【宙博2009 Vol.2】超電導ジェットコースターにブラックホールも!? | RBB TODAY
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【宙博2009 Vol.2】超電導ジェットコースターにブラックホールも!?

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再使用ロケットの模型。飛行機のVTOL(垂直離着陸)はすでに実用化されているが、何度も地球と宇宙を往復できるロケットだ
  • 再使用ロケットの模型。飛行機のVTOL(垂直離着陸)はすでに実用化されているが、何度も地球と宇宙を往復できるロケットだ
  • 重力レンズ効果のシミュレーション。観光地にあるマジックミラーではない
  • スーパーカミオカンデにも使われているという光電子倍増管
  • ただの磁石の反力なら逆さにすると落っこちるが、超電導による励起される磁場によって浮いている
  • 超電導ジェットコースター
  • 超電導ジェットコースター
 東京国際フォーラムで開催されている「宙博2009」では、宇宙観測、宇宙探索、太陽エネルギーなど、国際天文年にちなんだ展示によって、大人から子供まで楽しめる内容になっている。その展示のいくつかについて紹介しよう。

 まず、なにやらおむすび型の物体が宙に浮かぶ映像が目に付いた。宇宙航空開発機構(JAXA)が研究している再使用ロケットの実験風景のビデオが上映されていたのだ。そばには立体模型が展示してある。カットモデルなので内部構造がわかるようになっていた。再使用ロケットとは、スペースシャトルのような形状ではなく、円錐型の物体が自力で浮上し、自力で降りてくるというロケットだ。まだ大気圏突破まではいかないが、実験映像では、降りるときもまっすぐな姿勢できれいに着地していた。

 また、近くのブースでは映像が歪んでいるモニターを発見。重力レンズ効果をシミュレーションした映像のデモだ。重力レンズ効果は、ブラックホール周辺の巨大な重力によって光も捻じ曲げられるという現象だ。このブースでは、宇宙に存在するはずの「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」についての研究内容を展示。宇宙望遠鏡などの観測や計算では、宇宙空間に存在するガスや星などの物質は全体の15〜20%程度しかなく、残りは未知の物体(観測できない)「ダークマター」とその2倍はあるといわれている「ダークエネルギー」(宇宙が膨張を続けるエネルギーともいわれている)が占めているという。これの正体をつきとめるための研究だ。

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、粒子加速器のユニットの展示やニュートリノ観測に利用できる光電子倍増管(高感度な光電子センサー+増幅器)などの展示が行われていた。その一角にプラレール風の楽しげなコーナーを発見。高温超電導の実験で発見されたセラミックを使ったリニアカーの模型だ。発砲スチロールの車の中に超電導セラミックを埋め込んで液体窒素で冷やす。すると、永久磁石で作ったレールの上を浮上しながら進むというもの(【関連動画参照】)。コースはジェットコースターのようにループやひねりもある。うまくいけば、とびださずにコースをクリアできる。金属のような導体よりも、セラミックのような物質のほうが高い温度(といっても液体窒素のマイナス196度前後)で超電導が起きることが発見され、応用などを研究しているそうだ。
《RBB TODAY》
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