日本ヒューレット・パッカードは9日、ストレージ製品のブランドを「HP Storage」に刷新することを発表した。従来からの「HP StorageWorks」をすべて新ブランドに統一し、次世代ITインフラ実現に向けた戦略「HP Converged Infrastructure」を加速するのが狙い。 「HP Converged Infrastructure」の推進では、戦略的な企業買収により、高性能ファイルシステム「IBRIX」、ミッドレンジiSCSI SANストレージ「LeftHand」、クラウド向けユーティリティストレージ「3PAR」をラインアップに加え、エントリーからハイエンドまでのニーズをカバーするストレージポートフォリオを形成している。 新ブランド「HP Storage」では、「新たなイノベーションへのリリースを加速」「キーテクノロジーの統合」「ビジネス全体への適切な投資」を共通コンセプトとして、「IT全体の仮想化やクラウドサービスなど新ビジネスモデルへの適用」と、「アプリケーション統合や業務最適化など既存ストレージ資産の活用」という、大きく2つの活用領域にフォーカスして製品ポートフォリオを再編する。 新ブランド「HP Storage」の第一弾製品としては、エントリー・ミッドレンジ向けディスクアレイ製品の新モデル「HP P6000 Enterprise Virtual Arrayファミリ」と、スケールアウト型NAS製品「HP X9000 Network Storage Systemsファミリ」の機能強化モデルを投入する。 「P6000 EVAファミリ」は、業務統合など既存資産のより有効活用するための製品。従来からの「EVA」の特長である運用管理性を向上しつつ、2.5型SASハードディスクの搭載などハードウェアを一新。共通の管理ソフトウェア「P6000 Command View」を搭載し、運用管理性を提供し、新たにダイナミックLUN/RAIDマイグレーション機能を搭載したことで業務に影響を与えることなく、LUN/RAIDの設定変更をオンラインで行うことができるなど、ソフトウェア機能も拡張している。さらに、性能向上、機能拡張を図りながら、既存モデルに比べて30％のコストダウンを実現しているという。大規模LUN（最大32TB）のスナップがサポートされ、大規模論理設計も行える。 「EVAファミリ」として、Microsoft Exchange、SQL Server、SharePoint、Hyper-V、SAP、VMware、Oracleなど、各アプリーションに対応。リリースにともない、特に事業継続に適したアプリケーションとの連携が強化されている。 同時発表となるスケールアウト型NAS製品「X9000ファミリ」の機能強化モデルは、クラウドサービスなど新ビジネスモデルへの適用領域に位置づけられる。ハードウェアの性能向上や管理ソフトウェアの機能拡張により、スモールスタートが可能となる。ストレージ容量は、48TB、24TB、14.4TBから選択できる。さらに、CIFS/NFSクロスプロトコルのサポートを強化し、ユーザー認証が簡単になり、Windows/Linux/Unixとの親和性が向上。ストレージの使用状況が一目でわかるモニタリング機能を追加サポートし、管理性も向上している。 なお、日本HPでは、「P6000 EVAファミリ」の発表を機に、既存の「HP Storageパートナープログラム」を強化し、エントリー市場への拡販展開を本格化すると発表した。このプログラムでは、販売パートナーがエントリー市場で販売拡大するために必要なさまざまな支援施策やトレーニングを提供していく予定だ。 HP P6300 EVAの最小構成モデル（P6300コントローラーFCモデルSFF、M6625 300GB 6G 10K 2.5型SAS HDD×8）の価格は3,255,000円（税込）から。HP P6500 EVAの最小構成モデル（P6500コントローラーFCモデル、M6625 SFF SASディスクエンクロージャー、P6500 CV無制限 使用権、M6625 300GB 6G 10K 2.5型SAS HDD×8）の価格は7,035,000円（税込）から。HP X9300 Network Storage GatewayおよびX9300管理サーバパッケージの価格は、6,300,000円（税込）から。HP X9320 Network Storage SystemおよびX9300管理サーバパッケージの価格は、12,075,000円（税込）から。HP X9720 Network Storage System一式の価格は、21,945,000円（税込）から。いずれも9日より発売開始となる。
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