITSからの回答を分析した。

 LITSが毎月実家にいくらのお金を入れているかを調べてみたところ、男性で4万7273円、女性で3万8347円、全体平均では4万2810円だった。首都圏の賃貸住宅の家賃や公共料金などの負担を考えると、かなりの経済的メリットがある。金額別にみると、最も多かったのは「30,001〜50,000円」、次いで「〜10,000円」、「50,001〜70,000円」、偏りが出た。

 実家で親と同居していることで感じているメリットは、最も多かったのが「自分が経済的に助かる」、次いで「実家なので住み慣れている」と、自分事が上位となった。「いつも親の様子をみることができる」「緊急時に親と近くにいられる」も高率となり、親への配慮のし易さもメリットだ。

 実家で食事を摂る頻度は「毎日」が最多となり、週に5日間以上は84.3%、週に3日以上まで合わせると94.0%になる。「外食やコンビニなどで済ませる傾向が強い一人暮らしと比べて、かなり高い数値」(タイムカレント)。

 いっぽう実家で同居している親に協力していることを、「極力協力するようにしている」「たまに協力している」「まったく協力していない」の3段階で、項目別に評価を聞いたところ、ほとんどの項目で「たまに協力している」が最多だった。「協力姿勢」が男女共に多かった項目は「掃除」「食事の片づけ」「買い出し」。男性では力仕事を含むものが多く、女性では家事全般となった。

 親と同居することの意義について複数の項目を設定し、「そう思う」「ややそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」の 4段階で、項目別に評価を聞いたところ、すべての項目で「肯定姿勢」が多数だった。LITSであることをポジティブに考えている。「肯定姿勢」が最も多かった項目は「自分は趣味を大切にしている」で、「自分は仕事を大事にしている」も多く、自身のやりたいことを実現できているようだ。

 親と同居していることで周囲からネガティブな発言をされたことがあるかを聞いたところ、「ない」が過半数を超えた。「自身が親との同居をポジティブに考えているため、周囲にネガティブな印象を与えないのかも」とタイムカレント。

 2011年に起きた東日本大震災の前後で、親と同居することに対する意識の変化はあったかどうかを聞いたところ、最も多かったのは「変わらない」で、震災以前から親との同居に肯定的だったことをうかがわせる。

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子氏は調査結果を受け、次のように語る。「『LITS』はもはやマジョリティだ。親と同居すれば『住宅』という親の資産を活用できる。LITSの親世代の持ち家率は約8割で、子ども部屋を活用できる。高齢の親も、年金収入になって現役時代に比べ収入が減るところに子どもから生活費が入る。双方にとってメリットがある」。

 結婚適齢期を過ぎた大人が実家で親と暮らすことに対して、「親に甘えている」「自立できていない」「パラサイト」などネガティブに捉えられがちな印象を受けるが、LITSは、経済環境・超高齢化社会の到来といった局面を生き抜く、ポジティブなライフスタイルとなり得るかもしれない。
《高木啓》

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