【連載・日高彰のスマートフォン事情】“オフィス”よりも“ソーシャル”を重視した「Windows Phone 7」(前編) | RBB TODAY

【連載・日高彰のスマートフォン事情】“オフィス”よりも“ソーシャル”を重視した「Windows Phone 7」(前編)

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「Windows Phone 7.5」「シトラス」
  • 「Windows Phone 7.5」「シトラス」
  • 「Windows Phone 7.5」「ブラック」
  • 「Windows Phone IS12T」(東芝製)
  • 「Windows Phone IS12T」(東芝製)
  • Windows Phone 7
  • Windows Phone 7
 「Windows Phone 7.5」を搭載するスマートフォン「Windows Phone IS12T」(KDDI発売、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製)の販売開始が近づき、同OSに対する関心がにわかに高まっている。

 マイクロソフトは、PDA向けのOSをベースとしたプラットフォーム「Windows Mobile」を2003年から提供していた(それ以前の「Pocket PC」と呼ばれていたバージョンも一部スマートフォンに採用されている)。現在でもスマートフォンOSを手がけているベンダーの中では、最も早くからこの市場に取り組んでいた社のひとつである。日本でも2005年、ウィルコムから発売された「W-ZERO3」(シャープ製)によって、スマートフォンという商品カテゴリの認知にいち早く貢献したのは記憶に新しい。

 しかし、Windows PCやExchange Serverの情報を外出先でも確認するためのデバイスとして設計されていたため、一般コンシューマーが日常的に使用する電話としての評価は必ずしも高くはなかった。特に、2007年になってiPhoneが発売されると、タッチスクリーンを搭載した同じようなフォームファクタの製品でありながら、その使い勝手の差は歴然としたものになった。

 Windows Phone 7シリーズは、スマートフォンに対する最新のユーザーニーズに対応するため、従来のWindows Mobileとの互換性を切り捨てて新たに開発されたもので、動作速度や使い勝手を大幅に向上させた。今月、日本マイクロソフトが開催した報道関係者向けの説明会でも、担当役員が「すべてのコードを見直して新しい潮流として作り出したのがWindows Phone 7。Windows Mobileとはまったく違う」(同社業務執行役員 横井伸好氏)と述べるなど、これまでのWindows Mobileとは完全に「別物」であることを強調している。

 機能面では、従来の携帯電話でいう「電話帳」機能に相当する「people」と呼ばれる画面が特徴的だ。スマートフォンではさまざまなアプリをユーザーが自由に追加できるが、これまでの一般的な操作手順では、アプリ一覧画面から電話、Eメール、TwitterFacebookといった「手段」をまず選び、その中のアドレス帳や友達リストから連絡を取りたい相手を指定していた。しかし、この手順だと、アプリやサービスが増える度にアドレス帳の数も増えていくことになる。対してWindows Phone 7では、people画面で相手を選択すると、これまでの通話やSMSなどの履歴や、相手がソーシャルネットワーク上で行った投稿内容などが横断的に一覧表示され、そこから電話の発信や、SMSの送信、チャットの招待などが行える。アプリごとにアドレス帳が乱立するのではなく、連絡先のリストをOS側で一元的に管理し、サービスの種類を問わず利用できるようにするという考え方だ。

 また、友人のTwitterやFacebookの更新情報は、待ち受け画面にタイル状に貼り付けることができる。Androidスマートフォンでもアプリやウィジェットを追加すれば同種の機能は実現できるが、このような他社とのコミュニケーション機能をOSの最重要フィーチャーとして標準搭載しているのがWindows Phone 7の特徴だ。このように、特定の利用シーンに特にフォーカスしてOSを設計するのは、マイクロソフトとしてはかなり珍しい取り組みだ。

 従来のWindowsビジネスにおいて、マイクロソフトはOSという「場」を提供する役割に徹し、その場をどう使うかということについてはサードパーティのアプリケーションにまかせる戦略を採っていた。極論すれば、アプリケーションの作り込み次第では、Windowsの画面を一切見せないような独自の環境やサービスを提供することも可能だった。一方で今回のWindows Phone 7においては、ハードウェア、ソフトウェアの両面で設計ガイドラインをかなり厳格に設定し、コミュニケーション機能と、それを快適に使うためのユーザーインタフェース部分についてはOS標準のものを使う仕組みになっている。

《日高彰》

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