NEC、従来比サイズ1/1,000、消費電力1/10のフォトニック結晶を用いた光通信用光スイッチ技術 | RBB TODAY
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NEC、従来比サイズ1/1,000、消費電力1/10のフォトニック結晶を用いた光通信用光スイッチ技術

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ピラー型フォトニック結晶の導波路
  • ピラー型フォトニック結晶の導波路
 日本電気は24日、光集積回路技術「シリコンフォトニクス」において、同社が独自開発したピラー型フォトニック結晶を利用して、光スイッチ素子の超小型化、および超省電力化を実現する技術を発表した。また、同技術を用いて、従来のシリコンフォトニクス光スイッチの10分の1となる20μm角の2×2(入力2、出力2)光スイッチ素子を開発し、WDM光通信用途に十分利用可能な40nmの波長幅で17mWと低電力でのスイッチング動作に成功した。

 同技術は、フォトニック結晶を用いることで、通常の約10分の1以下と速度が遅く、制御効率が高い光「スローライト」を作りだし、光スイッチ機能を数ミリ角のシリコンチップ上に集積する技術。スローライトをWDM光通信に十分な40nmの波長幅全域で作り出す「フォトニック結晶広帯域スローライト技術」を開発し、従来、光スイッチの微小化によって不足していた、光と電気の相互作用時間を十分に確保することによって動作効率を向上し、20μm角の超小型化ながら17mWの低電力スイッチング動作が可能なWDM通信用光スイッチ素子を実現した。また、同社独自のピラー型フォトニック結晶を用いた導波路の90°曲げ技術「フォトニック結晶広帯域光集積回路技術」を開発し、わずか0.4μmの曲げ半径でも光の透過帯域を広く保ち、フォトニック結晶導波路を用いた光スイッチにおいて、WDMへの対応と高集積化を両立した。さらに、ピラー型フォトニック結晶の導波路と、従来のシリコンフォトニクス回路で用いるシリコン細線型の導波路とを繋ぐ超小型光結合素子の開発により、フォトニック結晶を用いた高機能光素子のシリコンフォトニクス回路へ組み込む「フォトニック結晶光結合技術」を開発し、超小型で省電力性に優れるピラー型フォトニック結晶の光スイッチを、低損失性に優れるシリコン細線型導波路で接続できるようにした。
《富永ジュン》
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