オリンパスは6日、従来の光学系レンズとは異なるに新しい設計手法を確立したと発表した。同社はこの手法を用いて、全方位(水平画角360度)の投影および撮影を可能とする「軸対称自由曲面レンズ」を開発するとともに、同レンズを組み込んだプロジェクター、およびCCDカメラの試作品を開発した。 発表によると同社は、同社の運営する研究開発センター「未来創造研究所」において、従来の光学系レンズとは異なる新しい設計手法を確立したという。この手法は、同社の開発した回転対称でない自由形状のレンズ面とプリズムを融合させてレンズ作用を持たせた光学素子「自由曲面プリズム」を応用して、レンズの光学特性とレンズ表面を定義する曲線の関係を大幅に見直して開発されたもので、従来の球面・非球面レンズで用いられていた設計手法では定義できないような、自由度の高いレンズの設計を可能にするという。今回、同社がこの手法を用いて開発した軸対称自由曲面レンズはコマ型の形状をした直径約6cmのプラスチック製で、入射した光線は内部で反射して全方位へ投影される。この光学系レンズを搭載したプロジェクターを用いることで、イベントなどのドーム状のパビリオンにおいて全方位ならではのコンテンツを楽しめるほか、同レンズを搭載したカメラを天井に設置すれることで、室内を全方位見渡せるセキュリティカメラとしても使用できるという。なお、同レンズを搭載する試作品の実用化に関しては未定。