【事例紹介】本業に専念できる安心感が魅力——ユーキャン×BIGLOBEがSaaS基盤で実現したモバイルサイト | RBB TODAY

【事例紹介】本業に専念できる安心感が魅力——ユーキャン×BIGLOBEがSaaS基盤で実現したモバイルサイト

 ユーキャンのWebサイトでは、PC向けに「学びオンライン」を提供してきたが、学習に直結し即時性の高い携帯電話向けサービスも開始し、学習支援の充実を図っている。

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ユーキャン 教育指導本部 指導企画室 指導企画課 課長の石井篤氏(左)と指導サポートセンター 学びオンライン事務局 グループリーダーの岡田稔啓氏(右)
  • ユーキャン 教育指導本部 指導企画室 指導企画課 課長の石井篤氏(左)と指導サポートセンター 学びオンライン事務局 グループリーダーの岡田稔啓氏(右)
  • 指導サポートセンターの岡田稔啓氏
  • 「学びオンライン」(パソコン版)のマイページには、各種お知らせや受講講座ごとの掲示板リンクなど受講生に必要な情報が集約されている ※ クリックで全画面表示
  • ログイン:パソコン版と同じお客様番号とパスワードでログインできる。かんたんログインも用意されている
  • マイページ:受講講座に関連するお知らせやFAQ、学習質問メールにアクセスできる
  • 学習質問メールの受信箱:パソコンからも確認できる。講師からの回答があった場合は、メールで通知してもらうことができ、携帯メールに設定することが可能
  • マイページ:受講講座に関連するお知らせやFAQ、学習質問メールにアクセスできる
  • 教育指導本部の石井篤氏
 正月休みに、「いざ、なりたい自分へ。」というTV CMを目にした方は多いだろう。このキャッチを発信した通信教育大手のユーキャンは、趣味・実用講座から資格系講座まで、110種類を超える通信講座を提供している。「お稽古市場」「自分磨き」は若い女性が牽引しているという背景もあり、ユーキャンの受講生は7割が女性、特に20、30代が中心だ。しかし昨年からの不況で、資格・検定講座の人気が急上昇。そうした社会を反映したのが「いざ、なりたい自分へ。」のCMだ。

 この大々的なプロモーションによって同社のWebサイトへのアクセスは、パソコン版・モバイル版ともに急増した。それでも、資料請求や受講申込の受付、さらには受講生向け学習支援サービスを提供することができた背後には、NECビッグローブのSaaS基盤を利用した「BIGLOBEビジネスサービス」があった。

◆実績ある強固なセキュリティが選定の決め手

 ユーキャンのWebサイトでは、講座紹介、資料請求・受講申込の受付のほか、受講生向けに資格試験・検定の解答速報やメールによる質問受付を行っていたが、受講生が使いやすいポータルを用意したいと考え、2006年3月、既存のWeb上のサービスを統合した「学びオンライン」を開始した。

 実は、当時のWebサイトの構築・運用はBIGLOBEではなかった。しかし、長期的な視野で考えると、より堅牢なインフラと強固なセキュリティが必要と判断。数社のサービスを比較検討した結果、最終的に採用されたのがBIGLOBEが企業向けに提供している「BIGLOBEビジネスサービス」だった。

 ネットワークの回線速度の安定やシステムの開発力はもちろん、豊富なシステム運用実績を持つBIGLOBEデータセンターとその厳格な管理体制が最大の選定理由となった。

◆様々なドラマが繰り広げられる学習支援サービス

 「学びオンライン」では現在、学習質問メール、受講生掲示板、添削状況照会、カレンダー機能、FAQ、解答速報などを提供している。

 「掲示板にはドラマがあります」と、指導サポートセンターの岡田稔啓氏は言う。学習を始めたばかりの期待感、先輩受講生からアドバイスや励ましをもらい手探り状態から脱却、試験直前の不安、合格の歓喜や再挑戦に向けた決意。講座の掲示板では、そうした受講生のドラマが繰り広げられているというのだ。

 さらに、ユーキャンの指導部門も驚いた「学びオンライン」の活用があった。囲碁の講座では、ASCII(アスキー)文字で碁盤を再現し、受講生同士が課題を出し合うといったことも行われているという。

 「学びオンライン」の狙いについて、教育指導本部の石井篤氏は、「通信教育では、教室と違って、仲間を実感しにくい面があります。学びオンラインが、受講生同士が共感し合う場になり、スキルアップやモチベーションアップにつながれば」と言うが、その狙いは実現できているようだ。

◆学習に直結し即時性の高い携帯電話向けサービスが誕生

 「スキマ時間を活用して学習してもらいたい」と考えているユーキャンにとって、モバイル版の提供は、パソコン版の構築時からの懸案事項であった。そこで、パソコン版の安定稼働にともない、すぐさまモバイル版の検討を開始した。

 岡田氏は、モバイル版の位置付けについて、当時の検討を次のように振り返る。「パソコン版を登録している受講生向けの付加サービスにするか、パソコン環境がなくて携帯電話しか使わない受講生用のサービスにするかなど、いろいろ社内で検討しました。その結果、モバイル版だけでも完結できるサービスを目指し、かつ、パソコンとモバイルの併用も可能な仕組みを取り入れることにしました」。

 コンテンツについては、「いつどこにいても学習が進められ、疑問を解決できる」ことをテーマに、質問メールや解答速報など、学習に直結し即時性の高い機能に絞り込み、添削受付状況の照会や掲示板の機能は対象外とした。また、ログインや質問メールなどはパソコン/モバイルで共通化するなど、併用者の利便性を考慮した。

 こうして2008年11月、BIGLOBEがこれまで携帯電話向けサービスの開発・構築で培ってきたノウハウを生かし、SaaS基盤を利用した携帯電話向け学習支援サービス「学びオンライン モバイル版」がオープンした。

 受講生からの質問メールは、パソコン版と同様に、講師が専用の管理画面から回答する。講師ごとにアカウントが設定され、講師は担当の受講生の質問履歴や学習期間、理解度を管理画面上で参照しながら、受講生にあった回答をメール送信している。また、携帯電話向けのメールマガジンの配信システムは、BIGLOBEのメルマガ配信ASPである「BIGLOBEメールコミュニケーションサービス」を利用している。

 現在、学びオンラインの運営は4名体制。彼らはあくまで受講生と講師の橋渡しをし、受講生の学習をサポートすることが仕事だ。受講生からの問合せのうち、システムに特化した部分はBIGLOBEがサポートしている。

◆本業である“指導”に専念できる安心感

 ユーキャンは、これまでも自社サイトの構築は外部委託してきた。「我々は“指導”というサービスを提供するのが本業ですから、システムではなく、サービスの品質向上にリソースを集中したい。BIGLOBEのSaaS基盤の利用は、セキュリティ面、将来的なサービス拡張など、総合的に判断して最善の選択だったと思います」と石井氏は語る。

 ユーキャンのWebサイトへのアクセス数は、繁忙期と閑散期で大きな波がある。資格試験日の前後はもちろん、TV CMや新聞の折込広告による大々的なプロモーション後もアクセスが集中し、そのたびにサーバがダウンしてはサービスが成り立たない。BIGLOBEへの移行後、ユーキャンでは安心して本業に打ち込むことができているという。また、SaaS基盤を活用しているため、繁忙期に合わせたシステム構築をしなくても、必要な時期に応じてフレキシブルな対応が可能なため、コストの面からも効率的な運用が可能だ。

◆サービスの本質に従って変わっていく

 「学びオンライン」の会員数は、2006年3月のリリース時から累計14万人を超えている。インターネットに慣れていない受講生、メールでは回答が難しい学習内容などもあり、引き続き紙媒体による学習支援も併用していくが、ユーキャンとしては、学びオンラインの登録者率を限りなく100%に近いところへもっていきたい考えだ。特に資格講座の場合、毎年のように法改正があり、最新情報を的確に提供していくうえでもインターネットは有効なコミュニケーションメディアとなる。

 学習スタイルに関しても、現在は紙の教材と添削用紙を使った通信教育に加えて、動画による講義の生中継およびオンデマンド配信を試験的に開始している。今後については、教材を持ち運べるサイズに小型化したり、学習の要点をCDで聞けるようにするなど、学習しやすい方法を取り入れていきたいという。

 多種多様な属性を持つ受講生の幅広いニーズに応えるのは大変なことだが、「資格試験に合格するなど、喜びを得てもらうことが我々のサービスの本質です。そのためには、変わっていくことも必要。いろいろな方法を検証していきたいですね」と石井氏は語る。これからどのような新しい学びを我々に提供してくれるのか。今後のユーキャンのサービスに期待したい。
《柏木由美子》

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