【Tech・Ed Japan 2010】SQL Azureの特性と機能を紹介 | RBB TODAY

【Tech・Ed Japan 2010】SQL Azureの特性と機能を紹介

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

マイクロソフト コミュニケーションズ・セクター シニア・テクノロジ・ストラテジスト 畠山大有氏
  • マイクロソフト コミュニケーションズ・セクター シニア・テクノロジ・ストラテジスト 畠山大有氏
  • SQL AzureのService Update3での強化点
  • SQL Azureのデータベースノードの特徴
  • SQL Azureのカテゴリ別運用上の特徴。チェックマークの機能も順次追加、整備されていくはず
  • HTTPSのみでクラウドデータベースにアクセスできるツール。余分なポートを開けないですむ
  • データベースのマイグレーション方法。基本はSQL Server 2008からAzureへというステップを解説
  • DACパッケージの概要
  • 非公式ツールながら便利で実用的なSQL Azure Migration Wizard
 マイクロソフトが主催する開発者向けのイベントである「Tech・Ed Japan 2010」にて26日、SQL Azureに関するセッションが開催された。SQL Azureは、マイクロソフトが提供するクラウドサービス型のデータベースサービスだ。セッションは、SQL Azureの特性を解説し、既存のデータベースをSQL Azureにポーティングするためのガイダンスと、新機能の活用方法などを解説するものだった。

■アプリケーションの開発のしやすさ

 このセッションを担当したマイクロソフト コミュニケーションズ・セクター シニア・テクノロジ・ストラテジスト 畠山大有氏によると、「SQL Azureは、クラウドサービスであるが、パブリッククラウドサービスにありがちな、ストレージや外部記憶装置といったリソースを提供するだけのものではなく、SQL Serverの機能というRDBMS(Relational DataBase Management System)のシステムを提供するもである」とのこと。

 これは、サーバーハードウェアやRDBMSのようなソフトウェアシステムを用意しなくても、簡単に、かつ要求や負荷に応じてオンデマンドにデータベースリソースをスケーラブルに利用できるということを意味している。また、クラウドサービスなので、データベースシステムに必要なハードウェアチューニングやメンテナンス、ソフトウェアのアップデートもすべてクラウド側で自動的の行われる。しかし、ここまでは通常のクラウドサービスとしては当然のことであり、畠山氏は、SQL Azureの最大の特徴は、アプリケーションの開発のしやすさ、ポーティングのしやすさを十分に考慮してあることだという。

 SQL Azureは、SQL Server 2008をベースにその機能をクラウド上に実装しているもので、アーキテクチャも同じ構造となっており、既存システムの移行が簡単にできる。実際、このセッションのデモは、壇上のノートPCによってSQL Azureの管理画面などに接続するスタイルで行われ、(畠山氏によれば)アプリケーションの開発も、クライアント側はノートPCで十分だそうだ。また、SQL Azureは8週間ごとに新機能の追加やリリースを行うというスケジュールで開発が進んでいるが、このセッションの前日の8月25日にも最新のアップデート(Update4)が行われた。その前のService Update3では、利用できるデータベースの容量も50GBに拡張されるなど、リリースごとにSQL Server 2008のフル機能に近付いているという。

 セッションでは、さっそくService Update4で追加された、Azure内のデータベースコピーが簡単にできる機能のデモが披露された。もっともデモといっても、SQL Azureの管理画面に接続し、すでに登録されている論理データベースのひとつを簡単なSQL文1行で複製するというものだ。デモデータベースはサイズが小さいので、処理は一瞬で終わったが、実際の作業は非同期で行われ、複製に時間がかかっても他の作業が止まることはない。なお、非同期処理ということで、クラウド上で同じデータベースを複数のユーザーで共有している場合の排他制御や整合性の確保が可能とのことだ。

■便利機能

 同様に、SQL AzureをWebベースで管理しようというHoustonというプロジェクトがあり、そのHouston CTPのアップデートも25日に行われたという。その簡単なデモも披露された。Houstonは、クラウド上のSQL Azure(サーバー)をクライアント側のPCやローカルのSQL Serverを経由するのではなく、HTTPSベースのブラウザで制御しようというものだ。まだ開発中で、機能の制限があるようだが、HTTPSベースですべてのDBアクセスがまかなえると、サーバーに余計なポートを開けないで済むというセキュリティ上のメリットがある。

 続いて、データベースの移行方法についての説明が行われた。一般にデータベースの移行は、システムの移行だけでなく、スキーマとデータそのもののマイグレーションが必要となる。SQL Azureには、Migration Wizardという便利ツールがある。このツールは、スキーマとデータを同時にマイグレーションしてくれるといい、さらに、クラスター化インデックスの作成を試みるといった、オンプレミスのSQL ServerからAzure上に移行する場合の設定の違いを調整してくれるような機能も備わっている。畠山氏はMigration Wizardは、マイクロソフトの公式ツールにはなっていないが、自身の使用で困ったことはないとも述べた。他にもDACというスキーマを変換するパッケージツールを紹介した。

 MySQLやOracleからSQL Azureへの移行については、SQL Server Migration Assistant (SSMA)の機能をデモを交えて紹介した。また、実際のデータベースの場合、膨大なデータをオンプレミスからクラウド上に移動させる必要もある。あるいは、クラウド運用でも膨大なトランザクション処理の問題もある。その場合は、ネットワークの帯域や接続性を考慮すべきとのアドバイスもあった。

 クラウド、オンプレミス間、クラウド間でのデータの同期方法についての説明も行われた。クラウド、オンプレミス間では、SQL Azure Data Sync(CTP)というツールが利用でき、クラウド間ではSQL Azure Data Sync Service (CTP)を利用するとよいという。それぞれの利用にあたっての注意点や事前準備の有無などが紹介され、最後に、SQL Azureやセッションで紹介したツール類も発展途上にあるが、日々の進歩や使いやすさの向上には、開発者のフィードバックが重要であるとして、セッションを終えた。
《中尾真二》

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