富士通、光ファイバー伝送のための歪み補償回路を7割小型化……次世代通信を5年以内に実用化 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

富士通、光ファイバー伝送のための歪み補償回路を7割小型化……次世代通信を5年以内に実用化

ブロードバンド テクノロジー
基幹伝送ネットワークとデジタル信号処理を用いた超高速光送受信器
  • 基幹伝送ネットワークとデジタル信号処理を用いた超高速光送受信器
  • 従来技術(a)と開発技術(b)による補償回路の構成
  • 従来技術(△)と開発技術(■)の回路段数と信号品質の関係
 富士通、富士通研究所、富士通研究開発中心有限公司は21日、毎秒100ギガビットを超える光ファイバー伝送のための歪み補償回路を7割小型化したことを発表した。

 数100km以上の長距離伝送システムにおいて、光ファイバーで伝送する信号の波形歪みを補正するデジタル信号処理アルゴリズムを開発し、回路の規模を従来より約7割削減した。これにより、通信キャリアの基幹伝送ネットワークや大規模データセンター間を結ぶネットワークに対して、1波長あたり毎秒100ギガビットを超える超高速の長距離伝送システムが、従来は10年以内では困難と考えられていた実用化について、5年以内に可能となる見込みだ。また、現在毎秒10ギガビットが主流であるネットワークが10倍以上になるため、超高速かつ大容量データの活用が可能となり、同社は「ネットワーク社会に大きな変革をもたらす」としている。

 毎秒100ギガビットを超える超高速信号は、数100km以上の長距離にわたって光ファイバーで伝送されるにつれて、波形に歪みが発生し、信号を正しく受信することが困難になる。従来の技術では「非線形補償技術」を実装するためには半導体集積回路として1億ゲートを超える膨大な回路規模が必要だった。今回富士通は、歪み補償の性能はそのままに、処理に必要な回路段数を約4分の1に削減できる、新しい信号処理アルゴリズムを開発した。この技術は「重み付け平均化処理の追加」「重みの決定アルゴリズム」を中核としたものだという。

 富士通では、今回開発した技術を毎秒100ギガビットを超える次世代長距離光通信システムに搭載し、2015年頃までに実用化を進める予定。また、データセンター内やアクセス網などに向けた大容量の短距離伝送など、幅広い応用分野への展開も検討していく。
《冨岡晶》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top