クラウド時代に向けBIGLOBEは“インターネット・サービス・パートナー”に | RBB TODAY

クラウド時代に向けBIGLOBEは“インターネット・サービス・パートナー”に

エンタープライズ その他

NECビッグローブ 代表取締役執行役員社長 飯塚久夫氏
  • NECビッグローブ 代表取締役執行役員社長 飯塚久夫氏
  • BIGLOBE戦略ビジョン
  • 「LogMeIn」のデモ。iPhoneからノートパソコンをリモート操作している様子。異なるOS間で利用可能で、スマートフォンにも対応。リモート制御とデスクトップ表示といった簡単な操作なら無料で使える。米国LogMeIn社が提供するサービスで、現時点で有料サービスはクレジットカードによるオンライン決済のみとなっているが、BIGLOBEでの課金代行に向けて交渉が進んでいるという
  • 「パーソナライズ」における取組み
  • 「クロスアプライアンス」における取組み
  • 「フォトポケ」のデモ。ケータイで撮った写真はBIGLOBEサーバに自動アップロードされ、すぐに家族や友人に公開できる。Wi-Fi経由でデータを一括アップロードすることも可能。「フォトポケ」iアプリはドコモの「N-06A」にプリインストールされており、「これまで垂直統合型でやってきたキャリアが、他社サービスの専用アプリをプリインストールした国内初の事例」(飯塚氏)という。他機種でも、ダウンロードすれば利用可能
  • 「フォトポケ」のデモ。ケータイで撮った写真はBIGLOBEサーバに自動アップロードされ、すぐに家族や友人に公開できる。Wi-Fi経由でデータを一括アップロードすることも可能。「フォトポケ」iアプリはドコモの「N-06A」にプリインストールされており、「これまで垂直統合型でやってきたキャリアが、他社サービスの専用アプリをプリインストールした国内初の事例」(飯塚氏)という。他機種でも、ダウンロードすれば利用可能
  • 「みんなでカーボンダイエット」のデモ。分電盤に無線付きの専用ユニット(充電池駆動)を取り付けておくだけで、1時間ごとの測定値を1日単位でBIGLOBEサーバに自動アップロードされ、ブラウザから電気使用量を確認できる。今年4〜6月に実施したトライアルでは、参加者の電気使用量が平均15%削減されたという
 NECビッグローブは8日、東京・丸の内ビルにて、クラウド時代に向けた新たな戦略ビジョンに関する記者説明会を開催した。

 BIGLOBEのブロードバンド接続会員数は、242万会員(今年3月現在)で、国内シェア第2位。ISP事業が同社の収入の根幹となっているが、「接続サービスだけでは事業の発展がない。接続会員のリテンションを高めるためにも、もっともっと魅力あるサービスを提供していく必要がある」とNECビッグローブの代表取締役執行役員社長の飯塚久夫氏が語るように、単なる接続事業者ではない道を目指し、今回、中期的な戦略ビジョンを発表した。それは、誰もがクラウド化のメリットを享受できるよう、ユーザー視点に立って支援するという思いを込めた「インターネット・サービス・パートナー」としての新たな取組みである。

 複数のサービスを便利に組み合わせたり、どこにいようと様々な機器からサービスを利用できるような環境が与えられても、ユーザーがうまく接続できなかったり、目的のサービスを見つけられなければ、パーソナル領域のクラウドは進展しない。こうした考えからNECビッグローブは、「ユビキタス」「パーソナライズ」「クロスアプライアンス」という3つの価値を連携させ、ITリテラシーの高い人、そうでない人を問わず、誰もが自分のニーズに合わせてクラウドを使いこなせるための「パーソナルゲートウェイ」の提供を推進していく。

 まず「ユビキタス」視点の取組みとして、MVO手法によってあらゆる高速接続、無線接続にいち早く対応していく。具体的なサービスは、FTTH、公衆無線LAN、WiMAX、HSPAなど、状況に応じて専用ソフトが最適なネット回線に接続する「BIGLOBEマルチコネクト」や、自宅や会社のPCを外出先モバイル端末からリモート操作できる「LogMeIn」などが用意されている。

 「パーソナライズ」視点の取組みとしては、BIGLOBEポータルサイトのリコメンド機能、マッシュアップによるBIGLOBE内外の一括検索、さらにはユーザーの属性や行動履歴に応じた検索結果表示加工などを実現していく。また、旅先の行動を写真や記録から整理して帰宅後に楽しむといったことに利用できる「BIGLOBEライフログ」は、ネット利用とリアル行動を一連のライフサイクルととらえたユニークなサービスとなっている。

 「クロスアプライアンス」視点の取組みとしては、健康器具、GPS、ゲーム機もすべてがBIGLOBE顧客と考え、それらを連携させることで新たな付加価値を創出していく。具体的なサービスとしては、ケータイ画像共有サービス「フォトポケ」や、家庭内の消費電力を計測してCO2排出量を見える化する「みんなでカーボンダイエット」、P2Pストリーム配信やマルチメディア放送の実験などによる映像サービスメニュー拡充などがある。

 以上のようなクラウドサービスをユーザー一人ひとりとつなぐ「パーソナルクラウドゲートウェイ」視点の取組みとしては、クラウド上でPCとスマートフォンを連動させる「BIGLOBEゲート(仮)」など、様々な機器間の操作を引き継ぎ、シーンに合わせて最適なスタイルで提供していきたいとしている。

 紹介されたサービスの中には、機能としては目新しくないものもあるが、「ユーザー視点に立ち、ユーザーが簡単にできる工夫が盛り込まれている」点で異なるとのこと。飯塚氏は「iTunesが後発にもかかわらずSonicStageを席巻できたのは、ユーザー操作で1クリック少なかった、極端に言えばそれだけ。たとえ1クリックでも顧客の立場に立って、いかにサービスを簡単に使えるかを追求していきたい」と語った。

 パーソナルクラウドを支えるプラットフォームにおいても、サーバ台数1万台を超えるBIGLOBEデータセンターの、仮想化/自動化/分散同期技術への重点投資、IPv6対応(ネットワークは2009年6月完了、サービスは2011年3月対応完了予定)、グリーンITの推進(2012年度のPUE目標値1.4)などに取り組んでいく。

 NECビッグローブは、以上ような取組みを通じて、ブロードバンドメディア事業とISP事業における利用者数の拡大と利用者単価の向上に加え、「桃源郷」を昨年秋に子会社化したことによるリアルでの事業機会増大も目指す。飯塚氏は、「“インターネットは接続料以外無料”という考え方が広まり、サービスで対価が得にくくなっているが、i-modeライクな発想をもって挑みたい。また、現在は市場が縮小しているインターネット広告マーケットにも、果敢にチャレンジしていきたい」と語る。

 今回の記者説明会は、BtoCサービスに特化していたが、企業向けとして、サービスプラットフォームの提供や、課金/認証基盤の提供にも取り組んでいく。この他、M&A戦略なども加え、NECビッグローブグループの売上を、2008年度の906億円から2012年度には1,300億円への成長を目指す。
《柏木由美子》

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