日立ソフト、既存システムをそのまま仮想化するサービスを発表 | RBB TODAY
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日立ソフト、既存システムをそのまま仮想化するサービスを発表

エンタープライズ その他
日立ソフトセキュリティサービス本部長 中村輝雄氏
  • 日立ソフトセキュリティサービス本部長 中村輝雄氏
  • 「SecureOnline」上で動く「@Service24」を実演
  • 本番環境をそっくり仮想環境に移行した
  • CPU数、メモリ数などハードウェア構成は随時変更可能
  • VM環境では苦手とされていたクラスタリングをミラーリング技術で実現
 日立ソフトは同社が10台のPCサーバで稼働させていたサポートサイト「@Service24」を仮想化環境「SecureOnline」に移行したと発表した。仮想化に当たってはハードウェアの構成を変更せずバーチャルマシン環境に再現。アプリケーションもそのままの構成で仮想化環境へ移行した。実機で稼働していた本番環境をそのまま仮想環境に再現させることに成功したことで、同社は今後開発環境メインで販売していた「SecureOnline」サービスについて、本番システム環境の仮想化モデルとして拡販していく。同社は「とにかくそのままで移行する。いままで仮想化に悩んでいた顧客に安心しておすすめしたい」という。

 物理サーバを使用した本番システムにとって、増大するリクエストを複数のWebサーバに振り分けるロードバランシング機能と、信頼性を確保するクラスタリング機能は不可欠だった。「SecureOnline」は開発環境として販売していたため、不特定多数のクライアントからの同時接続は考慮されなかった。

 一方で、「@Service24」のハードウェア構成が5年以上経過し、システムのリプレイスの時期を迎えていた。そこで、同社では顧客に対し積極的に仮想化を進めているという観点からも、「@Service24」の次期システムは仮想環境で実施することにした。「@Service24」は同社のシステムを使用する多数のユーザーと同社のサポートスタッフが同時にアクセスする。そこで、「SecureOnline」にF5ネットワークスの「BIG-IP」を採用してロードバランシング機能を追加した。また、データベース部分にはサイオステクノロジーの「LifeKeeper」を採用し、バーチャルマシンとストレージが対になるバーチャル環境において、ミラーリング方式でクラスタ環境を実現。本番環境受け入れの準備を整えた。

 「@Service24」の仮想環境への移行により、1ラック(42U)分のスペースが「SecureOnline」の2ブレード、10VMに移行した。これにより、社内の物理サーバの台数が5分の1に減り、ネットワークケーブルやスイッチ、ルータなども不要になったため、1ラックの占有スペースが6分の1になった。残ったサーバは「SecureOnline」を操作するためのもので、「@Service24」自体はすべて仮想化したという。オフィス空間を節約しただけではなく、総電力量も3117ワットから1463ワットへと5割以下に削減された。これらを含めた設備購入費や運用コストは総じて2割程度を削減できたという。

 同社セキュリティサービス本部長の中村輝雄氏は「仮想化によって、今まで何か月もかかっていたハードの増設が最短1日で可能になる。いままでハードを増設する場合、将来の稼働状況を吟味し、ゆとりを持ったスペックにする必要があったが、仮想環境ならいつでも増設できるのでコストの適正化につながる」とメリットを強調した。
《杉山淳一》
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