【IDF 2011(Vol.9)】インテルCPUロードマップ……モバイル市場拡大で性能要求高まる | RBB TODAY

【IDF 2011(Vol.9)】インテルCPUロードマップ……モバイル市場拡大で性能要求高まる

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微細化の歴史
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 米Intelは、現行の主力CPUである“Sandy Bridge”世代のCore iシリーズを32nmプロセス技術で製造しているが、アナウンスされている通り、2012年前半に投入を予定している“Ivy Bridge”世代および、2013年を目標に開発中の“Haswell”において、より微細な22nmプロセスを採用する。

 IDF 2011でも22nm化は主要な話題のひとつとなっており、基調講演や各テクニカルセッションで繰り返しトピックとして取り上げられた。22nm世代においては、配線幅を狭くするのみならず、同社が「トライゲート・トランジスター」と呼ぶ3次元構造を持つトランジスターを初めて導入する。「プレーナ型」と呼ばれる従来のトランジスターに比べより低電圧での動作が可能で、なおかつ微細化が進むにつれて大きな問題となっていたリーク電流を抑えることができ、高性能化に加えて強く要求されている省電力化のためには非常に効果的な技術であるという。3次元構造の導入は量産品のプロセッサーとしては初といい、半導体最大手であるIntelが設計・製造の両面で抜きん出ていることを示している。

 「高性能かつ省電力なPC」を、同社が今回のIDFで具体的に示したのが薄型ノート「Ultrabook」であり、22nmプロセスで製造されるIvy Bridgeの投入によってこの市場を大きく拡大させる構えであるが、一方でこの22nmプロセスは従来よりも早いペースでAtomにも採用される予定だ。

 現在、ネットブックや組み込み向けの低消費電力CPUとして提供されているAtomには、45nmプロセスで製造される“Bonnell”コアが用いられているが、2011年末から2012年にかけてのタイミングで32nmプロセスの“Saltwell”コア、2013年には22nmプロセスの“Silvermont”コア、2014年には14nmプロセスの“Airmont”コアを相次いで投入するというロードマップを描いている。

 IntelはPCやサーバー向けの「Core」「Xeon」では、新アーキテクチャの“Nehalem”(45nm・2008年末)、それを微細化した“Westmere”(32nm・2010年初頭)、新アーキテクチャの“Sandy Bridge”(32nm・2011年初頭)、それを微細化した“Ivy Bridge”(22nm・2012年前半)と、およそ1年ごとにアーキテクチャの刷新とプロセス技術の微細化を交互に進めている。これに対してAtomは毎年1段階ずつ微細化を図る予定であり、プロセス技術の進化だけを見れば従来の通常製品の倍のペースである。

 IDF期間中に開催された報道関係者向けの説明会で同社は、Atomがリリースされた当初は「省電力」および「低コスト」が最大の注力点であり、性能はそれほど重視していなかったが、スマートフォンやタブレットの拡大によって、性能(電力あたりの効率も含む)に対する要求が強くなってきたと説明、市場のニーズの急速な変化にともなって戦略の転換が求められたことを否定しなかった。

 今後のAtomにおいてどのような性能向上および機能追加が図られるかについてはコメントは得られなかったが、市場に投入される製品のレベルだけではなく、開発レベルの社内体制についても大きな変更があり、具体的にはPC・サーバー向けのプロセッサーやチップセットの開発チームと、ネットブック・家電・組み込み向けのSoC(System on Chip)開発チームを統合したという。新規開拓分野を含むすべての製品カテゴリにすべての開発リソースを振り向け、最新の技術や同社の持つ知財を戦略的に活用するのが狙いだ。

 また、Coreシリーズにおいても、メモリーコントローラーやGPUなどの周辺機能をチップ内に統合する動きは加速しており、PCやサーバーのプロセッサーもAtomのようなSoC製品の性格を帯びるようになってきている。今回の開発チーム統合の背景には、組み込み向けで培ったノウハウをPCやサーバー向けの製品にも反映させるという意図もある。これまではローコストCPUとして扱われることが多かったAtomだが、スマートフォンなどのモバイル機器のブームに後押しされる形で、製品ラインナップ上より戦略的な活用が求められるようになってきている。
《RBB TODAY》

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