日本電気とアイダエンジニアリングは25日、DNAの抽出から解析までを一貫して行える持ち運び可能な個人識別用DNA解析装置を共同開発した。 同装置は、個人識別用途に機能を絞り込むことで500×400×200mmのアタッシュケースサイズにまで小型化をはかり、事件現場への持ち込みを可能としたもの。DNA解析に必要な細胞の摂取、DNAの抽出、DNA量を増やすPCR増幅、DNAの大きさを調べる電気泳動、個体差を判別するSTR解析の5つの機能を備え、すべてのプロセスを約25分で完了できる。 小型化においては、チップを試験管替わりに利用するラボ・オン・チップ技術を採用し、一枚の樹脂上に複数のシリコーンフィルムを貼り合わせた専用チップの開発が行われた。また、PCR解析装置と電気泳動装置はそれぞれ10×5×5cm、10×5×3cmと従来のものと比較して大幅な小型化を実現している。 今後は、2008年度の製品化に向けてさらに改良と開発を重ねるとしている。