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【インタビュー】NTTぷららのセキュリティサービスが支持される理由

ブロードバンド 回線・サービス
NTTぷらら サービス企画部長 安江律文氏
  • NTTぷらら サービス企画部長 安江律文氏
 「ブロードバンドアワード2010」において、ISPのセキュリティ部門で最優秀賞に輝いた「ぷらら」。大手プロバイダのセキュリティ機能は横並びになりやすく、なかなか差別化がしにくい領域だ。この分野で受賞した要因はどこにあるのだろうか。「ぷらら」を運営するNTTぷららのサービス企画部長 安江律文氏に聞いた。

――大手プロバイダでは、セキュリティ機能での差別化が難しいと思いますが、どうお考えですか?

安江氏:確かに、ISPのセキュリティ機能は迷惑メールのフィルタリング、有害サイトやフィッシングサイトのフィルタリング、ウイルスチェックなど横並びになりがちで、特徴のアピールが難しいところです。また、一定のセキュリティ機能は備えていて当り前ということもあります。その中でユーザーから評価されたのは、「ネットバリアベーシック」という無料で提供している標準サービスにあるのではないかと思っています。セキュリティ関係の機能には、契約時に標準で提供されるものと、オプションとしてユーザーが追加できるものとあります。ブロードバンド回線の契約に標準で設定されるのが「ネットバリアベーシック」です。

――なぜ「ネットバリアベーシック」はユーザーに評価されるのでしょうか。

安江氏:セキュリティに必要な基本的な機能を誰にでも使いやすく提供している点です。有害サイトなどのURLフィルタリング、外部からの不正アクセスを遮断するパケットフィルタリング、Winnyの通信を遮るWinnyフィルタの3つの機能があります。そして、これら3つのフィルタリングのレベルは、デフォルト設定のほかにユーザー自身が細かい設定を行うことが可能です。このような手軽さと柔軟性がユーザーの評価につながっているのではないかと思います。

――各機能について具体的にどのようなものか教えてください

安江氏:URLフィルタリングは基本的にブラックリスト方式を採用しています。警察、公的機関、民間などのURLリストの提供を受け、危険なサイト、有害なサイト、フィッシングサイトなどと判断された場合、そのページにはいかず、警告するページに転送します。パケットフィルタリングは、いわゆるウェルノウンポート以外のポートを使った外部からのアクセスを遮断します。メール、HTTPといったメジャーなサービス以外のポートを遮断しますが、それ以外のすべてを遮断するわけではないので、例えばYouTubeが見られないとかWebサービスが受けられないといったユーザーの利便性を損なわないような制御を行っています。Winnyフィルタについてはぷららのバックボーン内でWinnyの通信が行われないようにフィルタリングします。最大の特徴は、これらの機能がクライアントPCやサーバー上という「点」に対して適用されるのではなく、網(ネットワーク)という「面」に対して適用されているということです。

――セキュリティ対策をネットワークに展開することのメリットはなんでしょうか。

安江氏:昨今のモバイルデバイスやスマートフォンによるインターネット接続スタイルを考えると、クライアント端末だけのセキュリティは煩雑になり、無駄も多くなります。PCやデバイスごとにウイルスソフトをインストールしなければなりませんし、その管理や維持コストがばかになりません。ネットワーク、この場合プロバイダのバックボーン回線ですが、そこにセキュリティ対策を集中できます。ユーザーはいちいち対策ソフトをインストールしなくても、ぷららのアカウントで接続している端末なら同じ品質のセキュリティが確保されます。この手軽さは今後さらに重要なポイントとなってくると思います。もちろん、どのセキュリティ対策にも一長一短はあります。ネットワークに適用されるセキュリティレベルは、基本的に契約アカウント単位の設定になりますので、例えば、家族のアカウントがあったとして、子供のアカウントだけセキュリティレベルを変えたいといった場合に対応しきれないことがあります。NTTぷららでは、このようなニーズに対しては、クライアント向けのセキュリティソフトの設定と組み合わせることを推奨しています。

――やはりクライアントのセキュリティソフトを不要にするまでは難しいようですね。

安江氏:そうですね。セキュリティ対策は何かひとつやっておけば大丈夫、という万能な対策は存在しないので、市販のセキュリティソフトやブラウザごとの機能も必要だと思います。サーバ、ネットワーク、端末とすべてのレイヤでセキュリティ対策を講じることで効果は上がります。実際、ぷららでは市販のセキュリティ対策ソフトの提供サービスも用意して、ユーザーに組み合わせて利用しやすい環境を提供しています。大手2社のセキュリティベンダーのソフトウェアを月額の利用料金でアップデートやメンテナンスのサポートを含んだ契約ができます。毎月利用料が発生してしまいますが、市販のセキュリティ対策ソフトは1年とか3年という単位で、パターン定義ファイルのアップデートサポートを契約するような形でパッケージを購入します。3年もあると、その間にPCの買い換えがあったり、そのつどインストールしなおしやアカウントの再設定などの手間とコストがかかるため、利便性でぷららの会員サービスを選ぶユーザーも少なくありません。ネットワークとクライアント側でセキュリティ対策を勧めるもうひとつの理由は、プロバイダとしてのポリシーによるものです。コンテンツや利用者のスタイルを規制したり制御するようなフィルタリングは、プロバイダ本来の役目とは違うものであるはずです。極端にいえば検閲に相当するような制御ですので、プロバイダの判断で一様に決めてよいのかという議論があります。われわれプロバイダ側でできる対策はとりますが、最終的にはユーザーのニーズや主体性を活かすため、画一的なフィルタや制御にならないようにしています。

――なるほど。通信の秘密は保証されるべきものですからね。

安江氏:最低限のフィルタリングについてのコンセンサスは得られていると思っています。現状で、ネットバリアベーシックの設定や機能についてユーザーからクレームのようなものはいただいておりません。先ほど述べたように、設定はユーザーが変更することができます。ユーザーが自分の環境のセキュリティレベルを判断するために、「ぷららセキュリティ診断」という機能を無料で提供しています。これはユーザーの「マイページ」から利用できますが、自分の契約内容やセキュリティの設定レベルに応じて、3段階の対策度と詳細内容のレポートを見ることができます。

――今後の展開や強化したい対策などはありますか。

安江氏:クラウド系のサービスはいろいろ考えています。ストレージ系でも、ただファイルを預かるだけでなく暗号化やセキュリティ機能を付加価値としたものも面白いかもしれません。簡単に使えるもので、かつスマートフォンなどモバイル利用を意識したサービスです。

――モバイル向けのメニューでは何か計画はありますか?

安江氏:FOMAをはじめ、au Packet WIN/Packet Oneなどに対応した高速モバイル接続サービスは人気です。またFOMAに加えて、2月21日よりXi(クロッシィ)にも対応した「Xi/FOMA対応オプション」サービスの提供も開始しています。
《RBB TODAY》
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