発売間近! おサイフケータイ搭載のAndroid機「IS03」を徹底レビュー | RBB TODAY

発売間近! おサイフケータイ搭載のAndroid機「IS03」を徹底レビュー

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KDDIが11月26日に発売する新製品「IS03」(シャープ製)
  • KDDIが11月26日に発売する新製品「IS03」(シャープ製)
  • 「コンビネーション液晶」の下部では、メイン画面がオフのときでも時刻等を表示し続ける。
  • メイン画面がオンの間はAndroid端末共通の操作ボタンが表示される
  • 右側面には電源、音量、カメラの各キーを搭載。カメラキーで直接カメラ機能が起動し、このキーでシャッターも切れるため手ぶれしにくい
  • 左側面にはmicroUSBポート。通信と充電に使用する
  • microSDカードスロットはSIMカードと同じく電池を取り外して装着する位置
  • ベールビュー機能オン時の表示
  • タスク管理ソフトを標準搭載。右下のウィンドウが重なったようなアイコンをタッチすると、起動中のアプリ一覧が表示され、切り替えや終了が行える
 KDDIが11月26日に発売する新製品「IS03」(シャープ製)は、Android OSが標準搭載する各種機能に加え、おサイフケータイやワンセグ、@ezweb.ne.jpドメインのメールやau oneナビウォークといった日本独自、au独自のサービスが利用できる、「1台目需要」に応えられる仕様のスマートフォンだ。今回、その試作機に数日感触れる機会に恵まれたので、試用リポートをここでお伝えする。なお、未発売機種でおサイフケータイをはじめとする一部サービスはまだ提供されていないため、既存Androidスマートフォンとの使用感の比較が中心となることをご了承願いたい。

■スリムなボディに高精細のコンビネーション液晶を搭載

 IS03は3.5インチのタッチ操作対応液晶ディスプレイを搭載し、スマートフォンとしてはオーソドックスなスタイルとなっているが、一目見て明らかに他の機種と違う部分がある。それが、メイン画面の下に設けられたサブエリアだ。このエリアにはシャープが開発した「メモリ液晶」が採用されており、無操作状態が続いてメイン画面がオフになった後も時刻や不在着信、未読メールアイコン、電池残量などを表示し続ける。

 メモリ液晶は表示内容の保持にきわめて小さい電力しか必要としないため、時刻等を常時表示させておいても機器の駆動時間にほとんど影響を与えない。大画面のスマートフォンは折りたたみ型携帯電話のようなサブ液晶を持たないため、時刻を確認しようとすると一度メイン画面をオンにしなければならなかったが、IS03ではその必要がなく、従来の携帯電話のように机上に置いた状態でいつでも時計表示を見ることができる。メイン画面がオンのとき、サブエリアはホームキーやバックキーなどの役割を果たすため、スペースの無駄もない。

 また、メイン画面はダブルVGA(640×960ドット)のNewモバイルASV液晶で、iPhone 4とならびこのサイズのスマートフォンとしては最も高精細な解像度を実現している。高解像度の画像や動画をより美しく表示できるほか、Webブラウズ時のシャープでは、NewモバイルASV液晶にメモリ液晶を組み合わせたこのディスプレイを「コンビネーション液晶」と呼んでいる。

■美しく、日本語が映えるUI

 実際に本体に触れてみると、コンビネーション液晶の次に特異性を感じられるのが画面の文字表示に使われているフォントだ。IS03は、印刷物や街中の看板・標識などでも非常に多く使われているモリサワの「新ゴR」を標準フォントとして採用しており、高精細液晶ともあいまってスッキリとした印象の文字表示となっている。

 アプリのアイコンやウィジェットを並べることのできるホーム画面は3画面だが、最大10画面まで追加が可能。標準のホーム画面のほか、オリジナルデザインの「着せ替えタッチ」を搭載している。また、Androidスマートフォンでは画面上部のバーを下へドラッグすると新着メールやアプリのアップデートなどの通知画面が表示されるが、この画面からマナーモードや、多くのシャープ携帯に搭載されているのぞき見防止機能「ベールビュー」のオン/オフなども設定できる。

 UIのカラーリングも、従来のAndroid機ではブラック/ホワイトを基調としているのに対し、淡いブルーなどを多く用いて全体的に柔らかなテイストとなっている。

 なお、Android OSのバージョンは2.1。Flash 10.1への対応やアプリの実行速度向上が図られた2.2へのアップデートは来春に実施予定だという。

■おサイフ、ワンセグ、赤外線に対応

 試用時点ではアプリが未提供のため試すことはできなかったが、IS03で利用可能なサービスで最も特徴的なのがおサイフケータイだろう。NTTドコモとソフトバンクモバイルからもおサイフケータイ対応のシャープ製Android機が登場するが、発売・発表時期で考えるとIS03が史上初のおサイフケータイ対応スマートフォンということになる。発表されている対応予定サービスは以下の通り。

………………………………………………………………
11月下旬予定
イオン「モバイルWAON/モバイルJMB WAON」
ぐるなび「ぐるなびNEWタッチ」
ビックカメラ「ビックポイント機能つきケータイ」
ヨドバシカメラ「ゴールドポイントカード」

12月上旬予定
全日本空輸「SKiPサービス」

12月以降予定
日本マクドナルド

2011年1月予定
ビットワレット「Edy」

2011年3月以降予定
ジェーシービー他「クイックペイ」

2011年度上期予定
東日本旅客鉄道「モバイルSuica」

2011年中予定
セブン・カードサービス「ナナコ」
日本航空インターナショナル「タッチ&ゴー搭乗」等
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 ワンセグは、イーモバイル「EM・ONE」やウィルコム「WILLCOM 03」、そしてauの「IS01」など、シャープ製のスマートフォンではこれまでにも実績のあった機能。視聴時には本体上部のアンテナを引き出して受信する。視聴予約・録画のほか、データ放送部分に表示される番組関連情報リンクを登録しておき、あとから閲覧できる「テレビリンク」機能にも対応するなど、一般的な携帯電話のワンセグ視聴機能と同等の機能を搭載する。

 また、赤外線通信を利用した電話帳データの交換も可能。スマートフォンだからといって、赤外線でのアドレス交換の際に仲間はずれになることはない。通信ポートは背面のカメラ脇に用意されている。

 そのほか、通信系の機能としては802.11b/g無線LAN、Bluetooth、GPSを搭載。国際ローミングは「グローバルパスポートCDMA」で、GSM方式には対応しない。

 メールは機能別に3つのアプリを搭載している。まず、従来のAndroidスマートフォンで標準的に使われる、プロバイダや会社のメールアカウントで送受信するためのメールアプリは「PCメール」と呼ばれている。次に、「@ezweb.ne.jp」ドメインのメールや、au同士の電話番号で送受信するCメールが利用できる「メール」アプリを搭載している。そして3つ目が「Gmail」アプリだ。この名付け方からも、PCメールより従来の携帯電話で使い慣れたEZwebメールを主に利用するユーザーの取り込みを意識していることがわかる。デコレーションメールにも対応する。

 今回はIS03向けのマーケットが未オープンだったため実際のダウンロード工程は試せなかったが、アプリは「au one Market」と「Androidマーケット」の両方から入手できる。au one Marketでは有料アプリの購入に「auかんたん決済」が対応し、クレジットカード登録などをしなくても、月々の電話料金とあわせてアプリの代金を支払えるようになる予定だ。

■通常の電話とシームレスに使えるSkype

 おサイフケータイのような日本独自のサービスに加え、もうひとつの目玉として搭載されているのが「Skype au」だ。

 Skype auは、PCなど向けに提供されているIP電話/インスタントメッセージサービスの「Skype」と、auの音声通話サービスを連携させたものだ。通常のSkype通話がパケット通信を利用するのに対し、Skype auでは従来と同じ音声通話用の回線を利用するため通話品質が高く、重いエンコード処理が不要なので消費電力が少ないという。

 技術的にはそのような違いがあるものの、ユーザーの使い勝手はこれまでのSkype同等だ。Skype auを利用したSkype通話は、Skype au同士だけでなくPCや他社スマートフォンのSkypeが相手でも無料。Skype IDもPCと共用できるので、既存のIDでサインインすれば普段利用しているコンタクトリストがそのまま表示される。マイクやスピーカーのセットアップが不要で、ソフトの作りもPCに比べシンプルなので、ある意味では従来以上に使いやすいSkypeとも言える。

 注意しなければならないのは、前述のように通話には音声通話回線を使用しているため、Wi-Fi接続では利用できないという点だ。また、別途Skypeクレジットを購入すれば国際電話は1分数円の格安料金で可能となるが、国内の電話番号に対してはau携帯電話からの発信となるため、通常の電話代がかかる。この点はiPhoneで利用できるSkypeアプリと大きく異なっている。日本から海外に電話をかける場合を除き、通常の電話代を抑える目的には使えないことを覚えておこう。

 とはいえ、Skypeの通話を利用するのは、急ぎの要件を確実に伝えなければならないシーンではなく、特定の相手と長電話することがはじめからわかっているときのほうが一般的だ。その意味では、Skype auの仕様でも十分目的は果たすことが可能だろう。わざわざPCの前に座って起動を待たずとも、携帯電話上の操作だけでSkype発信が可能になることのインパクトのほうがはるかに大きい。

 KDDIは今後スマートフォン以外の携帯電話にもSkypeアプリを搭載していく方針を示しており、これを起爆剤として国内のSkypeユーザーが加速度的に増加する可能性もある。Twitterを使い始めたユーザーの中には、従来のメールを送る頻度が減り、代わりにTwitterのダイレクトメッセージをよく使うようになったという人もしばしば見られるが、今後Skypeのアクティブユーザーが増えると、同様に電話番号宛の発信よりもSkype通話をよく使うようになるといった現象が生まれることも考えられる。

■スマートフォン最強のカメラを搭載

 シャープ製携帯電話ではカメラの画質も評価が高いが、IS03は、定評あるそのカメラをスマートフォンに移植した形だ。撮像素子は有効画素数約957万画素のCCDで、高感度・低ノイズを実現する画像処理エンジン「ProPix」を搭載している。最大1280×720ドットの動画撮影にも対応する。

 単にスペックが高いだけでなく、ハードウェアとしての使いやすさにも配慮が見られる。多くのスマートフォンでは画面へのタッチでシャッターを切るところ、IS03では専用のシャッターキーを側面に搭載しているため、本体をしっかり構えることができ手ブレの心配が少ない。このキーは半押しでのフォーカスロックにも対応しており、ピントを外す失敗も起こしにくくなっている。

 また、カメラを利用するアプリとして「QRコードリーダー」「名刺リーダー」「情報リーダー」などがプリインストールされている。従来の携帯電話では当たり前のように用意されている機能だが、スマートフォンではユーザーが自分でアプリをダウンロードして利用するのが一般的だった。しかし、後からアプリで機能を追加できると言っても、カメラの性能が悪いと、暗い場所でQRコードがなかなか読めなかったり名刺の細かい字を読み間違えたりといった不都合が生じることが多い。IS03は高性能カメラと専用アプリを搭載しているので、これらの機能も快適に使用できる。

■スマートフォンらしい活用ができる「jibe」

 iPhoneへの機種変更をきっかけにTwitterを使い始める人が少なくないように、ソーシャルコミュニケーション系のサービスはスマートフォンに最もマッチした使い方のひとつである。IS03に搭載される「jibe」は、そのようなソーシャルアプリをより使いやすくするためのツールだ。

 jibeは、mixi、Twitter、Ameba、ココログなど16のSNSやブログサービスのアカウントを登録し、それらの更新情報をまとめてチェックできるツールだ。各サービスのサイトを巡回したり、個別のアプリを立ち上げたりしなくても、タイムライン上にすべての更新情報が流れてくる。2~3つ程度のSNSやブログを使い分けるのも当たり前の時代なので、これは便利なアプリだ。

 現在位置からぐるなび、livedoorグルメ、HotPepper、じゃらんに登録されている情報をまとめて検索する機能も備えているほか、著名人のTwitterやブログのアカウントが最初から多数登録されているので、純粋に読むだけのコンテンツとしても楽しめる。

 ただし、現状では対応サービス以外が配信しているRSSを追加するといった機能は見あたらなかった。インターネットのサービスと相性の良いスマートフォンの特性を活かすため、そのようなWeb標準技術によって機能が拡張できるような設計になるとより「使える」アプリになるだろう。

■機能には十分満足、さらなるパフォーマンス向上に期待

 筆者は従来はiPhone、ここ半年ほどはAndroid搭載機の「HTC Desire」を日常的に使用してきたが、それらでできることのほとんどはIS03でも可能で、スマートフォンとしてのベースの部分は十分合格点と言えるレベルだと感じた。また、個人的にはマクドナルドのクーポンのためにおサイフケータイ対応の従来機をあわせて持ち歩いているのだが、それが1台にまとめられるというのも魅力的だし、高性能カメラや赤外線通信もうらやましい機能だ。スマートフォンは始めてというユーザーからヘビーユーザーまで、機能面ではほとんどのユーザーのニーズを満足できることだろう。

 一方、操作に対する画面の反応速度やタッチ操作のしやすさなど、UIに関しては現状ではやはりiPhone 4のほうが勝っていると言わざるを得ない。アプリケーションプロセッサには1GHz動作のSnapdragonを搭載しているので、初期のスマートフォンのような「もっさり」とした動きではないものの、指の動きへの画面の追従の微妙なタイムラグや、画面の切り替え時に発生する一瞬の待ち時間などは、ひとつひとつはほんのわずかなものであっても、ユーザーの満足度には確実に影響する要素だ。ただし、それらはソフトウェアのチューニングで大きく改善する余地がある部分でもあるので、今後のアップデートでの性能向上を期待したい。おそらく、発売時のバージョンでは今回の使用機よりもパフォーマンスが改善されていることだろう。

 アップデートに関しては、Android OS自体のバージョンアップをどれだけキャッチアップしていけるかが気になるところだ。来春にはIS03ではAndorid 2.2へのバージョンアップが予定されているものの、すでに「Android 2.3」とも言われる次期バージョンの噂がささやかれている。現状では2.2専用アプリはごく一部だが、今後その数が増えることは間違いないので、ユーザーとしては気になるところだ。また先般、Android 1.6を搭載する「IS01」では発売から半年を待たずして2.1への非対応が決定されたが、実質的に2年間の使用が前提となっている契約形態の下では、いつまでアップデータが提供されるのかも本機の評価を大きく左右する要素となるだろう。
《日高彰》

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